薬膳ごはん yakuzen gohan

日々の生活に取り入れられる薬膳のレシピを紹介していきます。

アスパラとトマトのケチャップライス 夏の薬膳⑦

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ゴールデンウィーク前後より夏を思わせる天気が多くなります。
暦の上でも立夏を迎え、からだも夏に向けた準備を始める頃です。
水分代謝を調整し、日差しに負けないからだをしっかり作ることで夏バテや熱中症を予防しましょう。 

 

暦の上では、5月5日頃の立夏から、小満、芒種、夏至、小暑、大暑までの3ヶ月間が夏です。
夏の不調と言えば、夏バテや熱中症(暑気あたり)が代表的ですが、暑さの盛りである7、8月だけでなく、その前の時期にしっかりと養生しておくことが大切です。

日本の夏は湿度が高いのが特徴なので、梅雨の時期に余分な水分をためないことがまずは大切になります。かといって、水分不足になれば日差しが強い日に熱中症になってしまいます。
現代の生活では空調もよく効いた部屋にいるため、汗をかくことも少なく、からだの体温調整機能も水分調整機能も落ちていることが多いです。

日差しが心地よい5月頃はからだを動かすにも良い時期です。この時期に汗をかくことに馴れておくと、梅雨の湿気によるからだの不調の予防や、本格的な夏の暑さへの備えになります。
また、冷たいものは胃腸の調子を損ない、からだに湿をため、からだを重だるくする原因にもなります。
例年、梅雨にむくむ、夏に食欲がなくなる、夏バテでからだがだるくなる、といった症状が出やすい人は、特にアイスクリームや氷の入った飲み物は極力控えるようにした方がよいでしょう。

食事の面では、夏の色である赤色の食材を多く取り入れるといいでしょう。
トマト、パプリカ、あずきなど赤い食材の多くは、夏の臓器である”心”に働きかけ、夏に出やすい不調を緩和してくれる作用を含みます。
また、からだの水分を補う食材(生津)、のどの渇きをいやす食材(止渇)、からだの余分な水分を排出する食材(利水)、余分な熱を取り除く食材(清熱)などを徐々にとり入れていくとよいでしょう。 

ただし、生ものや冷たいもの、からだを非常に冷やす食材(スイカ、苦瓜、ナスなど)は冷えやすい人や、夕飯でたくさん食べるにはまだ早い時期です。

 

◆ 芦笋(アスパラガス):からだの水分代謝を調整する、余熱をとる

**食材の解説**

アスパラガスが日本に入ってきたのは江戸時代と言われていますが、当初は観賞用だったそうです。ギリシャでは薬用として紀元前より使われており、実は非常に古い食材です。

アスパラガスには、からだを潤す、のどの渇きを収める、余分な水分を排泄する、余分な熱をとる、通便をよくする、元気をつけるといった効能があり、まさに夏の備えに適した食材と言えるでしょう。
現代の栄養学では、免疫力の向上、抗酸化作用、抗がん作用、降圧作用などがあります。

なお、ホワイトアスパラは土寄せし日光に当てずに育てたものです。
グリーンアスパラもホワイトアスパラも、9種類の必須アミノ酸が含まれていますが、グリーンアスパラはβ−カロチン、ビタミンCが優れています。

からだを冷やす作用がありますので、極端に冷えやすい人や下痢をしているような人は、一度にたくさん食べ過ぎないようにした方がよいでしょう。

 

今回のレシピで使っているその他の食材

 ◆ トマト:からだを潤す、余分な熱をとる ▶︎ トマトの詳しい説明はこちら

 ◆ トマトケチャップ:心(しん)を養う

 ◆ 玉ねぎ:気の巡りをよくする、食欲不振を解消する

 

アスパラとトマトのケチャップライス

<材料> (2人分)

  • 炊いたごはん      ・・・・ お茶碗2杯分

  • アスパラガス       ・・・・ 3本

  • プチトマト      ・・・・ 3個

  • ベーコン        ・・・・ 40g

  • 玉ねぎ        ・・・・ 1/2個

  • トマトケチャップ      ・・・・ 大さじ3

  • コンソメ(顆状)        ・・・・ 小さじ1

  • 塩      ・・・・ 小さじ1/2

  • 黒こしょう         ・・・・ 少々

<作り方>

  1. 玉ねぎをみじん切りにする。アスパラ、トマト、ベーコンを5mm程度の厚さに切っておく。

  2. フライパンにオリーブオイルを大さじ1程度いれ、玉ねぎを透き通るまで炒める。

  3. ベーコンを炒め、アスパラ、トマトも炒める。

  4. 3にコンソメを入れ、混ぜた後にごはんを入れ均一になるまで炒める。

  5. 火を止め、トマトケチャップを入れて混ぜ、塩、黒こしょうで味を整える。

 

 

 

**** 夏におすすめの薬膳レシピ ****  

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ブログ薬膳ごはん 表参道にある源保堂鍼灸院の薬膳部が担当する薬膳・医食同源ブログ

薬膳相談室 表参道にある源保堂鍼灸院の薬膳部が薬膳・医食同源の観点から食事の相談しています

表参道・青山・渋谷・原宿・外苑前エリアにある源保堂鍼灸院 伝統的なはりきゅう施術をしています

 

春の野菜餃子 春の薬膳⑧

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あたたかい日が多くなってくる4月は春の最後の時期です。
肝臓の疲れも溜まってくるころで、皮膚のかゆみや胃腸の不調がでる人もいます。
春の養生をしっかりおこなって、体調を万全にして新年度をスタートさせてください。
 

春分を過ぎれば本格的な春が到来し、一ヶ月たらずで暦のうえでは夏になります。
4月になると、春の臓器である”肝”の疲れがたまってくるころです。
”肝”が疲れてくると、解毒機能が落ちてしまい、細菌やウィルスに感染しやすくなったり、貧血になったり、消化吸収能力が落ちたりします。

あたたかくなってくると人間だけでなく自然界のあらゆるものが活発に動きだします。細菌やウィルスも例外でなく、春に胃腸炎になったりのどが痛くなったりと、いわゆる伝染病に感染しやすくなります。

また、胃腸の調子が悪くなるケースですが、これは”肝”が弱って疏泄(そせつ)の機能がよわくなり、胃腸の消化吸収能力が落ちる場合と、”肝”が強くなりすぎて”脾”を痛めている”木克土”という状態にある場合とがあると東洋医学では考えます。
東洋医学では臓器を5つの特性にわけており、その臓器のあいだに力関係があるのですが、”肝”が盛んになりすぎると”脾”=消化器を痛めつける特徴があります。
よくストレスで胃が痛くなる、と言いますがその状態を表しています。
なお、前者の胃腸の消化吸収能力が落ちる場合ですが、肝臓の働きが落ちると、胆汁が十分に出なくなり、特に脂質の消化吸収が悪くなると言うこともできます。

また、気持ちの面でも不調を感じることがあり、イライラしたり、落ち込んだりすることもあります。
気分の不調は自分自身が悪いのではなく、季節のせい、とわりきって、気持ちのよい場所に出かけたり、楽しいことをしたり、のびのびと過ごすことがよいでしょう。

今一度春の養生を徹底することで、春を快適に過ごしてください。

  <春の養生のポイント>

  • 良質なタンパク質をとる
  • 貧血予防になる食材をとる
  • 緑色の食材をとる
  • アルコールを控える
  • 早寝をする
  • イライラしない、怒らない
  • 適度な酸味をとる(柑橘類など)
  • ストレス発散になるような運動などをする

 

◆ 小松菜(こまつな):余熱をとりイライラを解消する

**食材の解説**

江戸時代に小松川(現在の東京都・江戸川区周辺)で栽培されていたことより、小松菜、と呼ばれるようになったと言います。

冬が旬の野菜ではありますが、からだにこもった熱をとりイライラを解消したり、胃腸の働きを改善し通便を促したりとデトックス効果も高く、春の時期にもよい食材です。
ただし、気を降ろす性質が強いので胃腸が弱い方や下痢気味の方は控えめに。

ビタミンCやβーカロテンなどビタミン類が豊富に含まれていますが、熱に弱いのでできるだけ調理は手早く行った方がよいでしょう。
また、カルシウムが豊富なので、ほうれん草などシュウ酸が多いものと一緒にとるとカルシウムが吸収されないので気をつけてください。

 

今回のレシピで使っているその他の食材

 ◆ きゃべつ:胃腸を丈夫にする

 ◆ にんじん:胃腸の働きをよくする、貧血によるかすみ目を解消する

 ◆ 紫蘇:気の巡りをよくする、解毒する

 ◆ 豚肉:からだを潤す 

 

春の野菜餃子

<材料> (20〜25個分)

  • きゃべつ      ・・・・ 100g(2〜3枚)

  • 小松菜       ・・・・ 1/4束

  • にんじん      ・・・・ 120g

  • 紫蘇        ・・・・ 10枚

  • 豚ひき肉      ・・・・ 150g

  • 生姜        ・・・・ 1かけ

  • にんにく      ・・・・ 1かけ

  • 塩         ・・・・ 小さじ1/2

  • ごま油(黄色)   ・・・・ 小さじ1

  • オイスターソース  ・・・・ 小さじ1

  • しょう油      ・・・・ 小さじ1

  • 酒         ・・・・ 大さじ1

  • 餃子の皮      ・・・・ 20〜25枚

<作り方>

  1. きゃべつ、小松菜は粗みじん切りにし、塩をふりもんでおく。

  2. 紫蘇を千切りにする。にんじん、生姜、にんにくをすりおろす。

  3. かるく水分をしぼった1、2、豚肉、ごま油、オイスターソース、しょう油、酒を粘りが出るまでまぜ、あんをつくる。あんを餃子の皮で包む。

  4. 3を油をひいたフライパンにならべ、100mlの水を入れてフタをし、5分中火で焼く。水がなくなったら、フタをあけ、少量のごま油(黄色)をまわし入れ、焼き目をつける。

 

**** 春におすすめの薬膳レシピ ****  

 

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青菜のおひたし 春の薬膳⑦

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気候もよく行楽に出かけたくなるのが春、という人より、春は花粉症でツラいと悩む人の方が多くなってきたかもしれません。
花粉症の症状はよくならないもの、と思っている方もいるかもしれませんが、しっかりと養生をすればかなり改善されることもあります。
花粉症対策にオススメの緑の野菜を多くつかった春の薬膳レシピです。

 

春は”肝”という臓器の負担が大きい季節です。
この肝の働きを正常に保つようにするのが春の養生の基本です。

”肝”の働きとしては、”蔵血(ぞうけつ)”という血液を貯蔵する働きと、”疏泄(そせつ)”という機能があります。
疏泄”とは簡単にいうと、流れをよくする、ということで、気血の流れのほか各臓器の流れもよくします。
冬の間はからだは溜め込む状態になっていますが、春になると肝の”疏泄”の機能により余分なものを出していきます。
そのとき、アルコールや毒のあるものがからだに多くあると、肝は解毒するのに忙しくなってしまい、老廃物をからだから十分に出すことができない状態になります。

花粉症の方の中には、肝の機能が十分に発揮できないため老廃物や熱、花粉が体内に多く溜まってしまいアレルギーのような症状を引き起こしている方もいます。
花粉症に悩まれている方は、春の養生をしっかりとすることで症状が緩和されることがあります。

<花粉症の養生のポイント>
  • 肝の熱をとる食材をとる(貝類、セリ科、菊の花、クレソン
  • 解毒作用のある食材をとる(生姜、シソ、緑豆もやし、山菜、菜の花、キャベツ)
  • 気の巡りをよくする食材をとる(柑橘類、玉ねぎ、シソ、ミント)
  • 食物繊維が多い食材をとる
  • 発酵食品をとる
  • 良質なタンパク質をとる
  • アルコールを控える
  • 早寝をする
  • イライラしない、怒らない
  • からだを冷やさない

なお、一般に体調の改善に3ヶ月、症状の改善に1年、体質の改善に3年、と言われます。
できれば冬から行うことが望ましいですが、今からでも症状の軽減につながることもあるので、根気よく行ってみてください。

 

◆ 紫蘇・大葉(しそ・おおば):気の巡りよくする、解毒する

**食材の解説**

シソは、からだをあたため、気の巡りをよくする食材で、寒さからくる風邪にも用いられる食材です。
また、胃腸の働きを改善する働き、魚やカニの毒素を消す作用があります。
漢方薬でも、蘇葉(そよう)という生薬として含まれている薬効の高いものですが、日本でもよく使われる食材ですので、日常的に取り入れやすいでしょう。
例えば、お刺身には大根のツマ、シソが添えてありますが、ワサビだけでなく大根もシソも魚の毒を消す食材です。
お刺身を食べる際は、ぜひツマも一緒に召し上がるとよいでしょう。

シソの薬効成分は揮発しやすいので、生か加熱時間を短くして調理するとよいでしょう。
また、からだをあたためる効果があるので、熱っぽい人は控えめにした方がよいでしょう。

 

今回のレシピで使っているその他の食材

 ◆ きゃべつ:胃腸を丈夫にする

 ◆ ほうれん草:貧血を改善し血の巡りをよくする

 ◆ 小松菜:余分な熱をとる、胃腸の働きを改善し通便をよくする

 

青菜のおひたし

<材料> (2〜3人前)

  • ほうれん草           ・・・・ 200g(1束)

  • きゃべつ       ・・・・ 200g(3〜4枚)

  • 小松菜            ・・・・ 150g(2/3束)

  • 油揚げ              ・・・・ 2枚

  • だし汁             ・・・・ 200ml

  • しょう油            ・・・・ 小さじ5

  • みりん             ・・・・ 小さじ5

<作り方>

  1. 油揚げは熱湯で油を抜き、千切りにする

  2. ほうれん草は塩ゆでし冷水にとり水を切る。きゃべつ、小松菜はゆで、冷ましておく。それぞれ5cm程度に切る。

  3. だし汁、しょう油、みりんを混ぜ、しっかり水を切った1と2を入れあえる。 

 

**** 過去の春の薬膳レシピ ****  

 

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鶏肉のマーマレード煮 春の薬膳⑥

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少しずつ暖かくなってきたのに、何だか疲れやすい、という方もいるかもしれません。
自然界だけでなく、からだも活発に動き出すのが春ですが、そのエネルギーを補うことも大切です。
元気を補う鶏肉と気の巡りをよくする柑橘類で、疲れをとって元気を取り戻すレシピです。

 

春の養生の一つに、徐々にはじめて何事もいきなり進めない、ということがあります。
例えば、日中の陽気も暖かくなり、洋服も春物を早く着たくなります。
しかし、ちょっと暖かくなったからといって、上着をすぐに薄手のものにしたりすると、春の突風や夜の冷え込みで風邪をひいたりします。
お花見で風邪をひく人も多いことからも、寒さに油断は禁物です。
また、来る夏のためにもこの時期に汗をかけるようになっておくことが重要です。
そのためにも、すこし暑いくらいしっかり洋服を着ておいた方がよい、と言われています。

春は新しいことをはじめたくなる季節です。
ようやく寒い季節が過ぎ、環境も新しくなったりと、いろいろなことに挑戦したくなります。
からだの方も、暖かくなってきたことで活発になりやすくなります。
しかし、ここでもスロースタートが大切です。
春の初めから全力でいろいろなことをやってしまうと、春の後半に気力を消耗してしまいます。
五月病や春の気分の落ち込みは、もしかしたら春の初めにがんばりすぎてしまったからかもしれません。
気持ちを少し抑えて、余力を残しながら、春を楽しむのがよいでしょう。

春は”肝”に負担がかかる季節ですが、その働きを補うためにタンパク質をしっかり補うことが大切です。
気力・体力ともに補うためにも、特に春はタンパク質をしっかりととることを心がけてください。
また、気の巡りをよくする柑橘類やシソやハーブなど香りのよいものも一緒にとると効果的でしょう。

 

今回のレシピで使っている食材

 ◆ 鶏肉:元気を補う 
   詳しい説明はこちら▶︎ 鶏肉の八角入り甘煮 冬の薬膳⑤ - 薬膳ごはん yakuzen gohan

 ◆ 柑橘類の皮:気の巡りをよくする
   
詳しい説明はこちら▶︎ 春菊とかぶのサラダ 春の薬膳① - 薬膳ごはん yakuzen gohan

 ◆ ローズマリー:気血の流れをよくする

 

鶏肉のマーマレード煮

<材料> (2〜3人前)

  • 鶏むね肉  ・・・・ 400g

  • マーマレード   ・・・・ 大さじ3
    (ここではゆずのマーマレードを使っていますがほかのものでもかまいません)

  • 白ワイン       ・・・・ 大さじ2

  • 塩        ・・・・ 小さじ1/2

  • ローズマリー        ・・・・ 適量 

<作り方>

  1. 鶏むね肉は食べやすい大きさに切り、塩とローズマリーをふるっておく。

  2. 油をひいたフライパンで1を皮がついているほうからしっかりと焼き目がつくまでやや強火で焼き、もう一方の面も焼き目が付きまで焼く。

  3. 2にマーマレードと白ワインを入れ、鶏肉にからめながら水分が少なくなるまで煮る。 

 

**** 春におすすめの薬膳レシピ ****  

 

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あさりとセリのお味噌汁 春の薬膳⑤

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春は進学や異動、転居など何かとストレスが多い時期です。さらに花粉症、飲み会、花見など肝臓もフル稼働…
春の臓器である”肝”はストレスやお酒に弱い臓器なので、”肝”をいたわった養生が大切です。
春の食材を使った薬膳を取り入れて、気持ちよい春を迎えられるようしてください。

 

立春を過ぎると寒いながらも少しずつ陽気も暖かくなりはじめ、春が近づいてくるのを感じます。
春が来るのを楽しみに待つ人よりも、近頃は花粉症で憂鬱な気分になる方も多いのではないでしょうか。
花粉症を始め、春は何かと心身ともに不調を感じる方が多いのも事実ですが、春の養生の仕方を気をつけるだけで改善されることもあります。

中医学では、春の臓器に”肝”が配されています。
簡単にイメージするならば、現代の解剖学における肝臓の働きと同じものが多く、血液の貯蔵、くすりやアルコールの解毒などの働きがあります。
また、"怒”の感情に弱い臓器であり、怒ったり、イライラしたりすると刺激されて熱を持ったり、働きが悪くなったりします。

現代社会において、春は転居や進学・異動など外部環境からのストレスがかかりやすい時期です。
さらに、歓送迎会、お花見などお酒の席も多く、”肝”への負担はさらに大きくなります。

パソコンやスマホなど、目を酷使する場面が多い生活の方も多いでしょうが、実はこれも”肝”に負担のかかることなのです。
”肝”で蓄えられたきれいな血液が、目に補われてものがよく見えます。
慢性的な貧血や、ストレス、過多な飲酒をされている方で、視力の衰えやドライアイなどを感じている場合は、”肝”にかなり負担がかかっているのかもしれません。

なお、花粉症の方の中には、”肝”の機能が悪くなって症状が悪化している方もいます。
できれば冬から気をつけるのがよいですが、今からでも遅くないので”肝”をいたわる養生を行ってみてください。

 <春の養生のポイント>
  • 良質なタンパク質をとる
  • 貧血予防になる食材をとる
  • 緑色の食材をとる
  • アルコールを控える
  • 早寝をする
  • イライラしない、怒らない

 

◆ 芹・水芹(せり):肝の余分な熱をとる

**食材の解説**

春の七草の一つでもあるセリですが、七草だけでなく春に食べるとよい食材の一つです。
独特の香りが苦手な方もいるかもしれませんが、ほかの食材と合わせることでその香りも食欲をそそるものになります。

セリは、”肝”や身体の余分な熱をとり、利尿作用、発汗作用、解熱作用などがあります。
特に、高血圧の方や頭がのぼせやすい方、イライラしがちの方などによいでしょう。
なお、根付きで売られているものを手に入れた場合はぜひ根も食べてください。セリの薬効は根の方が高く、根の茶色は泥ではなく、抗酸化作用がある部分です。
また、セリの薬効はミリスチンなどの揮発油成分によるため、加熱時間は短くした方がよいでしょう。

 なお、胃腸が弱く冷えやすい方やのどの渇きが強い方は控えめにした方がよいでしょう。

 

◆ 浅蜊(あさり):貧血を予防する、余分な熱をとる

**食材の解説**

早春から旬になるあさりもぜひ春に食してほしいものです。
あさりだけでなく、ハマグリ、シジミなどの二枚貝は血液を補い、肝臓の働きを補う食材ですが、最も手に入れやすく、調理しやすいものがあさりでしょう。

あさりは、貧血の予防、余分な熱や水分を取り除く効果、精神を安定させる効果があります。
また、二日酔いを解消する効果、高血圧の予防、コレステロールの抑制と排泄、心臓機能の強化など、飲酒が多い方にもオススメの食材です。

あさりはタンパク質、脂質、カルシウム、リン、鉄分、ヨウ素、ビタミンB族を豊富に含み、殻に硫酸カルシウム、ナトリウム、カリウムマグネシウム、リンなど多くの微量ミネラルを含みます。
調理する場合は、お味噌汁など殻ごと調理する方法だとこれらの栄養素を取ることができます。

 

今回のレシピで使っているその他の食材

 ◆ 味噌:上がった気を降ろす、解毒する

 

あさりとセリのお味噌汁

<材料> (2〜3人前)

  • あさり(殻付き)  ・・・・ 180g

  • セリ(根付き)   ・・・・ 1/2束(70g)

  • だし汁       ・・・・ 400ml

  • 味噌        ・・・・ 大さじ1と1/2

<作り方>

  1. あさりは砂抜きををしておく。

  2. せりの根の部分はよく洗い(洗っても黒い部分はそのまま使う)、みじん切りにする。葉・茎の部分は5cm程度にきる。

  3. 鍋で沸騰しただし汁にセリの根、あさりをいれ、一煮立ちしたらアクを取り除き、あさりの殻が開くまで蓋をする。

  4. あさりの殻が開いたら、火を止め、味噌を溶き入れる。セリの葉・茎をいれてしんなりするまで蓋をする。

 

**** 春におすすめの薬膳レシピ ****  

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黒米と生姜のごはん 冬の薬膳⑥

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1月から2月にかけて最も寒い時期となり、からだも冬の養生をしっかりすることが大切です。
冬は黒い食材をとるとよいと言います。その代表的なものの一つが黒米です。
生姜で冷えもしっかりとることができます。

 

中医学では、五行という考え方があり、臓器の特徴とその相互関係をわかりやすく説明しています。
もちろん、現代の解剖学と少しずれることもありますが、特徴を大局的にとらえ、からだに出る症状を解決していくには非常に有効な手法です。
例えば、臓器と季節、臓器と色というのを関係付けており、冬で言うと臓器は“腎”、色は”黒”となります。
冬には黒い食材を摂るとよい、というのはこの五行に基づいた考えからですが、現代の栄養学からみても理にかなっているものも多くあります。

黒い食材の例としては、黒米、黒ごま、黒きくらげ、黒豆などがあります。
ほかにも皮など外側が茶色や紫色である、栗、うなぎ、ぶどうなどがあげられます。
これらの食材は、目にいいとされるアントシアニンが豊富であったり、鉄分やミネラルなどが豊富であったりするものが比較的多くあり、冬の養生に欠かせない栄養素が含まれています。

細かい食材の特徴がわからない場合でも、季節に応じた食べ物の色を毎日の食卓にいれるようにするとよいでしょう。

 <季節と臓器、色の関係>
  • 春 ー 肝 ー 緑
  • 梅雨(土用) ー 脾 ー 黄
  • 夏 ー 心 ー 赤
  • 秋 ー 肺 ー 白
  • 冬 ー 腎 ー 黒

 

◆ 黒米・紫米(くろまい・むらさきまい):滋養強壮、血液を作る

**食材の解説**

黒いお米で古代米としても知られており、雑穀米としてブレンドされているものもよく見かけます。
黒米の黒い色は、視力の改善に効果があるとされるアントシアニンです。
薬膳の古い文献でも、黒米は視力の改善に役に立つと記載があるほか、長く食べると髪が黒くなるなど老化防止の効果、滋養強壮、血液を作る効果、胃腸を健康にする効果があるとされています。

栄養学的にみても、白米と比べビタミンB1、B2、ナイアシンや鉄分、亜鉛などのミネラル、食物繊維が2倍以上多く含まれています。

 

今回のレシピで使っているその他の食材

 ◆ 生姜:からだをあたためる、解毒する

 ◆ うるち米:元気をつける、胃腸を整える

 ◆ 酒:からだを温める、気血の流れを良くする

 

黒米と生姜のごはん

<材料> (3合)

  • 白米       ・・・・ 2.5合

  • 黒米       ・・・・ 0.5合

  • 生姜       ・・・・ 70g

  • 油揚げ      ・・・・ 1/2枚

  • だし汁      ・・・・ 550ml

  • しょうゆ     ・・・・ 大さじ4

  • みりん      ・・・・ 大さじ2

  • 酒        ・・・・ 大さじ2

<作り方>

  1. 白米と黒米はとぎ、30分以上水につけておく。

  2. 生姜は千切りにする。辛みが苦手な場合は水にさらしておく。油揚げは湯通しし、水気を切り、みじん切りにする。

  3. 炊飯器に水を切った1としょう油、みりん、酒をいれ、だし汁を3合の目盛りまでいれる。なべで炊く場合はだし汁を全量いれる。全体を混ぜ、生姜、油揚げを入れて通常通りに炊く。

 

**** 過去の冬の薬膳レシピ ****  

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鶏肉の八角入り甘煮 冬の薬膳⑤

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暖冬といっても寒さはからだを消耗します。
熱々のお鍋はちょっと、という場合でもからだをあたためる食材をこの時期しっかり摂っておくことが大切です。
食べたときのボリュームもあり、おかずにもお弁当にもオススメです。

 

冬は”腎”という臓器の負担が大きい季節です。”腎”は寒さが苦手ですので、足腰を冷やさないことが大切です。
近年暖冬傾向が続き、あまり寒くない冬もありますが、それでも一年の中では寒い季節です。
この時期の養生をおろそかにするとからだの源が弱くなってしまい、次に来る春、ひいては1年を健康に過ごすことが難しくなります。

暖房の部屋の中にいるとからだの表面は熱く、汗をかくこともあります。
しかしこれが逆にからだに寒さを入れてしまうことにもなります。
本来、冬は毛穴を固く閉じからだの熱を外に漏らさないようにする季節です。
しかし、暖かい部屋にいれば体表の温度が上がるので、毛穴が開きからだの熱を放出しようとします。
からだの表面が緩んだ状態でそのまま外に出れば、その毛穴からからだに冷たい空気が流れ込み、からだはとたんに冷えてしまいます。

また、中医学では風邪などからだにとって悪影響を及ぼすものは、からだの”穴”から入ってくると考えます。
毛穴が開いて寒さが入ってくることを指したり、口や鼻から風邪やノロウイルスなどを取り込んでしまうことを表しています。
手洗い、うがいなどの予防ももちろんですが、免疫力が落ちてしまうととたんにかかりやすくなってしまいます。
免疫力アップには体温を上げること、すなわちからだの芯の温度をあげることが非常に有効です。

室温が高かったり、あまり寒くない日が続くと、お鍋など熱々のものは嫌煙しがちになりますが、からだを温める食材を日々取り入れることでからだは冷えから守ることができます。

 

◆ 鶏肉(とりにく):からだを温める、元気をつける

**食材の解説**

アスリートが高タンパク低脂肪な食材として鶏肉のささみを常食することがありますが、中医学的にみても非常に理にかなったことと言えます。鶏肉はからだの元気を補い体力をつける食材です。
韓国料理のサムゲタンも生薬と鶏肉を煮込んだもので美肌やからだの元気を補う薬膳料理です。薬膳の古い文献でも鶏肉を使った料理は多くあります。
例えば、出産はたくさんの血液を消耗し、体力も非常に使います。出産後には鶏肉と生薬を煮込んだものやそのスープを食べさせたりします。

また、骨付きのもも肉や皮はコラーゲンが含まれています。黄色い脂身は避けた方がよいですが、乾燥しやすい方は適度に脂を抜いて皮も召し上がった方がよいでしょう。

鶏肉の中には抗生物質をたくさん使って飼育されたものや、ホルモン剤を投与されて育ったものもあり、その影響を指摘する人もいます。健康面を重視して飼育されたものはその分値段も高くなるので、納得できる価格と商品を選ぶとよいでしょう。

 

今回のレシピで使っているその他の食材

 ◆ れんこん(加熱):胃腸を整える、からだを守り固める

 ◆ どんこ(冬菇):腎を補う、元気を補う

 ◆ 八角(はっかく、スターアニス):からだを温める、気を巡らす

 ◆ 黒砂糖:からだを温める、血液の流れを良くする

 ◆ 酒:からだを温める、気血の流れを良くする

 

鶏肉の八角入り甘煮

<材料> (2〜3人前)

  • 鶏もも肉            ・・・・ 180g

  • どんこ(干し椎茸)       ・・・・ 大3個

  • れんこん            ・・・・ 100g

  • 八角              ・・・・ 1個

  • 酒               ・・・・ 大さじ2

  • 黒砂糖             ・・・・ 大さじ2

  • しょう油            ・・・・ 大さじ2

  • 戻し汁             ・・・・ 1/2カップ

<作り方>

  1. どんこはあらかじめ戻しておく。

  2. 鶏肉を食べやすい大きさに切り、塩をひとつまみ(分量外)ふっておく。れんこんも食べやすい大きさに切っておく。

  3. なべに大さじ1の油をひき、鶏肉を皮のついた面から焼く。焼き目がついたら返す。

  4. 鶏肉の両面に焼き目がついたら、れんこん、戻したどんこを入れ、全体を混ぜなじんだら、残りの材料をいれ、中火で煮る。汁気が少なくなり、全体にとろみが出たら完成。

 

**** 過去の冬の薬膳レシピ ****  

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玉ねぎとアンチョビのドレッシング 冬の薬膳④

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冬は寒さからも血液の流れが滞りがちです。
玉ねぎや背の青い魚は血液をサラサラにし、流れをスムーズにしてくれる食材です。
ドレッシングにすることで毎日の食事に取り込みやすくなります。
また、疲れたときにもオススメの組み合わせで、蒸し野菜や鶏肉などにも合います。

 

冬は寒さからも血液の流れが滞りがちになります。
よく冬場に心筋梗塞など循環器系の病気が多くみられますが、これは血液の流れが滞りがちのためです。
また、健康な方でもこの時期は血液の流れが悪くなりがちです。

血液の流れが滞った状態のことを中医学では、 ”瘀血(おけつ)” と呼びます。
瘀血(おけつ)の例としては、身近なもので言うと、目の下のクマ、シミ、打撲したときの青あざなどがあげられます。肩こりや腰痛を持っていらっしゃる方の一部には、瘀血が原因の方もいます。
重大な病気の原因になる血液をつまらせる血栓も瘀血です。
また、女性の場合は、子宮に瘀血があると生理痛がひどくなったり、子宮筋腫になったりします。

現代の生活ではどうしても運動不足になりがちです。特に座り仕事が多い方は、血液の流れが滞りがちになります。
日常的に血液の流れを良くし、血中の老廃物をたまらないよう心がけていくことが大切です。
軽い運動を行うのももちろんですが、血液の流れをスムーズにする食材を摂ることもあわせて行うとよいでしょう。

今回使用した玉ねぎ、イワシなどの青魚、お酢は、血液の流れをスムーズにする食材の代表格です。
上手に日々の食事に取り入れてみてください。

 

◆ 玉葱・洋葱(たまねぎ):血液・気を巡らす、消化不良を解消する

**食材の解説**

血液の巡りが悪い時、気の巡りも悪くなることがあります。逆に気の巡りが悪いときにも血液の流れは悪くなります。玉ねぎはそのどちらも解消してくれる食材です。
食欲不振や消化不良も、からだの巡りが悪いときにおこりがちです。玉ねぎは気血の流れを良くすることで、胃腸の巡りの悪さを解消してくれます。

現代の栄養学では、解毒・殺菌効果、利尿作用、高血圧、高脂血症などに効果があるとされます。
血液をサラサラにすることで有名であり、特に高血圧や高脂血症の方にはオススメの食材と言えるでしょう。
また、独特の匂いと辛みのもとである硫化アリルはビタミンB1の吸収をよくしてくれます。

生食で食べる場合、辛みが強いと逆に胃に負担になることがあります。
一方、切ってすぐに水にさらしてしまうと栄養成分が流れてしまいますので、辛みを抜く際には切ったあと15分以上空気にさらすとよいようです。

 

今回のレシピで使っているその他の食材

 ◆ アンチョビ(かたくちいわし):血液の流れを良くする、からだを強くする

 ◆ 酢:血液の流れを良くする、解毒する、体力を回復させる

 

玉ねぎとアンチョビのドレッシング

<材料> (作りやすい分量)

  • アンチョビ(小さめの缶1缶分) ・・・・ 50g

  • 玉ねぎ             ・・・・ 1個

  • 酢               ・・・・ 大さじ6

  • 生姜              ・・・・ ひとかけ

  • 塩               ・・・・ 小さじ1

  • オリーブオイル         ・・・・ 大さじ2
    ※オメガ3系のオイル(エゴマ油、インカインチなど)だとより効果的です

<作り方>

  1. 玉ねぎ、生姜はみじん切りにしておく。

  2. アンチョビをたたき、ペースト状にする

  3. 熱湯消毒したビンなどにすべての材料を入れ、フタをしてよく混ぜる。半日程度おいたら、温野菜などにかけて食べる。(日持ちは1週間程度)

 

**** 過去の冬の薬膳レシピ **** 

  

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牡蠣とブロッコリーのソテー 冬の薬膳③

 

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冬は”腎”に負担がかかる季節です。滋養強壮作用のある食材の多くは腎を補ってくれます。
魚介類の多くが腎を補うものですが、牡蠣もその一つ。
ミネラルも多く含みすぐれた栄養バランスの食材です。

 

冬に取りたい食材は免疫力を高めたり、強壮作用のあるものが多く、そのような食べ物は中医学的にいうと”腎”を補う食べ物が多いです。腎を補う食べ物は海産物に多く、冬場においしくなる牡蠣もその一つです。

冬の薬膳②では、冬の食養生として”腎”に帰経する食べ物が良い、と説明しましたが、この”腎”という臓器は単に腎臓だけを指すのではなく、私たちの生命活動の源をつかさどる機能も含んでいます。
たとえば、”腎”には生殖器の機能も含まれており、不妊治療やアンチエイジング効果を期待する場合は、適切に腎の働きをよくすることが必要になります。
また、老年性の足腰の痛み、認知症などもこの”腎”の機能が弱ってきたからと考えますので、症状の緩和や予防にも”腎”を補うことが必要です。

逆に、若くても特に冬に不養生な生活をしていると、”腎”が衰えてきます。特に腎は寒さを嫌いますので、冬場に下半身が冷える生活を送っていると、”腎”が弱ってしまいます。
寒い日に腰を痛めただけと思っていても、一時的ではありますが実際には”腎”が大変ダメージを受けた結果とみることができます。
頻繁に痛めてしまう方は、一度ライフスタイルを見直すとよいでしょう。

 

◆ 牡蠣(かき):免疫力を高める、肝機能を高める

**食材の解説**

カキは「海のミルク」ともいわれるほど、栄養豊富でバランスの取れた食材で、世界各国で強壮食品とされいます。

カキの身には、冬季に肌を滋養し美顔にする効果、血行を良くし生理痛・生理不順を改善する効果があります。また、カキの貝殻は”牡蛎(ぼれい)”と言われ、精神の安定、のぼせや寝汗の解消などに効果がある漢方薬です。

現代の栄養学では、鉄分や亜鉛などのミネラルが豊富で貧血や強壮作用が期待できます。また、グリコーゲン、タウリンが含まれており、肝機能の働きを助けます。
胃・十二指腸潰瘍、過汗症を回復する作用、免疫力向上、脳血栓の予防、肝機能向上に効果がみられるとの報告があります。

体をお温める効果が強いので、高血圧の方は身は食べないほうがよいでしょう。痔の症状を誘発するともいわれますので、痔の方も控えたほうがよいでしょう。

 

今回のレシピで使っているその他の食材

 ◆ ブロッコリー:からだを潤し、回復させる

 ◆ マッシュルーム:滋養強壮、生殖機能を保つ、肌を潤す

 ◆ にんにく:からだを温める、寒さからくるカゼを追い払う

 

 牡蠣とブロッコリーのソテー

<材料> (2〜3人前)

  • 牡蠣 ・・・・ 200g

  • ブロッコリー           ・・・・ 100g

  • マッシュルーム        ・・・・ 50g

  • にんにく         ・・・・ ひとかけ

  • 塩        ・・・・ 小さじ1/2

  • オリーブオイル          ・・・・ 大さじ1

<作り方>

  1. 牡蠣は塩や大根おろしで汚れを落としておく。ブロッコリーとマッシュルームは食べやすい大きさに切る。にんにくはみじん切りにする。

  2. フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ、香りが出てきたら牡蠣を焼く。牡蠣に火がとおったら、とりだす。

  3. 牡蠣を取り出したフライパンでブロッコリー、マッシュルームを炒める。火がとおったら牡蠣を戻し、塩を加える。

 

**** 過去の冬の薬膳レシピ **** 

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酒粕の豚汁 冬の薬膳②

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暦の上では立冬から大寒までの3ヶ月が冬です。
日に日に寒さが厳しくなるなか、からだの芯から温める酒粕は冬にとりたいものの一つです。
毎日のお味噌汁に足すだけでも十分からだがあたたまります。
また、冬は豚肉をはじめとした”腎“を補う食材をとることが大切です。アンチエイジングにもなるのでしっかりと摂りたいものです。

 

冬は動物たちが冬眠したり、植物が土の中で芽吹きに備え根や種に栄養を蓄えるように、内側にからだのエネルギーを蓄える季節です。
この蓄えたエネルギーが、次の春、そして1年の動力源になりますので、冬の過ごし方が非常に大切になります。

ではどのようなエネルギーを蓄えるとよいかというと、食事で言えば体重を増やすような高カロリー食のことではなく、からだの源を強くするような食事が必要になります。
そのような特徴を備えた食材は“腎”に帰経(きけい)するものです。
たとえば、豚肉、山芋、黒ごま、黒米、栗、牡蠣やえび、スッポンなどで、黒い色をした食材が多いと言われます。また、“腎”は生殖器を司る臓器でもあり、これらの食材にはいわゆるアンチエイジング効果のあるものが多いです。

冬の食養生としては、”腎”を補う食材を中心としながら、からだをあたためからだの表面を強くする(免疫力を高める)ような食事をとるとよいです。また、寒くてからだの巡りが滞りがちなので、適度に巡りをよくする食材もいれるとよいでしょう。

 

◆ 酒粕(さけかす):血行を良くする、お腹をあたためる

**食材の解説**

酒粕は日本酒を作るときの搾りかすで、発酵食品の一種です。最近は美容や健康に注目されることも多くなっている食品でしょう。
日本酒(清酒)は、少量飲むと血行を良くしからだを温める作用がありますが、酒粕にも同じく血行を良くしお腹を中心としてからだを温める作用があります。また、消化不良の改善する作用もあります。

現代の栄養学では、糖尿病の予防、がんの抑制、高血圧の抑制、骨粗しょう症の予防など様々な効果が認められており、美白効果もあると言われています。また、アレルギー体質の改善にも効果があり、花粉症やアトピー性皮膚炎などの改善も期待されます。
タンパク質、食物繊維のほか、ビタミンB1、B2、B6や葉酸など多数の栄養素を含んでいます。

酒粕もアルコールを含んでいますので、お酒の弱い方はアルコール分をしっかり飛ばしたり、摂りすぎないよう注意した方がよいでしょう。

◆ 葱・葱白(ねぎ・そうはく):寒気のあるカゼ、冷えの緩和

**食材の解説**

民間療法でのどのカゼにネギを首にまくとよいと言いますが、ネギの白い部分は”葱白(そうはく)”といい、漢方薬でも冷えから来るカゼの薬として用いられています。
ネギの白い部分には、寒さからくるカゼを発汗して追い払い気の巡りをよくする作用お腹をあたためて冷えによる腹痛を緩和する作用があります。また、白い部分・青い部分ともに炎症の晴れを消して毒を解毒する作用があり、これがのどの痛みを緩和するとされる由縁でしょう。

現代の栄養学でも、ネギの白い部分には抗菌作用のある成分が多数含まれています。例えば、ネギやニンニクの匂いのもとであるアリシンは、幅広く強い殺菌力を持っており、ビタミンB1の吸収を高めエネルギーを効率的に利用できるようにします。また、アリシンを加熱すると血流をよくする成分になります。
なお、アリシンは熱に弱く水に溶けやすいので、抗菌作用を期待したいときは水にさらしたり長く煮たりしない方がよいでしょう。

ネギは、気を昇らせる作用が強いので、カゼでも汗をかきすぎているような高熱などには用いてはいけません。また、のぼせや多汗の症状がある方も控えた方がよいでしょう。どのような体質の方も食べるぎるとめやにが多くなったり脱毛しやすくなると言われているので、食べ過ぎには注意しましょう。
なお、ネギと蜂蜜は一緒に食べると中毒になるという報告もありますので、一緒に食べない方がよいでしょう。

今回のレシピで使っているその他の食材

 ◆ 豚肉:からだを潤し、回復させる
※ 豚肉を使った過去のレシピはこちら

 ◆ 山芋:滋養強壮、生殖機能を保つ、肌を潤す
※ 山芋を使った過去のレシピはこちら

 ◆ しょうが:からだを温める、寒さからくるカゼを追い払う

 ◆ きゃべつ:毛細血管の循環障害改善、臓器の機能(特に消化機能)の調節と回復

 ◆ しめじ:血液を補う、便秘を解消する

 ◆ にんじん:血液を補う

 ◆ ごぼう:血行を良くする、老廃物をのぞく

 ◆ 七味唐辛子(唐辛子や陳皮):気血の流れを良くする

 

酒粕の豚汁

<材料> (2〜3人前)

  • 豚肉(バラまたは薄切り) ・・・・ 100g

  • 山芋           ・・・・ 100g

  • キャベツ         ・・・・ 50g

  • しめじ          ・・・・ 100g

  • にんじん         ・・・・ 50g

  • ごぼう          ・・・・ 50g

  • 酒粕           ・・・・ 大さじ1と1/2

  • みそ           ・・・・ 大さじ1と1/2

  • だし汁          ・・・・ 800cc

  • しょうが         ・・・・ 5g(ひとかけ)

  • ネギ(白い部分)     ・・・・ 1本

  • 七味唐辛子        ・・・・ 適量

<作り方>

  1. 具材の野菜を食べやすい大きさに切る。豚肉も3cm程度に切る。

  2. だし汁と1の野菜をなべにいれ煮る。

  3. 具材が煮立ったらアクをとり、酒粕、みそを溶き入れ10分ほど煮る。

  4. 器に盛りつけ、すりおろしたしょうが、輪切りにしたネギを添え、好みで七味唐辛子をかける。 

 

獺祭 磨き三割九分 純米大吟醸 新酒粕(バラ粕) 1kg詰

獺祭 磨き三割九分 純米大吟醸 新酒粕(バラ粕) 1kg詰

 

 

**** 過去の冬の薬膳レシピ **** 

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