ほうれん草のごまくるみあえ 冬の薬膳⑦
冬は身体のベースを作る季節で、腎を補ってくれる食材を積極的に摂るとよいです。
オススメなのが黒ごまやくるみなど手軽に取り入れられる食材。
和え物だけでなく、彩りにふりかけたり、間食で取り入れたりしてみてください。
東洋医学で冬に大切にしたい臓器は“腎”とされています。
解剖学でいう腎臓の範囲だけでなく、私たちの成長・発育にかかせないもので、ホルモンの働きや骨、脳、耳などと関連していると考えます。
冬の時期は植物でいうと、種の時期であり、実を固く閉ざして寒さや外敵から守り、来る春に備えてしっかりと栄養を蓄えている状態です。
私たち人間も同じく、寒さや風邪から身を守り、春に向けて身体作りをする時期です。
冬の時期に腎を補ってくれるものをしっかり摂り、身体のベースを整えていくのがよいでしょう。
また、この時期に風邪をひくと十分に身体のベースが補えなくなってしまいます。
できる限り風邪をひかないよう、ひいても回復を早くできるよう、免疫力を高め、冷やさないよう心がけましょう。
冬はできるだけ身体のもとを蓄えたい時期なので、激しい運動やサウナなど大量に汗をかくのは控えた方がよいでしょう。
ダイエットももちろんこの時期は厳禁です。
春になれば身体も余分なものを出してくれるので、まずは身体のベース作りをしっかりするとよいでしょう。
<腎を補う食材>
魚介類(特にカキ、エビ)、羊肉(ラム)、豚肉、うなぎ
山芋、くるみ、黒ごま、栗、黒米 など
ほうれん草のごまくるみあえ
<食材のポイント>
◆ 胡桃(くるみ):身体を補強し、脳の働きを高める
**食材の解説**
縄文時代の遺跡からもクルミの殻が見つかっているというほど古くから食されている木の実です。
クルミの効能は多く、腎を補う、強精健脳、肺の機能を高める、気の不足によるぜんそくを解消する、腸を潤し便秘を解消する、などがあります。
お子様の脳の発育や、妊婦さんの便秘解消にも効果があるとされています。
殻の形が脳に似ていることから、大脳の働きを高めると言われています。
現代の栄養学の視点でみると、クルミにはオメガ3脂肪酸であるα−リノレン酸が多く含まれており、血流をよくする作用があります。
また、抗酸化作用が高い食材で、肝臓の脂肪代謝や肝細胞の再生を促すとされています。
他に高脂血症の予防、尿道結石の予防、ガン抑制効果などがあるとされています。
クルミは身体を温める作用が強いので、もともと熱っぽい方には向きません。
また、脂質が多く消化しにくいため、下痢になりやすい方などは控えめにした方がよいでしょう。
なお、クルミの効能のもとであるリノール酸は酸化すると発ガン性を持つようになるので、できるだけ新しいものを選ぶとよいでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ ほうれん草:血液を補う、身体を潤す
◆ 黒ごま:肝腎を補う、身体を潤す ▶︎詳細な説明はこちら
◆ 黒砂糖:身体を温める
<材料>(2〜3人分)
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ほうれん草 ・・・・ 1束
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黒ごま(すり) ・・・・ 大さじ1
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クルミ ・・・・ 1〜2片
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黒砂糖 ・・・・ 大さじ1/2
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しょう油 ・・・・ 大さじ1/2
<作り方>
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ほうれん草の根元の泥を洗い、塩ゆでし冷水にとり、軽くしぼったら5cm程度に切りしっかりしぼる。
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すった黒ごま、粗く砕いたクルミ、黒砂糖、しょう油であえ衣をつくる。
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1と2をあえる。
**** 冬におすすめの薬膳レシピ ****
山芋ときのこの味噌チーズ焼き 秋の薬膳⑧
季節の変わり目を土用といいますが、土用は胃腸や粘膜などが弱りやすい時期です。
この時期にとりたいものの一つが発酵食品です。
チーズと味噌をいれて焼くだけなので、あと一品という時も役立つレシピです。
夏の土用にうなぎを食べる、という習慣は広くひろまっているものの、土用についてはあまり知られていないのではないでしょうか。
土用は、季節と季節の間に必ずあり、春の土用、夏の土用、秋の土用、冬の土用とそれぞれの季節にあります。
例えば今年の秋の土用は10月20日から11月6日までの18日間で、秋の季節を完成させ、冬へのバトンタッチを行う準備期間です。
土用の時期は、その季節を完成させるためますますその季節の養生を心がける必要があります。
更に、土用は胃腸や粘膜に負担がかかりやすい時期なので、特に胃腸を大事に過ごすことが大切です。
時々季節の変わり目に決まって体調を崩す方がいらっしゃいますが、その方は特に土用の間は胃腸をいたわってあげるとよいでしょう。
<土用の養生>
- 冷たいものや甘いものを極力避ける
- 暴飲・暴食をしない
- からだ(特に胃腸)を冷やさない
- 発酵食品をよくとる
- 黄色の食材を取り入れる
- 消化に良い食事を心がける
- ネバネバしたものや消化酵素のある食材を取り入れる
発酵食品は、胃腸(東洋医学の“脾")を養う食材です。
味噌、チーズ、納豆、漬け物などを日常的に取り入れるとよいでしょう。
また、料理には普通のお砂糖よりも発酵食品であるみりんを用いた方がよいでしょう。
山芋ときのこの味噌チーズ焼き
<食材のポイント>
◆ 味噌(みそ):胃腸を温める、解毒する
**食材の解説**
日本の食卓にはなじみ深い味噌ですが、洋食化に伴い食卓にのぼることがやや減り気味である一方、優れた発酵食品として注目されている食材でもあります。
もともと味噌は醤(ひしお)という調味料から発展したもので、豆と麹から作る味噌をはじめとした穀醤の他に、魚醤、肉醤などもあります。
味噌は、からだにこもった余分な熱を収め解毒する効果やストレスを解消する効果があるとされます。
また、肝臓や消化器の機能を高める効果があるとされています。
魚や肉、野菜などを味噌漬けにすることで毒を消すともあります。
現代の栄養学でも動脈硬化・高血圧・心臓病や骨粗しょう症の予防効果があり、老化防止に役立つとされており、他にも胃がんや乳がんなどがんの予防効果、胃潰瘍の予防、整腸作用などがあるとされています。
アミノ酸も豊富であり、脳を活性化させる作用と鎮静化させる作用があるため、朝食にみそ汁を飲むと、朝やる気の起きにくいうつ傾向を改善させます。
なお、味噌の菌を活かすには加熱しすぎない方がよいでしょう。
また、発酵食品同士は相性もよく、うま味もますので他の発酵食品と組み合わせるものよいです。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ チーズ:からだの余分な熱をとる
◆ 山芋:消化を良くする、元気をつける ▶︎詳細な説明はこちら
◆ しめじ:血液を補う、お通じをよくする
◆ エリンギ:からだを潤す
<材料> (2人分)
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山芋 ・・・・ 100g
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きのこ(お好みのもの)・・・・ 100g
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味噌 ・・・・ 大さじ1と1/2
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チーズ(溶けるタイプ)・・・・ 30g
<作り方>
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山芋は皮をむき、1cm程度の輪切りにする。きのこは石突きをとり、食べやすい大きさに切る。オーブントースター(またはオーブン)を温めておく。
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アルミホイルに油を薄くひき、山芋の並べ、その上に味噌を塗る。その上にきのこをのせ、チーズをかけ、アルミホイルを閉じる。
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オーブントースターで10分〜15分焼き、仕上げにアルミホイルを少しあけて焼き目をつける。
**** 秋におすすめの薬膳レシピ ****
蓮根ときのこのきんぴら 秋の薬膳⑦
今年の秋は雨が多く、乾燥ではなく湿気が多い季節でした。
からだの余分な湿気を取り除くには、唐辛子など辛いものがオススメです。
秋の食材と組み合わせて、肺の気を強くして秋の後半を心地よく過ごしましょう。
秋の季節の特徴は乾燥ですが、今年は曇りや雨が多く、湿度が非常に高い状態が続きました。
ようやく秋らしい天気に恵まれてきましたが、うまく湿気に対処できなかった方もいるのではないでしょうか。
日本は湿度の高い国なので、からだにも湿気が多くなりがちです。
秋は乾燥する季節なので、本来は余分な湿気を取り除くのに最適な季節なのですが、このように湿度が高いとからだに湿気がたまってしまいます。
からだに余分な湿気がたまってしまうと、むくみやすい、何となくからだが重だるい、重だるい感じの頭痛がする、胃腸の調子が悪い、風邪でもないのに鼻水がでる、痰が絡む、といった症状がでたりします。
そのままの状態で冬の寒さを迎えると、冷え性の方はいつも以上に冷えやすくなりますし、胃腸の弱い状態が続けば免疫力も低下してしまいます。
余分な湿気を取り除くには、利尿作用のあるものだけでなく、辛みを感じるものも効果的です。
辛みのあるものは気の巡りもよくしてくれますし、余分なものを発散する効果もあります。
また、東洋医学では、秋の味として“辛(しん)”が配当されています。
適度に辛みのあるものをとることで、秋の臓器である肺の気を強くしてくれます。
できれば秋のうちに余分な湿気は取り除き、秋の後半を心地よく過ごしましょう。
蓮根ときのこのきんぴら
<食材のポイント>
◆ 唐辛子(とうがらし):胃腸を温める、気血の巡りをよくする
**食材の解説**
辛いものの代表でもある唐辛子は、熱帯アメリカ原産のナス科の香辛料です。
唐辛子の効能としては、胃腸の冷えを温めて取り除く、食欲を促進し消化を助ける、などがあります。
また、唐辛子の性質は“辛”に属し、寒気を発散し、気の巡りをよくし、血を循環させる作用があるものです。
適量をとることで、胃腸の冷えをとったり、水分代謝や血流を促進したりすることができます。
なお、血液循環をよくする作用は、唐辛子の辛み成分であるカプサイシンの効能で、毛細血管を収縮させ、心臓の動きを活発にさせます。
他に、酸化防止・老化防止作用のあるカロチンやビタミンEなどを含んでいます。
唐辛子は刺激が強い調味料なので、前立腺肥大、膀胱炎、膀胱癌、痔、便秘しやすい妊婦の方はさけた方がよいでしょう。
また食べ過ぎると、胃痛、胃炎、高血圧、糖尿病、心臓病、膀胱炎、皮膚病、痔などさまざまな病気を引き起こしますので、適量を心がけましょう。
ちなみに、韓国料理では唐辛子を多く使いますが、韓国の唐辛子の方が日本の唐辛子よりも辛みが少なく、うま味や甘みもあるそうです。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 蓮根:からだの余分な熱をとる ▶︎詳細な説明はこちら
◆ しめじ:血液を補う、お通じをよくする
◆ エリンギ:からだを潤す
<材料> (2人分)
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蓮根 ・・・・ 50g
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しめじ ・・・・ 50g
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エリンギ ・・・・ 50g
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唐辛子 ・・・・ 1〜2本
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しょう油 ・・・・ 大さじ1
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塩 ・・・・ 小さじ1/3
<作り方>
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蓮根を薄く輪切りにし、酢水にさらす。エリンギ、しめじは石突きをとり、エリンギを食べやすい大きさに切る。
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唐辛子を輪切りにし、種を除く。フライパンにサラダ油(または白ごま油)と唐辛子をいれ、火にかける。香りがたったら、蓮根、エリンギ、しめじを炒める。
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材料に火が通ったら、塩、しょう油をいれて炒める。
**** 秋におすすめの薬膳レシピ ****
豆腐ステーキ 秋の薬膳⑥
秋から冬は乾燥しやすい季節。本格的な秋になれば空気も乾燥し、のどや肌が荒れやすくなります。
白い食材や粘膜を強くする食材をよくとることで乾燥対策をしっかりしておくことが大切です。
はちみつは、肺や肌を潤し、殺菌力も高いので乾燥しやすい秋にオススメの食材です。
秋の長雨が終わると本格的な秋が到来し、乾燥した空気に包まれます。
とても気持ちのいい時期ですが、同時に肌やのどの乾燥が気になる方も出てきます。
夏の暑さでからだに熱がこもったままだと、より乾燥も強くなります。
乾燥するとまずのどが痛くなることが多くなり、咳が出ることもあります。
そのような時に、市販の風邪薬や咳止めを飲んでも効果がないことがほとんどです。
乾燥からくる咳を治すには、のどや肺をしっかりと潤してあげましょう。
早めに対処することで、粘膜も早くなおり、本格的な風邪になるのを防げます。
のどや肺を潤してくれるものは、おいしいものも多く、食事やデザートで上手に取り入れるとよいでしょう。
●肺やのどを潤す食材
- レンコン
- 白きくらげ
- ゆり根
- ぎんなん
- なし
- 柑橘類(特に皮)
- はちみつ
- アーモンド
- 杏仁豆腐 など
なお、咳が出ているときに香辛料やナッツ、脂っこいものをとると逆にひどくなってしまいます。
くれぐれも早く治そうとカレーを食べたりしないよう注意してください。
豆腐ステーキ
<食材のポイント>
◆ 蜂蜜(はちみつ):肺や肌を潤す
**食材の解説**
蜂蜜は蜂が集めた花の蜜が巣の中で熟成したものです。
古代より蜂蜜は生活の中に取り入れられ、蜂を神聖なものの象徴としてきました。
食材の効能からみても、蜂蜜は非常に優れたものです。
『本草綱目』には、「五臓の諸所の不足を安んじ、気を益して胃腸を補う」、「(身体を守る)営衛を和し、臓腑を潤し、(水の通り道である)三焦を通じ、脾胃を調える」とあります。
身体、特に肺や肌・腸を潤す効果があり、から咳や便秘の改善に効果があるとされます。
また、胃腸を丈夫にする、疲労回復させる、痛みを緩和する、解毒するなどの効果があるとされています。
実際、蜂蜜には腸の善玉菌を増やす効果、抗菌作用、免疫細胞の生成を促す作用などがあります。
また、蜂蜜の糖分はブドウ糖のため素早く消化吸収されるので、体力の落ちた時の疲労回復にもオススメです。
はちみつの解説はこちらもご覧ください。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 豆腐:からだの余分な熱をとる
◆ エリンギ:からだを潤す
<材料> (2人分)
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木綿豆腐 ・・・・ 1丁
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エリンギ ・・・・ 100g
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片栗粉 ・・・・ 適量
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はちみつ ・・・・ 小さじ1
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しょう油 ・・・・ 大さじ2
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オイスターソース ・・・・ 小さじ1
<作り方>
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豆腐を1.5cmの厚さに切り、水分をキッチンペーパーでとる。エリンギを食べやすい大きさに切る。
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1の豆腐の表面に片栗粉をまぶし、フライパンで焼く。エリンギも一緒にフライパンで焼く。
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2の豆腐の両面に焼き色がつき、エリンギに火が通ったら、しょう油、はちみつ、オイスターソースをいれ、しっかりとからめる。
**** 秋におすすめの薬膳レシピ ****
大根とレンコンのツナサラダ <秋の薬膳>
暑さが残っていても暦の上では秋になったら、秋のカラダ作りをしていくことが大切です。
夏の暑さで乾いたカラダにしっかりと潤いを与えるのに、白い食材を積極的に取り入れましょう。
カラダを潤すだけでなく、胃腸を整えるのにも使えるレシピです。
8月後半から9月は暦の上では秋でも残暑が厳しく、真夏と同じ生活をしている人もいるのではないでしょうか。
実際には、朝夕は涼しくなり、空も高く、ジメジメした暑さから気持ちのよい乾燥した気候に恵まれることも多くなります。
カラダはというと、夏の暑さによって水分が少なくなっていたり、疲れがたまっていたりします。
更に冷たい食べ物や飲み物を多くとっていた人は、胃腸も疲れ気味。
朝夕の涼しさや空気の乾燥により、お腹を冷やしたり、何となくのどの風邪のように感じたりする人もいるでしょう。
これらの初期症状のときに適切に対処していればよいのですが、そのまま放置したり、真夏と同じ生活をして更に悪化させ、本格的な風邪をひいてしまうこともあります。
初秋の時期の養生として、まずは夏にたまってしまった余分な熱を取り去り、潤いをしっかり補いましょう。
カラダの余分な熱を取り去り、潤す食材は白色のものが多いので、白い食材を積極的にとる、というのでもよいでしょう。
●カラダの余分な熱を取り去り、潤す食材
- レンコン
- かぶ
- ナス
- 山芋
- 大根
- ゆり根
- 白きくらげ
- 乳製品
- 松の実
- 梨 など
なお、布団をかけて寝る、アイスや冷たいものを食べ過ぎない、靴下をはく、など身体を冷やさないようこの時期気をつけたいことです。
◆ 蓮根(レンコン):余分な熱をとる
**食材の解説**
夏の池一面に咲く蓮はなんともいいがたい美しさですが、その花も含め蓮はあらゆる部分が薬や食材として使うことができます。
蓮の実は胃腸を丈夫にする効果と安眠効果、蓮の実の芯の部分(蓮芯)は熱をとりイライラを収める漢方薬や薬茶として、花托は血の巡りをよくし、葉と花は暑気あたりの解消に、と捨てるところがありません。
蓮の根の部分がおなじみのレンコンです。
レンコンは生の場合と加熱した場合で効能が異なるとされています。
生では、余分な熱を取り除き暑気あたりを解消する、のどを潤し渇きを止める効果などがあります。生でレンコンを使う場合はすりおろして用いるとよいでしょう。
加熱した場合は、下痢を止める、血中の余分な熱を取り除き血行をよくする効果などがあります。
生でも加熱の場合でも、胃腸を丈夫にする効果があります。これは、新鮮なレンコンを割ったときにみられる糸の成分であるムチンの働きにより、胃腸の粘膜を潤し保護するためです。
様々な効果があるレンコンですが、消化しにくいため食べ過ぎには注意しましょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 大根:気の巡りをよくする、消化を促す
◆ 白ごま:腸を潤し便通をよくする
大根とレンコンのツナサラダ
<材料> (2人分)
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レンコン ・・・・ 5cm
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大根 ・・・・ 10cm
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ツナ ・・・・ 1缶
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白ごま ・・・・ 大さじ1
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マヨネーズ ・・・・ 大さじ3
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塩 ・・・・ 小さじ1/3
<作り方>
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レンコンは皮をむき、薄い輪切りにし、酢水につける。大根は千切りにし、塩を軽くふっておく。
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沸騰した湯に1のレンコンを軽く湯通しする。
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1の大根をさっと水で塩を流し、しっかり水を切る。2のレンコンもしっかり水を切る。ツナ、マヨネーズ、塩を入れあえる。
**** 秋におすすめの薬膳レシピ ****
イワシとズッキーニのオーブン焼き <夏の薬膳>
夏は暑さや汗をかくことで血流や心臓に負担がかかりがちです。
からだの水分だけでなく、血液中の水分も少なくなり血液も流れが悪くなります。
血液をサラサラにして夏の疲れを予防しましょう。
暑さが本格的になると、からだも暑さに慣れてきます。
一方で、暑さによるからだの疲れもたまってくる頃で、夏に負担のかかる血液は巡りが悪くなってきます。
夏の暑さによって、からだは汗をかいて体温を下げますが、しっかりと体液になるものを補わないと血液中の水分も少なくなって、いわゆるドロドロ血の状態になりやすくなります。
暑いと心拍数も上がり、ただでさえ血管や心臓に負担がかかる季節です。
加えて血流が悪くなるとよりからだに負担がかかり、疲れやすくなったりします。
また、血液の流れが悪く、血液中の水分量も少ないと、うまくからだの熱を発散できず、熱中症にもなりやすくなります。
なお、真夏と真冬は心筋梗塞など循環器系の疾患にかかりやすくなります。
もともと疾患も持っている人はいつも以上に血流をスムーズにするよう気をつける必要がありますが、健康な人でも血流が悪くなる時期です。
しっかりと水分補給をすることももちろんですが、血液の流れをスムーズにするような食材を日々取り入れるとよいでしょう。
●血液の流れをスムーズにする食材の例
青魚(いわし、さば、さんまなど)、そば、酢、レンコン、黒きくらげ、チンゲン菜など
◆ 鰯(いわし):気血を補う、血栓を予防する
**食材の解説**
スーパーの魚売り場でよく流れている曲で、魚を食べると頭がよくなると言っていますが、イワシをはじめとした青魚にはEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が多く含まれ、血中のコレステロールを抑え、脳の活性化を維持します。
どちらも最近注目されているオメガ3系の油で、血流をよくする効果があります。
中医学の古書には海の魚の記述が少ないですが、気血を補い、息切れやめまいによいとされます。
夏場は汗をかくことにより、気血を消耗しがちなので、気血を補う食材をとるとよいでしょう。
また、イワシはタンパク質はもちろんのこと、カルシウム、鉄分、ビタミン類など栄養が豊富です。
逆に、ビタミンCや食物繊維は不足するので、緑黄色野菜と一緒にとるとより効果的です。
しらすやオイルサディーン、煮干しなどでも同様の効果がありますので、加工品も上手に利用するとよいでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ ズッキーニ:のどの渇きをいやす、熱をとる
◆ トマト:からだを潤す、余分な熱をとる ▶︎ トマトの詳しい説明はこちら
イワシとズッキーニのオーブン焼き
<材料> (2人分)
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イワシ ・・・・ 4尾
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ズッキーニ ・・・・ 1/2本
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プチトマト ・・・・ 4個
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にんにく ・・・・ ひとかけ
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パン粉 ・・・・ 1/2カップ
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パセリ ・・・・ 大さじ1
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粉チーズ ・・・・ 大さじ1
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塩 ・・・・ 小さじ1
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小麦粉 ・・・・ 適量
<作り方>
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イワシを3枚におろし、塩をふっておく。ズッキーニを縦に5mm程度の厚さに切る。プチトマトを半分にきる。
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みじん切りにしたにんにく、パン粉、粉チーズを混ぜておく。
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1のイワシに薄く小麦粉をまぶし、油をひいたフライパンで両面に焼き目がつくまで焼く。
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耐熱容器に、3、ズッキーニ、プチトマトをのせ、2を全体にまぶす。予熱しておいたオーブン(またはオーブントースター)で15分程度表面に焼き目がつくまで焼く。
**** 夏におすすめの薬膳レシピ ****
じゃがいもカレーおやき 夏の薬膳
湿度が高くなってきたり、クーラーの中にいることが多かったりすると汗をうまくかけず余分な水分が出しにくくなります。
そんな時は香辛料を使って気血の流れを良くすることも有効です。
カレー粉は胃腸の働きをよくしたり発汗作用を促したりと夏に活用したい身近な薬膳食材の一つです。
蒸し暑い日が続くとたくさん水を飲んだり、クーラーの中にいることが多くなります。
しかし適度な暑さはからだにとって必要です。
暑さを感じることで汗をかき、からだの水分を入れ替えることができます。
冬に冷え性がひどくなる人、むくみがひどくなる人などは夏にしっかりと暑さを感じておくことで、からだの陰陽バランスがとれ、冬の症状が緩和することもあります。
また、オフィスではクーラーがよく効いていて汗をかくこともない、という人も多いでしょう。
夏なのに涼しいと、からだも汗腺を開くことを忘れてしまい、夕方外に出ても汗をかけなくなってしまいます。
すると、暑いのに汗がかけないので、からだの中に熱がこもり、日中外にいるわけでもないのに、涼しいところにいるはずなのに、のどが渇く、目が乾く、頭が痛い、からだがほてる、など軽い熱中症のような症状が出てしまいます。
いわゆる自律神経の乱れで、夜の寝付きも悪くなってしまい、悪循環になってしまいます。
そのような時は、からだにたまった熱を発散させるためにも汗をしっかりとかくことが大切です。
涼しい時間帯に散歩や軽い運動をしたり、お風呂に入ったりすることも有効です。
また、適度に香辛料の入った食事をとったりすることもよいでしょう。
もっとも暑い時期を迎える前にしっかりと汗をかく練習をしておくと、熱中症予防にも夏バテ予防にもなります。
なお、普段汗をかきなれていないのに、大量に汗をかくと脱水症状や熱中症になったりしますので、くれぐれも無理はせず、汗をかく前後には十分な水分とミネラルをとるようにしてください。
◆ カレー粉:胃腸の働きをよくする、発汗する
**食材の解説**
もはや日本食の一つといえるカレーですが、そのスパイスは様々な効能があります。
カレー粉によく含まれるスパイスとしては、ターメリック(ウコン)、ジンジャー(生姜)、チリ(唐辛子)、フェンネル(ういきょう)、クミン、コリアンダーなどでしょう。
含まれているスパイスには消化促進作用や発汗作用などがあります。
メーカーによって入ってるスパイスの種類や分量も異なるので、味だけでなく効能から選んでもよいでしょう。
ターメリック(姜黄):血流をよくする、からだの湿気をとる
ジンジャー(生姜):発汗させる、消化をよくする
チリ(唐辛子):食欲不振の解消する、発散させる
フェンネル(茴香):気の巡りをよくする
コリアンダー(香菜):食欲不振の解消する
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ じゃがいも:元気をつける
◆ 枝豆:体の湿気を取る、元気をつける
◆ 玉ネギ:気の巡りをよくする、食欲不振を解消する
じゃがいもカレーおやき
<材料> (3〜4人分)
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じゃがいも(大) ・・・・ 2個
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枝豆(正味) ・・・・ 75g(50g)
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玉ネギ ・・・・ 1/2個
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ベーコン ・・・・ 50g
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バター ・・・・ 10g
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コンソメ ・・・・ 小さじ1と1/2
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カレー粉 ・・・・ 小さじ2
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塩 ・・・・ 小さじ1
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片栗粉 ・・・・ 適量
<作り方>
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枝豆をゆでる。玉ネギをみじん切りにし、ベーコンを5mm角に切る。
-
フライパンに油を大さじ1程度いれ、ベーコンを炒める。玉ネギも透き通るまで炒め、塩・カレー粉・コンソメをいれて軽く炒めたら火を止める。
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じゃがいもをふかす。ふかしたらあついうちに皮をむき、つぶす。バター、2をいれてしっかり混ぜたら、さやから出した枝豆も一緒にまぜる。
- 3を食べやすい大きさにわけ成形する(目安:直径5cmで10個程度)。両面にかるく片栗粉をまぶし、余分な片栗粉をはたいてから油をひいたフライパンで両面に焼き目がつくまで焼く。
**** 夏におすすめの薬膳レシピ ****
ワカメと梅干しのスープ 夏の薬膳⑧
梅雨に入ると湿度も高く、からだもむくみがちになります。
夏の養生のポイントの一つとして、からだの水分代謝をよくすることがあげられます。
むくみ対策だけでなく、暑さが本番を迎える時期の熱中症予防にも今から水分代謝をよくしておくことが重要です。
夏の養生の一つとして、余分な水分をからだから出し、きれいな水分を取り込むことがあげられます。
夕方になると足がむくんでしまう、という女性も多いと思いますが、むくみは水分代謝が悪くなって出る症状の代表例です。
むくみ以外にも、水分代謝が悪くなって出る症状は食欲不振やめまいなど様々あります。
湿気をからだにためてしまう原因は、冷たいもののとりすぎ、甘いもののとりすぎ、水分のとりすぎの場合が多いです。
暑くなってきてアイスや氷の入った飲み物ばかりとっていると、胃腸が弱くなって、からだがだるくなってしまいます。
<からだに湿気がたまると出る症状>
- むくみやすい
- 痰や鼻水がでる
- 食欲が低下する
- 消化不良になる
- 湿疹や吹き出物ができる
- アトピーが悪化する
- 口内炎ができる
- 何となく体が重だるい
- 気分が憂鬱になる
特に、日本は湿気が多く、特に梅雨はからだに湿気がたまってしまい不調を引き起こしがちです。
余分な水分を外に出すことができず、どんどんためてしまうと夏バテになったり、痰や鼻水が慢性的にたまるようになったり、アレルギー症状が悪化したりします。
水分代謝を調整するキュウリやナス、スイカなどウリ科のもの、余分な水分を出す海草類、豆類などを取り入れ、夏本番に備えていきましょう。
◆ 裙蔕菜・若布(わかめ):余分な水分を排出する、痰やしこりをとる
**食材の解説**
ワカメをはじめとした海草類は、食物繊維が多く、低カロリーでミネラルも豊富なことからダイエット食品としても認知されているのではないでしょうか。
日本・韓国を除くほとんどの国では海草類を食することは少なく、本来人は海藻は消化できないと言われていますが、日本人の腸内細菌には海藻を分解する酵素を持つものがおり、そのために海藻の栄養を我々は取り込むことができます。
ワカメは、痰をきる、体内にこもった熱を収める、利尿してむくみをとる、という効果があります。また、甲状腺腫を小さく軟らかくする作用もあります。
現代の栄養学でも、血圧降下作用や機関誌拡張作用、痰きり作用、甲状腺更新の抑制作用があるとされます。
一方で、海草類はヨードが多く含まれており、とりすぎるとヨード線甲状腺腫になる恐れがあるので、食べ過ぎには注意しましょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 玉ネギ:気の巡りをよくする、食欲不振を解消する
◆ 梅干し:口の渇きを収める ▶︎ 梅干しの詳しい説明はこちら
ワカメと梅干しのスープ
<材料> (2人分)
-
ワカメ(干) ・・・・ 大さじ1
-
玉ネギ(中) ・・・・ 1/2個
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梅干し(大) ・・・・ 1個
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だし汁 ・・・・ 400ml
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しょう油 ・・・・ 小さじ1
<作り方>
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ワカメをもどす。玉ねぎを薄くスライスする。
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鍋にだし汁をいれ、玉ネギ、ワカメをいれ、しょう油をいれて火を止める。
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梅干しをちぎりお椀にいれ、2をいれ、白ごまを少々かける。
**** 夏におすすめの薬膳レシピ ****
アスパラとトマトのケチャップライス 夏の薬膳⑦
ゴールデンウィーク前後より夏を思わせる天気が多くなります。
暦の上でも立夏を迎え、からだも夏に向けた準備を始める頃です。
水分代謝を調整し、日差しに負けないからだをしっかり作ることで夏バテや熱中症を予防しましょう。
暦の上では、5月5日頃の立夏から、小満、芒種、夏至、小暑、大暑までの3ヶ月間が夏です。
夏の不調と言えば、夏バテや熱中症(暑気あたり)が代表的ですが、暑さの盛りである7、8月だけでなく、その前の時期にしっかりと養生しておくことが大切です。
日本の夏は湿度が高いのが特徴なので、梅雨の時期に余分な水分をためないことがまずは大切になります。かといって、水分不足になれば日差しが強い日に熱中症になってしまいます。
現代の生活では空調もよく効いた部屋にいるため、汗をかくことも少なく、からだの体温調整機能も水分調整機能も落ちていることが多いです。
日差しが心地よい5月頃はからだを動かすにも良い時期です。この時期に汗をかくことに馴れておくと、梅雨の湿気によるからだの不調の予防や、本格的な夏の暑さへの備えになります。
また、冷たいものは胃腸の調子を損ない、からだに湿をため、からだを重だるくする原因にもなります。
例年、梅雨にむくむ、夏に食欲がなくなる、夏バテでからだがだるくなる、といった症状が出やすい人は、特にアイスクリームや氷の入った飲み物は極力控えるようにした方がよいでしょう。
食事の面では、夏の色である赤色の食材を多く取り入れるといいでしょう。
トマト、パプリカ、あずきなど赤い食材の多くは、夏の臓器である”心”に働きかけ、夏に出やすい不調を緩和してくれる作用を含みます。
また、からだの水分を補う食材(生津)、のどの渇きをいやす食材(止渇)、からだの余分な水分を排出する食材(利水)、余分な熱を取り除く食材(清熱)などを徐々にとり入れていくとよいでしょう。
ただし、生ものや冷たいもの、からだを非常に冷やす食材(スイカ、苦瓜、ナスなど)は冷えやすい人や、夕飯でたくさん食べるにはまだ早い時期です。
◆ 芦笋(アスパラガス):からだの水分代謝を調整する、余熱をとる
**食材の解説**
アスパラガスが日本に入ってきたのは江戸時代と言われていますが、当初は観賞用だったそうです。ギリシャでは薬用として紀元前より使われており、実は非常に古い食材です。
アスパラガスには、からだを潤す、のどの渇きを収める、余分な水分を排泄する、余分な熱をとる、通便をよくする、元気をつけるといった効能があり、まさに夏の備えに適した食材と言えるでしょう。
現代の栄養学では、免疫力の向上、抗酸化作用、抗がん作用、降圧作用などがあります。
なお、ホワイトアスパラは土寄せし日光に当てずに育てたものです。
グリーンアスパラもホワイトアスパラも、9種類の必須アミノ酸が含まれていますが、グリーンアスパラはβ−カロチン、ビタミンCが優れています。
からだを冷やす作用がありますので、極端に冷えやすい人や下痢をしているような人は、一度にたくさん食べ過ぎないようにした方がよいでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ トマト:からだを潤す、余分な熱をとる ▶︎ トマトの詳しい説明はこちら
◆ トマトケチャップ:心(しん)を養う
◆ 玉ねぎ:気の巡りをよくする、食欲不振を解消する
アスパラとトマトのケチャップライス
<材料> (2人分)
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炊いたごはん ・・・・ お茶碗2杯分
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アスパラガス ・・・・ 3本
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プチトマト ・・・・ 3個
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ベーコン ・・・・ 40g
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玉ねぎ ・・・・ 1/2個
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トマトケチャップ ・・・・ 大さじ3
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コンソメ(顆状) ・・・・ 小さじ1
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塩 ・・・・ 小さじ1/2
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黒こしょう ・・・・ 少々
<作り方>
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玉ねぎをみじん切りにする。アスパラ、トマト、ベーコンを5mm程度の厚さに切っておく。
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フライパンにオリーブオイルを大さじ1程度いれ、玉ねぎを透き通るまで炒める。
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ベーコンを炒め、アスパラ、トマトも炒める。
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3にコンソメを入れ、混ぜた後にごはんを入れ均一になるまで炒める。
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火を止め、トマトケチャップを入れて混ぜ、塩、黒こしょうで味を整える。
**** 夏におすすめの薬膳レシピ ****
春の野菜餃子 春の薬膳⑧
あたたかい日が多くなってくる4月は春の最後の時期です。
肝臓の疲れも溜まってくるころで、皮膚のかゆみや胃腸の不調がでる人もいます。
春の養生をしっかりおこなって、体調を万全にして新年度をスタートさせてください。
春分を過ぎれば本格的な春が到来し、一ヶ月たらずで暦のうえでは夏になります。
4月になると、春の臓器である”肝”の疲れがたまってくるころです。
”肝”が疲れてくると、解毒機能が落ちてしまい、細菌やウィルスに感染しやすくなったり、貧血になったり、消化吸収能力が落ちたりします。
あたたかくなってくると人間だけでなく自然界のあらゆるものが活発に動きだします。細菌やウィルスも例外でなく、春に胃腸炎になったりのどが痛くなったりと、いわゆる伝染病に感染しやすくなります。
また、胃腸の調子が悪くなるケースですが、これは”肝”が弱って疏泄(そせつ)の機能がよわくなり、胃腸の消化吸収能力が落ちる場合と、”肝”が強くなりすぎて”脾”を痛めている”木克土”という状態にある場合とがあると東洋医学では考えます。
東洋医学では臓器を5つの特性にわけており、その臓器のあいだに力関係があるのですが、”肝”が盛んになりすぎると”脾”=消化器を痛めつける特徴があります。
よくストレスで胃が痛くなる、と言いますがその状態を表しています。
なお、前者の胃腸の消化吸収能力が落ちる場合ですが、肝臓の働きが落ちると、胆汁が十分に出なくなり、特に脂質の消化吸収が悪くなると言うこともできます。
また、気持ちの面でも不調を感じることがあり、イライラしたり、落ち込んだりすることもあります。
気分の不調は自分自身が悪いのではなく、季節のせい、とわりきって、気持ちのよい場所に出かけたり、楽しいことをしたり、のびのびと過ごすことがよいでしょう。
今一度春の養生を徹底することで、春を快適に過ごしてください。
<春の養生のポイント>
- 良質なタンパク質をとる
- 貧血予防になる食材をとる
- 緑色の食材をとる
- アルコールを控える
- 早寝をする
- イライラしない、怒らない
- 適度な酸味をとる(柑橘類など)
- ストレス発散になるような運動などをする
◆ 小松菜(こまつな):余熱をとりイライラを解消する
**食材の解説**
江戸時代に小松川(現在の東京都・江戸川区周辺)で栽培されていたことより、小松菜、と呼ばれるようになったと言います。
冬が旬の野菜ではありますが、からだにこもった熱をとりイライラを解消したり、胃腸の働きを改善し通便を促したりとデトックス効果も高く、春の時期にもよい食材です。
ただし、気を降ろす性質が強いので胃腸が弱い方や下痢気味の方は控えめに。
ビタミンCやβーカロテンなどビタミン類が豊富に含まれていますが、熱に弱いのでできるだけ調理は手早く行った方がよいでしょう。
また、カルシウムが豊富なので、ほうれん草などシュウ酸が多いものと一緒にとるとカルシウムが吸収されないので気をつけてください。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ きゃべつ:胃腸を丈夫にする
◆ にんじん:胃腸の働きをよくする、貧血によるかすみ目を解消する
◆ 紫蘇:気の巡りをよくする、解毒する
◆ 豚肉:からだを潤す
春の野菜餃子
<材料> (20〜25個分)
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きゃべつ ・・・・ 100g(2〜3枚)
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小松菜 ・・・・ 1/4束
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にんじん ・・・・ 120g
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紫蘇 ・・・・ 10枚
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豚ひき肉 ・・・・ 150g
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生姜 ・・・・ 1かけ
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にんにく ・・・・ 1かけ
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塩 ・・・・ 小さじ1/2
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ごま油(黄色) ・・・・ 小さじ1
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オイスターソース ・・・・ 小さじ1
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しょう油 ・・・・ 小さじ1
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酒 ・・・・ 大さじ1
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餃子の皮 ・・・・ 20〜25枚
<作り方>
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きゃべつ、小松菜は粗みじん切りにし、塩をふりもんでおく。
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紫蘇を千切りにする。にんじん、生姜、にんにくをすりおろす。
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かるく水分をしぼった1、2、豚肉、ごま油、オイスターソース、しょう油、酒を粘りが出るまでまぜ、あんをつくる。あんを餃子の皮で包む。
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3を油をひいたフライパンにならべ、100mlの水を入れてフタをし、5分中火で焼く。水がなくなったら、フタをあけ、少量のごま油(黄色)をまわし入れ、焼き目をつける。
**** 春におすすめの薬膳レシピ ****