さつま芋とりんごの白和え 秋の薬膳
秋は肺、大腸、皮膚のトラブルが多い時期。お通じを良くしておくも秋の養生の一つです。
これからおいしくなるさつま芋もりんごも大腸の調子を整えてくれるもの。
身体を潤してくれる豆腐と白ごまも加えた白和えはこの時期におすすめのおかずです。
何かと忙しいとついつい身体のことはおざなりになりがちですが、できれば体調を崩す前に身体が発するサインに気がつけると早めの対処ができて大きな乱れを防ぐことがでいます。
身体のバランスをみる簡単な目安として、この4つが整っていればおおむね健康といえます。
- 食欲がある
- 心地よく眠れる
- 呼吸が楽にできる
- 大小便が快調である
もしどれかが乱れているようであれば、整えるよう心がけるだけでちょっとした不調は改善することもできます。
特に秋の季節は、呼吸器と大腸に不調が出やすくなります。
東洋医学では、秋に負担がかかる臓器が肺としていますが、同時に肺と関連する臓器である大腸や皮膚もトラブルが多くなる時期と考えます。
最近は腸内環境の乱れが肌荒れと関係することもよく知られるようになりましたが、東洋医学では昔からそのことを経験的に知っていたのでしょう。
小児の空咳が便秘と関係することもよくあり、便通が良くなると空咳も収まることがよくみられます。
実際、秋には皮膚の乾燥が出始めたり、便秘になる方も増えますので、お通じを良くすることは秋の養生で気をつけたいことの一つです。
便秘は悩む方も多い身近な不調の一つです。
東洋医学的に考えると便秘にはさまざまなタイプがあり、それぞれアプローチが異なりますので、詳しくは→こちら(便秘の薬膳)も参照してください。
さつま芋とりんごの白和え
<食材のポイント>
◆ 薩摩芋・甘藷(さつまいも・かんしょ)
:胃腸を丈夫にして元気にする、便通を促す
**食材の解説**
薩摩芋は、江戸時代に中国より伝来し、薩摩で栽培されたことと言われており、関東では薩摩芋、九州では唐芋と呼ばれます。
その品種は世界で3000〜5000種もあり、日本でも紅あづま、なると金時、シルクスイート、安納芋、紫芋などさまざまな種類が流通しています。
東洋医学では、
- 胃腸を丈夫にして元気をつける
- 胃腸の働きを回復させ、唾液などの分泌を促進する
- 便通を促す
など胃腸の働きを良くし元気にしてくれる食べ物とされています。
陰陽のバランスのとれたものですので、胃腸のあまり強くない方や高齢の方、お子さんにもよく、特に痩せて便秘の方におすすめです。
逆に、気の巡りが悪く便秘になるタイプの方は、食べ過ぎるとお腹が張ってしまうので控えめにした方がよいでしょう。
寒い季節に食べる石焼き芋は甘くておいしいものですが、これはさつま芋の糖化酵素によりいっそうおいしくなっています。
60度くらいでゆっくり加熱するとデンプンが酵素により分解され糖に変わるため、甘さが増し、さらに消化吸収を促進します。
また、さつま芋には女性ホルモンの排出を促すビタミンEや食物繊維、ビタミンC、ポリフェノールなどが含まれており、美肌効果や整腸作用などがあり女性にはうれしい食べ物です。
食物繊維もポリフェノールも皮に多く含まれ、さらにヤラピンという腸の蠕動運動を促進する物質も多く含まれていますので、皮ごと食べる方がよいでしょう。
一方、食欲を増す作用もあり、消化もよく栄養価も豊富なため、太りやすい食べ物とも言えますので、食べ過ぎには注意したいところです。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ りんご:肺を養う、熱をとる、便通を促す
◆ 豆腐:内蔵を潤す、余分な熱をとる、老廃物を排出する →詳しい食材の説明はこちら
◆ 白ごま:肺や腸、皮膚を潤す →詳しい食材の説明はこちら
◆ (白)味噌:身体の余分な熱をとる、解毒する、胃腸を養う →詳しい食材の説明はこちら
<材料>(2〜3人分)
-
さつま芋 ・・・・ 80g
-
りんご ・・・・ 1/4個
- 白ごま ・・・・ 少々
(あえ衣)
-
(木綿)豆腐 ・・・・ 1/3丁
-
白練りごま ・・・・ 大さじ2/3
-
(白)味噌 ・・・・ 小さじ1
-
砂糖 ・・・・ 小さじ1/2
-
(薄口)しょうゆ ・・・・ 小さじ1/2
-
塩 ・・・・ 少々
※ りんご、さつま芋の甘みにより砂糖などは調整してください。
<作り方>
-
豆腐は水切りをしておく。さつま芋は蒸して小さめの乱切りにする。りんごも小さめの乱切りにする。
-
あえ衣をフードプロセッサーまたはすり鉢で混ぜる。
-
1と2をあえ器に盛り、白ごまを添える。
**** 秋におすすめの薬膳レシピ ****
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菊花のいなり寿司 秋の薬膳⑩
秋分も過ぎ、いよいよ本格的な秋の到来です。
9月9日の菊の節句でも用いられる菊はこの時期からぜひ取り入れてほしい薬膳食材の一つ。
のどの痛みや目の充血などによい菊花を甘酢漬けにし、いなり寿司にしました。
秋分は昼と夜の長さがほぼ同じになる時期。
自然の陰陽のバランスも穏やかですので、心身ともに穏やかに過ごしやすい時期です。暑さで夏の間はスポーツや外出する気になれなかった方も、この時期に空気や景色のきれいなところを散策したり、美術館巡りをしたりすることがおすすめです。
秋は春・夏で取り入れたものから余分なものを削ぎ落とし、冬に向け蓄えていく時期。
散歩やストレッチなど、軽い運動がオススメです。
また、秋は精神的にも養うと良い時期とされていますので、きれいな景色や文化的なものに触れるとよいでしょう。
一方で、この時期から気をつけたいのはのどの風邪。
日中はまだ暑さを感じるものの、朝夕は肌寒くなってきて、風邪の方も多くなってきました。
菊の花は、のどの痛みからくる風邪の予防などに良い食材で、薬膳でもよく使われます。
下ごしらえも簡単ですので、食卓の彩りも華やかになりますので、ぜひ取り入れてみてください。
菊花のいなり寿司
<食材のポイント>
◆ 菊花(きくか):熱を取る、解毒する
**食材の解説**
お刺身のツマ以外でお目にかかったことがないという方も多いかもしれません。
東北地方では比較的食べられているそうで、色鮮やかな花びらは実はさまざまな薬効があり、薬膳でも重宝される食材の一つです。
菊の花の薬効としては、
- 風邪による発熱、頭痛、咳、喉の炎症を抑える
- 頭がのぼせるような場合の目のかすみ、目の充血を抑える
- 吹き出物や皮膚の赤み・腫れをとる
などがあります。
風邪のひき始めの喉の痛み、のぼせによる頭痛・目の充血、高血圧の予防などに用いるとよく、目のかすみや充血に枸杞の実とあわせてお茶にする薬膳茶や杞菊地黄丸という漢方薬が有名です。
また、毛細血管拡張効果があるので、血圧降下作用があるとされます。
食用菊は、観賞用の菊を食用に選抜・改良したもので、シャキシャキとした食感で苦みが少なく、黄色やピンクのものがあります。
10月が最もよく出回り、秋のものは風味も香りも良いです。
菊花は中国では秋の養生の一つとしてお茶でいただくことが多いです。
他には、おひたし、あえもの、酢の物、お吸い物、天ぷら、サラダなどにして食べます。
生のままですと日持ちしませんが、甘酢漬けにすると日持ちするので秋の常備菜としておいておくのも良いです。
また、生のものだけでなくのし菊、干し菊など乾燥したものもあるので、のぼせやすい方や喉の痛みが出やすい方などは乾物でおいておくのもよいでしょう。
菊の節句と言えば、9月9日は重陽の節句で日本には平安時代に伝えられたと言われます。
霊が宿ると考えられていた菊を酒に浮かべて酌み交わし、邪気を払い、長寿を願ったそうで、菊の節句とも言われます。
重陽の節句の頃ですと出回る量もまだ少ないですが、お月見や行楽など秋の行事に一花そえるのもおすすめです。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 蓮根:胃腸の働きを良くする、身体や肺・皮膚を潤す
<材料>(菊花と蓮根の甘酢漬け)
-
菊の花 ・・・・ 1パック
-
蓮根 ・・・・ 7cm程度
(甘酢)
-
酢 ・・・・ 200ml
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砂糖 ・・・・ 大さじ6
-
塩 ・・・・ 小さじ1.5
<作り方>
-
甘酢の材料をあらかじめ混ぜておく。
-
菊の花は花びらだけむしり、熱湯で1分ほど茹でる。蓮根は薄いいちょう切りにし、酢を入れた熱湯にさっと通す。
-
2の菊花と蓮根の水気を絞り、1の甘酢につける。
<材料>(いなり寿司)
-
炊いたごはん ・・・・ 2合
-
いなりあげ(味付き) ・・・・ 10〜12枚
(すし酢)
- 酢 ・・・・ 60ml
-
砂糖 ・・・・ 大さじ2
-
塩 ・・・・ 小さじ1
<作り方>
-
すし酢はあらかじめ混ぜておく。いなりあげは酢飯を入れやすいようあらかじめ中を開いておく。
-
炊きたてのごはんに酢飯を混ぜる。菊花と蓮根の甘酢漬けを軽く汁気をとり、好みの量を混ぜる。
-
2をいなりあげの中に詰める。
**** 秋におすすめの薬膳レシピ ****
茄子の肉味噌のせ 秋の薬膳⑨
立秋を迎えると夏から秋へと少しずつ季節が移っていきます。
食事も単純に身体を冷やすだけでなく、冷やしすぎない工夫を取り入れるとよいです。
身体の余分な熱を摂るのに優れた茄子は、冷えすぎないよう薬味と一緒にとるのがおすすめです。
立秋を過ぎると少しずつ秋の気配が近付いてきます。
この頃を境に、夜お腹を出して寝ていると寝冷えするなど涼しさも入ってくるようになるのです。
食事も同じく暑さを摂るだけのものだと身体を冷やしすぎてしまいますので、余分な熱は取りながらも冷えすぎない工夫が必要です。
秋なすは嫁に食わすな、と言いますが、これは意地悪ではなく早く子宝に恵まれてほしいお嫁さんに身体を冷やしすぎないよう気遣ったものという説もあります。
暑さの盛りにしっかりと身体の熱をとるものを取っておけば、涼しくなってからは自然と欲しくなくなるものです。
今はスーパーに行けば季節を問わずきゅうり、トマト、なす、レタスなどが年中手に入りますが、本来これらの野菜は夏が旬なものです。
夏が旬の食べ物は身体を冷やす作用が強いので、冬にたくさん食べると冷え性の原因になることもあります。
今は残暑も厳しいですので9月あたりまでは多めに食べても良いと思いますが、立秋以降は冷えすぎないよう薬味や身体を温める食材と組み合わせたり、加熱して温かい状態で取ったりするとよいでしょう。
もちろん、アイスクリームやかき氷、冷たい飲み物もお腹が冷える原因になりますので、特に夜は控えめにした方がよいでしょう。
<身体を冷やす食材の例>
- すいか
- バナナ
- パイナップル
- マンゴー
- パパイヤ
- メロン
- にがうり(ゴーヤ)
- トマト
- 茄子
- きゅうり
<身体を温める食材の例>
- ニンニク
- 唐辛子
- 生姜
- ニラ
- ねぎ
- 紫蘇
- 酒
- 胡椒
茄子の肉味噌のせ
<食材のポイント>
◆ 豚肉:からだを潤す、疲労回復する
◆ 茄子:熱をとる、解毒する、利尿作用 ▶︎ 詳しい説明はこちら
◆ 生姜:解毒する、食欲を増す
◆ はちみつ:解毒する、肌や肺を潤す ▶︎ 詳しい説明はこちら
◆ 味噌:胃腸を温める、解毒する ▶︎ 詳しい説明はこちら
◆ 紫蘇:解毒する
◆ 白ごま:肺を潤す、便通を促す
<材料>(2〜3人分)
-
茄子(大) ・・・・ 2本
-
豚ひき肉 ・・・・ 100g
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生姜(みじん切り) ・・・・ 大さじ1
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味噌 ・・・・ 大さじ3
-
みりん ・・・・ 大さじ3
-
はちみつ ・・・・ 大さじ1.5
- 白ごま ・・・・ 大さじ1
-
紫蘇 ・・・・ 2〜3枚
<作り方>
-
茄子は1cm程度の厚みに切り、表面に格子状に切り込みを入れる。生姜はみじん切りにする。味噌、みりん、はちみつは混ぜておく。紫蘇は千切りにしておく。
-
フライパンに油を多めにひき、茄子を両面焼き目が付くまで焼き、お皿に盛る。
-
フライパンに油と生姜を入れ、香りがたったら豚肉を火が通るまで炒める。1の味噌、みりん、はちみつをいれ、白ごまを入れて混ぜたら2の茄子の上にのせ、紫蘇を添える。
**** 秋におすすめの薬膳レシピ ****
春雨の酸辣スープ 夏の薬膳
湿気が多い時やクーラーの部屋に長くいると夏でも汗がかけないこともあり、熱中症の原因ともなります。
酸味と辛味を組み合わせた味は、適度に汗もかきつつ出過ぎないようにしてくれます。
食欲も増し夏バテの予防にもなる酸辣スープは、夏の時期におすすめです。
夏はたくさん汗をかく季節ですが、現代の生活では汗をかくシーンが少なくなっています。
熱中症の予防には、まず汗をかせる状態にしておくことが大切です。
オフィスや電車、飲食店などあらゆるところでクーラーが効いています。
快適ではありますし、本当に暑いときには必要なものですが、空調の効いた環境にいる時間が長くなると、汗をかきにくい身体になってしまいます。
夏は汗で暑さを発散するために、冬に比べ汗腺は開いた状態になり、汗をかくスタンバイをしているのが正常な状態です。
しかし、クーラーなどの冷気が当たると、毛穴は身体の中に冷気が入らないように固く閉じてしまいます。
すると汗腺は閉じるのが常になってしまい、暑さを感じでも汗腺がなかなか開かず、体温調整が難しくなってしまいます。
普段汗をかくのに馴れていない方は、ちょっとした暑さでも熱中症になりやすくなってしまいます。
熱中症は意識を失うレベルまでいかなくても、初期の段階で頭痛や吐気、頭ののぼせなどの症状があります。
また、夏に口内炎や目の充血、風邪ではないのどの痛み、そわそわして眠れないなどの症状は熱中症予備軍です。
普段仕事などで汗をかけない方は、
- 休日の涼しい時間帯に散歩をする
- エアコンを切る時間帯をつくる
など無理のない範囲で汗をかくことを心がけてみてください。
なお、空調で冷えた時や湿気で汗が出にくい時は辛いものを適量摂ることも一時的には効果があります。
酸味を加えると、酸味の収斂作用によって必要以上に発汗を促さず、適度に汗をかくことが出来ます。
食欲がない時も酸味と辛味の組み合わせはよいですので、食べ物でも工夫するとよいでしょう。
春雨の酸辣スープ
<食材のポイント>
◆ 緑豆春雨:熱を取る、解毒する、利尿する
**食材の解説**
緑豆は夏場に摂りたいものの代表で、中国では緑豆のお汁粉が缶でも売っており、暑さを感じると外出先でも飲むそうです。
緑豆は日本ではあまりなじみがありませんが、緑豆をつかったもので身近なものはあります。
緑豆春雨と緑豆もやしです。
緑豆そのものを摂るよりも効果は薄れますが、緑豆春雨には
- 余分な熱を取る作用
- 解毒する作用
- 利尿作用
などがあります。
春雨は、豆や芋のでんぷんを利用して作られた麺で、日本産のものはさつま芋やじゃがいものでんぷんを使って作られています。
一方、緑豆春雨は緑豆のでんぷんを使っており、主に中国で作られているものになります。
緑豆春雨は他の春雨に比べ、コシがあり、熱に溶けにくい性質を持っています。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 豚肉:からだを潤す、疲労回復する
◆ 緑豆もやし:熱をとる、解毒する、利尿作用 ▶︎ 詳しい説明はこちら
◆ 椎茸:元気をつける
◆ ニンニク:解毒する
◆ 生姜:食欲を増す、解毒する
◆ 豆板醤:解毒する、胃腸を良くする
◆ 香菜:消化を促す
<材料>(2人分)
-
緑豆春雨 ・・・・ 40g
-
豚ひき肉 ・・・・ 100g
-
生椎茸(小) ・・・・ 3個
-
もやし ・・・・ 100g
-
生姜 ・・・・ ひとかけ
-
ニンニク ・・・・ ひとかけ
(スープ)
- 水 ・・・・ 500ml
-
中華スープ ・・・・ 大さじ1/2
-
豆板醤 ・・・・ 小さじ1/2
-
酢 ・・・・ 大さじ2
-
醤油 ・・・・ 小さじ1
-
塩 ・・・・ 小さじ1/2
<作り方>
-
鍋に油をひきみじん切りにしたニンニク、生姜を香りがたつまで炒め、豚ひき肉を炒める。
-
薄切りした椎茸ともやしを加えたら、スープの材料を加える。煮立ったら春雨を加えて火が通るまで煮る。
-
2を器に盛り、お好みで香菜を加える。
**** 夏におすすめの薬膳レシピ ****
鶏と香味野菜の甘酢あえ 夏の薬膳
暑さによる熱中症対策はもちろんですが、からだも疲れがちなので食欲を落とさないことも大切です。
食材だけでなく調味料も工夫するとより夏の不調を防いでくれます。
酢は疲労回復効果や食欲と消化の促進効果があり、夏の養生にはかかせないものです。
本格的に暑くなってくるとさっぱりしたものが食べたくなります。
そうめんやひやむぎなどのどごしもよく食べやすいものがおいしくなりますが、その場合はできればしっかりおかずを摂ってほしいものです。
というのも暑さによりからだが非常に疲れてしまうので、その栄養補給をしっかりと行うことが真夏の養生では大切になるからです。
東洋医学では夏は気の消耗も激しい季節と考えます。
夏の盛りになると汗がたくさん出ますが、水分だけではなく気も一緒にでてしまうとされます。
水分補給だけでなく、からだを元気にしてくれるものも補っておかないと、気が不足してしまい、
- 疲労感が続く
- 頭がぼーっとする
- 眠りにくい
などの夏バテの症状がでることがあります。
食欲が落ちにくい方はしっかりとしたものをとっていただければ良いのですが、暑さで食欲が出にくいという方はお酢を使うと食欲と消化を促進させてくれます。
食べやすい工夫をして、タンパク質も夏野菜もしっかり摂るようにすると、夏バテも起こりにくくなります。
なお、すっぱい味のものは汗がですぎるのを防ぎ、疲労回復効果もあります。
夏のお食事には酢の物、ぬか漬けや梅干しなど酸味のあるものを取り入れるとよいでしょう。
また梅シロップや甘酢漬けなど、甘みと酸味が合わさった味はからだの水分を増してくれます。
脱水症状の予防にもよく、のどの渇きを効果的に癒してくれます。
鶏と香味野菜の甘酢あえ
<食材のポイント>
◆ 酢(す):血流を良くする、消化を促進する
**食材の解説**
調味料としてはもちろん、身近な健康食品の一つでもあるお酢ですが、世界にはなんと4000種類もお酢の種類もあるようです。
お酢はお酒を発酵させたもので、一般的な米酢や穀物酢のほか、黒酢、リンゴ酢、ワインビネガー、バルサミコ、モルトビネガーなどがあり、お酒の数だけお酢もあると言われます。
日本で作られ始めたのは4〜5世紀頃で、調味料として一般に広がったのは江戸時代になってからです。
お酢の効能は多く、主なものとしては
- 血の巡りを良くする
- 食欲や消化を促す
- 下痢を止める
- 魚や肉の毒を解消する
があります。
現代の研究でもさまざまな効能が認められており、疲労回復だけでなく、高血圧の抑制、血中脂質の低下、内臓脂肪を減らす効果やガンの抑制効果などもあります。
酢は殺菌効果も非常に優れているので、酢漬けにしたものは防腐剤なしでも痛みにくく保存食に適しています。
なお酢は酢酸という酸ですので、多くとりすぎると胃壁に刺激があります。
胃酸過多の方や胃炎、胃・十二指腸潰瘍のある方はとり過ぎや空腹時の摂取には気をつけてください。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 鶏肉:元気をつける、お腹を温める ▶︎詳しい説明はこちら
◆ きゅうり:からだにこもった熱を収め、むくみをとる ▶︎詳しい説明はこちら
◆ みょうが:解毒する
◆ しょうが:胃腸の働きを高める、解毒する
<材料>(2人分)
-
鶏ささみ ・・・・ 100g
-
きゅうり ・・・・ 1本
-
みょうが ・・・・ 2個
-
新しょうが ・・・・ 20g
-
酢 ・・・・ 大さじ4
-
しょうゆ ・・・・ 大さじ2
-
ごま油 ・・・・ 大さじ1
-
砂糖 ・・・・ 小さじ1
- 白ごま ・・・・ 適量
<作り方>
-
鶏ささみは筋を取り、塩小さじ1を入れた鍋で30秒ほどゆで、火を止めて10分ほど蓋をして蒸らす。鶏ささみだけ取り出し、粗熱がとれたら肉をほぐす。
※ゆで汁は鶏の出汁がでてますので、捨てずにスープなどで召し上がってください。 -
みょうがは芯をとり千切りにし水にさらす。新しょうがも千切りにし水にさらす。きゅうりも千切りにする。
-
2のみょうが、新しょうがをしっかり水をきり、きゅうりと鶏ささみを一緒に調味料であえる。器に盛ったら白ごまをひねりながらかける。
**** 夏におすすめの薬膳レシピ ****
レタスのアンチョビ炒め 夏の薬膳
日本の夏は暑さだけでなく湿気も多いので、むくみや胃腸の不調も起こりがちです。
特に梅雨の時期は湿気が多いので、身体にも湿気がたまりにくいよう気をつけるとよいです。
初夏においしくなるレタスは身体の余分な湿気を取り除いてくれます。
日本の夏は、暑さだけでなく湿気への対応も大切です。
梅雨に入ると雨も多くなり、湿度も高くなりますが、その環境で過ごす私たちの身体も湿気をためやすくなってしまいます。
東洋医学では、湿気で身体の不調をよぶものを"湿邪(しつじゃ)”と呼びます。
身体に余分な水分をためてしまう原因のほとんどは、食べ物や飲み物によるものです。
湿邪を呼ぶ代表的なものを挙げると、以下の3つです。
- 甘いもの
- 冷たいもの
- 生もの
例えば、アイスクリーム、冷たいジュース、よく冷えたビール、お刺身、生野菜などです。
暑さに身体が慣れていない初夏の時期はついつい冷たいものに手が伸びがちですが、
- 梅雨時期の不調がみられる方
- むくみやすい方
- 胃腸の調子が悪いとき
は、湿邪を呼ぶ食べ物は控えた方がよいでしょう。
身体に湿気をためるとむくみだけでなく、胃腸の不調や頭痛、身体の重だるさなどの症状が出ます。
また、身体の余分な水分がたまっている状態になると、熱中症や夏バテにもかかりやすくなりますので、初夏から梅雨の時期に水分代謝をスムーズにし、余分な水分がたまらないようコンディションを整えておくと、夏がスムーズに乗り切れます。
特に湿邪がたまると胃腸も弱くなり、梅雨時期には食べ物にもあたりやすくなるので十分注意しましょう。
レタスのアンチョビ炒め
<食材のポイント>
◆ レタス(萵苣・ちしゃ):利尿作用がある、余分な熱をとる
**食材の解説**
レタスは日本ではサラダなど生で食することが多いですが、中華ではスープやチャーハンなどの炒め物などにも用いられます。
レタスは萵苣(ちしゃ)ともいい、
- 利尿作用
- 通乳作用
- 熱を取り解毒する作用
があるとされています。
特に産後の母乳の出が悪いときや、むくみに用いられたりします。
レタスの茎を切ると乳白色の液体が出てきますが、見た目からも通乳作用を連想させたのでしょう。
熱をとる作用があるので冷え性の方は控えめにしたり、加熱してとるなど工夫した方が良いでしょう。
レタスの95%は水分で、カリウムや鉄、カロチン、ビタミンCやEが含まれます。
レタスは加熱すると独特の苦みが減り甘みが増し、かさが減りたくさん食べることも出来ますので、スープや炒め物などにも使うと良いでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ アンチョビ(片口鰯):気血の流れをよくする▶︎詳しい説明はこちら
◆ ニンニク:解毒する
<材料>(2人分)
-
レタス ・・・・ 1/2個
-
アンチョビ ・・・・ 5枚
-
ニンニク ・・・・ ひとかけ
-
塩 ・・・・ 小さじ1/2〜1
<作り方>
-
ニンニクはみじん切り、アンチョビは粗みじん切りにしておく。レタスは食べやすい大きさにちぎっておく。
-
フライパンにオリーブオイルを多めに入れ、ニンニクを入れる。香りが出てきたらアンチョビ、レタスを炒める。
-
レタスがしんなりとしてきたら塩を加え、お皿に盛る。
**** 夏におすすめの薬膳レシピ ****
パプリカの豆腐入り肉詰め 夏の薬膳
暑さが続くと身体に熱がこもり、イライラしたりそわそわと落ち着きがなくなったりすることがあります。
夏の食養生では、気温や太陽から受けた熱を身体にこもらないよう、身体を潤したり、熱を冷ましたりすることがポイントです。
身体を潤す豚肉や豆腐と、イライラを取ってくれるパプリカを使った肉詰めはお弁当にもどうぞ。
初夏のうちは身体が熱さに馴れていないため、身体の中に熱がこもりやすくなってしまいます。
特に今年は春が寒く、身体が暑さに対して準備不足のまま30℃近い日が来るようになってしまい、熱中症気味の方が多くいらっしゃいます。
熱中症予防として、水分を摂ることや塩分、ミネラルを取ること、暑い時は適切な温度になるよう無理をしないことなどが挙げられていますが、それ以外にも日頃から心がけることで暑さに対応できる身体作りをしていくことが大切です。
暑さに対応する食事としては、
- 赤い色の食材
(トマト、梅干し、パプリカ、なつめ、クコ、苺、ハイビスカスなど) - 身体を潤し渇きを止める食材
(豆腐、豚肉、アスパラガス、トマト、キュウリ、梅、びわ、バナナ、レモン、緑茶、牛乳など) - 熱をとる食材
(豆類、豆腐、アスパラガス、トマト、 緑豆もやし、レタス、ごぼう、バナナ、レモン、苺、ハイビスカス、緑茶、ミントなど)
などを取り入れていくと良いでしょう。
また、日頃から汗をかけるようにしておくことが、熱中症の予防には特に大切です。
私たちは汗をかいて体温を下げる調整することが出来ます。
しかし、一年中空調が効いている環境で過ごすことが多いとどうしても汗をかく機会が少なくなり、汗腺の働きが鈍ってしまいがちです。
すると、暑さは感じているのに汗をかけず、身体の中の熱を発散できずにこもってしまいます。
一般的にものすごく暑い日に大汗をかき、その後脱水症状になり、汗が出なくなって熱中症になると思われていますが、大汗をかかなくても適切に暑さに対処できてなければ熱中症になってしまいます。
特に初夏の時期は暑さに身体が慣れていないので、汗を適切にかくことが出来ず、熱中症に知らずになっていることが多く、風邪だと思っている方もいらっしゃいます。
まずは、朝や夕方に一駅多く歩いたり軽い運動をしたり、半身浴をするなど汗をかける身体作りをしておくとよいでしょう。
くれぐれも、急に激しい運動をしたり、サウナに入ったりしないようにしてください。
汗をかきなれていない場合、いきなり大量に汗をかくと脱水症状を起こしたりや熱中症になってしまうことがあるので注意してください。
パプリカの豆腐入り肉詰め
<食材のポイント>
◆ パプリカ:余分な熱をとりイライラを収める
**食材の解説**
赤や黄色、オレンジ色の鮮やかなパプリカですが、元々は緑色のビーマンと同じ仲間で、獅子唐芥子や唐辛子と同じく、唐辛子の仲間です。
緑色のピーマンは早く収穫するため苦みや青臭さがありますが、パプリカは熟してから収穫されるので甘く青臭さもほとんどありません。
効能も基本的にはピーマンと同じと考えられ、身体にこもった熱をとりイライラを取り除く、肝臓にこもった熱を収めて食欲を促進する、などがあります。
また、五臓六腑の機能を調節し、特に消化を促し気を補う作用があるとされます。
中医学では赤い色のものは心臓や血管の働きを補うとされており、血流をスムーズにしたり、精神の安定などに役立つと考えますので、赤いパプリカはこれらのはたらきもあると考えられるでしょう。
現代の栄養学では非常にビタミンCが多く、抗酸化作用や粘膜を丈夫にする作用、疲労回復などの効果があるとされています。
また、ビタミンDやビタミンPも含まれており、血管の補強作用、高血圧の予防効果などもあるとされます。
赤いパプリカ(ベル型ピーマン)は、普通のピーマンと比べてよりビタミンCやカロテンが多く含まれています。
一般にビタミンCは熱に弱いとされていますが、ビタミンPが含まれているのでビタミンCが熱で破壊されるのから守ってくれます。
また、カロテンは脂溶性ですので油と一緒に摂った方が吸収が良くなります。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 豚肉:身体を潤し、体力を回復する
◆ 豆腐:身体を潤す、余分な熱をとる ▶︎詳しい説明はこちら
◆ 玉ねぎ:気血の巡りを良くする、食欲不振を解消する
◆ トマトケチャップ:心(しん)を養う
<材料>(2人分)
-
パプリカ(大) ・・・・ 1個
-
豚ひき肉 ・・・・ 150g
-
豆腐 ・・・・ 80g
-
玉ねぎ ・・・・ 1/6個
-
生姜 ・・・・ ひとかけ
-
塩 ・・・・ 小さじ1/2
-
こしょう ・・・・ 適量
-
しょうゆ ・・・・ 小さじ1
- 片栗粉 ・・・・ 小さじ1
-
トマトケチャップ ・・・・ 適量
<作り方>
-
玉ねぎはみじん切りにしておく。生姜はすりおろしておく。パプリカは4等分に切り、へたと種を取り除いておく。
-
豚肉、豆腐、玉ねぎ、塩、生姜、しょうゆ、こしょうをよくまぜる。パプリカの内側に片栗粉をまぶし、肉だねをしっかりとつめる。
-
フライパンに油をひき、肉だねの面から焼き目がつくまで焼き、裏返して蓋をし蒸し焼きにする。中まで火が通ったら、ケチャップを添えてお皿に盛る。
**** 夏におすすめの薬膳レシピ ****
ひじきとトマトのツナサラダ 夏の薬膳
立夏を過ぎ暦の上では夏。心臓や血管に負担がかかりやすい季節になります。
熱中症の予防や梅雨のむくみ対策にも、今から心臓の働きを補い、血液と水分の循環を良くすることが大切です。
ひじきなど常備している食材ですぐ作れる夏の養生サラダです。
暦の上では、5月初旬の立夏から8月初旬の立秋までが暦の上では夏になります。
しかし、5月は爽やかな陽気であるものの、6月〜7月の梅雨、7〜8月に続く猛暑日、そして9月の厳しい残暑まで含め、夏は身体に厳しい季節といえます。
梅雨のむくみや熱中症、夏バテなど夏の体調不良を予防する上でも、大切になるのが心臓の働きや血液・水分の循環です。
東洋医学における“心”の働きは、心臓だけではなく血液の循環や脈拍が正常であること、精神の管理も含めたものになります。
例えば、熱中症になると、熱が身体にこもりのぼせたり口が渇くだけでなく、脈拍が速くなったり、拍動が強くなったり、ひどい場合には意識がもうろうとしてきます。
また、熱がこもった状態になると、イライラしたり、動悸がして眠れなかったりすることもあります。
これらの症状を観察し、昔の人は夏に負担がかかる臓器は”心”であり、余分な熱を冷まし、“心”の働きを助ける養生が必要と考えたのでしょう。
また、梅雨の時期から湿気も多くなり、むくみだけでなく、からだのだるさや食欲不振、頭痛などいわゆる夏バテの状態になります。
必要な水分は補いつつも、水分代謝をスムーズにしていくことが大切です。
夏の養生として、
- 余分な熱をとる
- 身体を潤す
- 余分な水分をとる
- 血液循環をスムーズにする
- 暑さによる消耗を補う
ことが大切です。
初夏におすすめの食材としては、トマト、アスパラガス、玉ねぎ、じゃがいも、もやし、海草、パプリカ、豚肉、青魚、豆腐、あずき、緑茶などがあります。
夏は赤い食材をとると良いといわれていますので、毎日何か一つはとると良いでしょう。
また、気温が急に上がり食中毒にもかかりやすい時期ですので、しょうが、しそ、わさび、ニンニク、大根、梅干しなど殺菌効果のある食材も取り入れると良いです。
ひじきとトマトのツナサラダ
<食材のポイント>
◆ 鹿尾菜(ひじき):むくみをとる、余分な熱をとる
**食材の解説**
日本におけるひじきの歴史は古く、遺跡の発掘物によると縄文時代や弥生時代からすでに食されていたようで、古来からお供え物や献上品として用いられていたようです。
諸説あるようですが、「鹿尾菜」という漢字が当てられているのは、ひじきの形が鹿の尾のようにピンとした形をしていることに由来するとのことです。
ひじきは、身体を冷やす作用が強く、
・むくみを解消する
・痰を除去する
・身体にこもった余分な熱をとる
といった働きがあり、血栓の予防や動脈硬化の予防に効果があるとされています。
また、心を養い、血を補う働きもあるとされています。
現代の研究では、高脂血症への効果や善玉コレステロールの増加作用、甲状腺障害機能低下症への効果があるとされています。
ひじきには食物繊維、ヨードの他、ミネラルが豊富で、ナトリウム、カリウム、鉄分、リン、カルシウム、銅、ケイ素、硫黄、マンガン、ホウ素、チタン、マグネシウム、アルミニウムなどが含まれています。
貧血予防にはひじきがよい、とされてきましたが、最近の調査では既存の鉄含有量は鉄釜で加工した場合の値であり、ステンレス釜で加工した場合の鉄含有量は少なかった、ということが報告されました。
確かに鉄分の多さでは他の鉄分豊富な食材に比べ劣るかもしれませんが、貧血には鉄分だけでなく、他のミネラルがないと血液が作られません。
鉄分の多い食材と一緒にひじきをとることは有効ですので、上手にひじきも食するのが良いでしょう。
なお、乾燥したひじきは水で戻したまま食することは出来ませんので、サラダなどに使う場合は茹でてから使うようにすると良いようです。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ トマト:熱を収め渇きを抑える、熱をとる、消化を促進する
◆ ツナ(まぐろ):気と血を補う
◆ オリーブ:身体や口の渇きを潤す、炎症をとる
◆ 玉ねぎ:胃腸の調子を整える、気血の巡りをよくする
◆ レモン:暑気あたりを解消する、身体や口を潤す
◆ 生姜:解毒する、食欲不振を解消する
<材料>(2〜3人分)
-
ひじき(乾燥) ・・・・ 10g
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ツナ ・・・・ 1缶
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ミニトマト ・・・・ 5個
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オリーブ ・・・・ 15g
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玉ねぎ (小) ・・・・ 1/2個
(ドレッシング)
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レモン汁 ・・・・ 大さじ1
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塩 ・・・・ 小さじ1/2〜1
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生姜 ・・・・ ひとかけ
<作り方>
-
ひじきは水で戻し、軽く茹でる。玉ねぎは薄くスライスし、水にさらしておく。
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オリーブはさいの目に切る。ミニトマトは4等分に切る。生姜はすりおろしておく。
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水気をきった1と2、ツナをドレッシングでよく和える。
**** 夏におすすめの薬膳レシピ ****
レバー入りミートボールのトマト煮 春の薬膳
貧血にもっとも効果のある食材といえば、レバー。
東洋医学では、“以臓補臓”という考えからも貧血にはレバーを取り入れます。
苦手な人でも食べやすいようにミートボールにしてトマトで煮込みました。
春に限らず貧血の方が多くいらっしゃいますが、そのような方に普段何を召し上がっていますか?と聞くと、ほうれん草やひじきをたくさん食べています、と答えられることがあります。
確かに植物性の食品の中では鉄分の多い食品ではありますが、貧血の方にまずお勧めしたいのはレバーや赤身の肉です。
東洋医学では、“以臓補臓(いぞうほぞう)”と言い、弱っている臓器を補うために、その臓腑を以て補うということを行います。
血液を貯めているのは肝臓ですので、貧血の場合にまず摂るべき食事としてレバーがあげられます。
更に、“血肉有情之品(けつにくゆうじょうのしな)”という言葉もあり、漢方薬として使われる海馬(かいば、タツノオトシゴ)や冬虫夏草(とうちゅうかそう)などの動物薬を主に指します。
動物薬は即効性が高く効果が強いもので、身体のもとを補ってくれると考えます。
生理がある女性の場合、一日2mgの鉄が必要とされるといいます。
ほうれん草など植物性食品に含まれる鉄分は非ヘム鉄といい、私たちの身体に吸収するためにはビタミンCなど吸収を促進する栄養素が必要です。
レバーなど動物性食品に含まれる鉄分はヘム鉄といい、タンパク質と結合しており、非ヘム鉄と比べ、吸収効率は5〜10倍といわれています。
特に貧血の症状のある方はレバーや赤身肉など積極的に鉄分の多いタンパク質を摂った方が良いでしょう。
もちろんほうれん草なども貧血の改善の助けにはなりますので、非ヘム鉄が多い食品はじゃこやかつお節などタンパク質やビタミンCが多い食品と一緒に摂るとその吸収も良くなります。
レバー入りミートボールのトマト煮
<食材のポイント>
◆ 鶏レバー:肝を補う、血液を養う ▶︎詳しい説明はこちら
◆ 玉ねぎ:気血の巡りをよくする
◆ トマト:熱を収め、消化を促進し、肝の解毒を助ける
<材料>(2〜3人分)
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豚挽肉または合挽肉 ・・・・ 200g
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鶏レバー ・・・・ 80g
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玉ねぎ ・・・・ 1/4個
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卵 ・・・・ 1個
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パン粉 ・・・・ 大さじ3
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ナツメグ ・・・・ 小さじ1/2
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塩 ・・・・ 小さじ1/2
(ソース)
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ホールトマト缶 ・・・・ 1缶
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玉ねぎ ・・・・ 1/2個
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ニンニク ・・・・ ひとかけ
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トマトケチャップ ・・・・ 大さじ2
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砂糖 ・・・・ 小さじ1
-
塩 ・・・・ 小さじ1
<作り方>
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ミートボール用の玉ねぎはみじん切りにし、フライパンで透き通るまで炒める。レバーは粗みじんぎりにしておく。ソース用のニンニクはみじん切り、玉ねぎはくし切りにしておく。
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挽肉に、塩、ナツメグ、卵、パン粉を加えよく練り、玉ねぎとレバーを加えて混ぜる。ボール状に形を整え、油をひいたフライパンで表面に焼き目をつけたら、ミートボールを取り出す。
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2のフライパンにニンニクを加え、玉ねぎを炒める。ホールトマトをつぶしながら加えて煮立たせる。2のミートボール、トマトケチャップ、砂糖、塩を加えて煮つめる。
**** 春におすすめの薬膳レシピ ****
イカとグリーンピースのカレーピラフ 春の薬膳
春に負担がかかる臓器である“肝”は、血液をストックする役割があります。
日頃から貧血になりやすい方はいつも以上に貧血に注意したいのが春です。
血液を補ってくれるイカと胃腸の機能を高めてくれるグリーンピースのカレーピラフです。
春の臓器である肝の働きに、“蔵血(ぞうけつ)”という作用があります。
これは血液をストックする働きのことですが、血液は血管を流れる血液の他に、何かあったときのため(たくさん血液を消耗する時や出血してしまった時のため)に血液を蓄えています。
それが肝臓にストックされているのです。
貧血の方の中には、このストックする血液が少ない方もおり、一般に健康診断では検査項目になっていないため気付かずに過ごされている方もいらっしゃいます。
東洋医学では、血が少ないことを血虚(けっきょ)と言い、一般的な貧血に近い状態を指します。
<血虚(けっきょ)の症状>
- めまい
- 頭痛
- 頭がぼーっとする
- 生理不順
- 目のかすみ、ドライアイ
- 視力の低下
- 皮膚の乾燥
- 髪のぱさつき
- 爪がもろくなる
- 口の渇き
- 便秘
- 不安感、焦燥感が強くなる
- 不眠
- 物忘れ など
特に、妊娠中の方、授乳中の方、生理の後半は貧血になりやすいので、いつも以上に気をつけると良いでしょう。
また、今まで女性に多かった貧血ですが、目を酷使する生活環境やストレス、就寝時間が遅くなったことなどより、男性の貧血も多くなっています。
鉄分の多いものやタンパク質をしっかり摂ること、深夜1時〜3時は寝ることなど気をつけるとよいでしょう。
貧血になりやすい方は胃腸が弱い方も多いので、胃腸を大事にすることも心がけるとよいでしょう。
イカとグリーンピースのカレーピラフ
<食材のポイント>
◆ 烏賊(いか):血液と潤いを補う
**食材の解説**
近年漁獲量が減り、高騰していると言われるイカですが、お刺身、フライ、炒め物、煮物などさまざまな家庭料理でおいしくいただけるものです。
イカは、血液を増やし身体を潤す、肝と腎を補い機能を回復する、などの作用があります。
貧血により月経が止ってしまった場合や貧血によるめまいに良いとされています。
春に摂りたい食材でもあり、貧血になりやすい女性にはぜひ摂っていただきたい食材です。
イカはコレステロールが多く含まれていますが、同時にタウリンも豊富に含まれているため、血液中のコレステロールの増加を抑制する作用があります。
また、イカの墨には血行を良くする作用や視力の回復作用があるとされています。
墨にはアミノ酸のチロシンが含まれており、身体を丈夫にする働きがあるとされています。
タウリンは熱に弱いので、加熱しすぎない方がよいです。
生のイカや煮て固くなったイカは消化しにくいので、胃腸の弱い方はさっと火を通すか軟らかく煮たものを召し上がるとよいでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ グリーンピース:余分な湿気を取り除き、胃腸の機能を高める
◆ 玉ねぎ:気血の巡りをよくする
◆ カレー粉:食欲を増進する、気血の巡りをよくする
<材料>(2人分)
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ごはん ・・・・ お茶碗2杯
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イカ ・・・・ 100g
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グリーンピース ・・・・ 50g
-
玉ねぎ ・・・・ 50g
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カレー粉 ・・・・ 大さじ1
-
コンソメ ・・・・ 小さじ1〜1.5
-
塩 ・・・・ 小さじ1/2
<作り方>
-
グリーンピースはさやから外し、茹でておく。イカは食べやすい大きさに切っておく。玉ねぎはみじん切りにしておく。
-
フライパンに油をひき、玉ねぎを炒め、透き通ったらイカを炒め、グリーンピースを加え、カレー粉を入れ炒める。
-
ごはん、コンソメを加え炒め、塩で味を整える。
**** 春におすすめの薬膳レシピ ****
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