玉ねぎとアンチョビのドレッシング 冬の薬膳④
冬は寒さからも血液の流れが滞りがちです。
玉ねぎや背の青い魚は血液をサラサラにし、流れをスムーズにしてくれる食材です。
ドレッシングにすることで毎日の食事に取り込みやすくなります。
また、疲れたときにもオススメの組み合わせで、蒸し野菜や鶏肉などにも合います。
冬は寒さからも血液の流れが滞りがちになります。
よく冬場に心筋梗塞など循環器系の病気が多くみられますが、これは血液の流れが滞りがちのためです。
また、健康な方でもこの時期は血液の流れが悪くなりがちです。
血液の流れが滞った状態のことを中医学では、 ”瘀血(おけつ)” と呼びます。
瘀血(おけつ)の例としては、身近なもので言うと、目の下のクマ、シミ、打撲したときの青あざなどがあげられます。肩こりや腰痛を持っていらっしゃる方の一部には、瘀血が原因の方もいます。
重大な病気の原因になる血液をつまらせる血栓も瘀血です。
また、女性の場合は、子宮に瘀血があると生理痛がひどくなったり、子宮筋腫になったりします。
現代の生活ではどうしても運動不足になりがちです。特に座り仕事が多い方は、血液の流れが滞りがちになります。
日常的に血液の流れを良くし、血中の老廃物をたまらないよう心がけていくことが大切です。
軽い運動を行うのももちろんですが、血液の流れをスムーズにする食材を摂ることもあわせて行うとよいでしょう。
今回使用した玉ねぎ、イワシなどの青魚、お酢は、血液の流れをスムーズにする食材の代表格です。
上手に日々の食事に取り入れてみてください。
◆ 玉葱・洋葱(たまねぎ):血液・気を巡らす、消化不良を解消する
**食材の解説**
血液の巡りが悪い時、気の巡りも悪くなることがあります。逆に気の巡りが悪いときにも血液の流れは悪くなります。玉ねぎはそのどちらも解消してくれる食材です。
食欲不振や消化不良も、からだの巡りが悪いときにおこりがちです。玉ねぎは気血の流れを良くすることで、胃腸の巡りの悪さを解消してくれます。
現代の栄養学では、解毒・殺菌効果、利尿作用、高血圧、高脂血症などに効果があるとされます。
血液をサラサラにすることで有名であり、特に高血圧や高脂血症の方にはオススメの食材と言えるでしょう。
また、独特の匂いと辛みのもとである硫化アリルはビタミンB1の吸収をよくしてくれます。
生食で食べる場合、辛みが強いと逆に胃に負担になることがあります。
一方、切ってすぐに水にさらしてしまうと栄養成分が流れてしまいますので、辛みを抜く際には切ったあと15分以上空気にさらすとよいようです。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ アンチョビ(かたくちいわし):血液の流れを良くする、からだを強くする
◆ 酢:血液の流れを良くする、解毒する、体力を回復させる
玉ねぎとアンチョビのドレッシング
<材料> (作りやすい分量)
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アンチョビ(小さめの缶1缶分) ・・・・ 50g
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玉ねぎ ・・・・ 1個
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酢 ・・・・ 大さじ6
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生姜 ・・・・ ひとかけ
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塩 ・・・・ 小さじ1
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オリーブオイル ・・・・ 大さじ2
※オメガ3系のオイル(エゴマ油、インカインチなど)だとより効果的です
<作り方>
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玉ねぎ、生姜はみじん切りにしておく。
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アンチョビをたたき、ペースト状にする
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熱湯消毒したビンなどにすべての材料を入れ、フタをしてよく混ぜる。半日程度おいたら、温野菜などにかけて食べる。(日持ちは1週間程度)
**** 過去の冬の薬膳レシピ ****
鶏肉の八角入り甘煮 冬の薬膳⑤
暖冬といっても寒さはからだを消耗します。
熱々のお鍋はちょっと、という場合でもからだをあたためる食材をこの時期しっかり摂っておくことが大切です。
食べたときのボリュームもあり、おかずにもお弁当にもオススメです。
冬は”腎”という臓器の負担が大きい季節です。”腎”は寒さが苦手ですので、足腰を冷やさないことが大切です。
近年暖冬傾向が続き、あまり寒くない冬もありますが、それでも一年の中では寒い季節です。
この時期の養生をおろそかにするとからだの源が弱くなってしまい、次に来る春、ひいては1年を健康に過ごすことが難しくなります。
暖房の部屋の中にいるとからだの表面は熱く、汗をかくこともあります。
しかしこれが逆にからだに寒さを入れてしまうことにもなります。
本来、冬は毛穴を固く閉じからだの熱を外に漏らさないようにする季節です。
しかし、暖かい部屋にいれば体表の温度が上がるので、毛穴が開きからだの熱を放出しようとします。
からだの表面が緩んだ状態でそのまま外に出れば、その毛穴からからだに冷たい空気が流れ込み、からだはとたんに冷えてしまいます。
また、中医学では風邪などからだにとって悪影響を及ぼすものは、からだの”穴”から入ってくると考えます。
毛穴が開いて寒さが入ってくることを指したり、口や鼻から風邪やノロウイルスなどを取り込んでしまうことを表しています。
手洗い、うがいなどの予防ももちろんですが、免疫力が落ちてしまうととたんにかかりやすくなってしまいます。
免疫力アップには体温を上げること、すなわちからだの芯の温度をあげることが非常に有効です。
室温が高かったり、あまり寒くない日が続くと、お鍋など熱々のものは嫌煙しがちになりますが、からだを温める食材を日々取り入れることでからだは冷えから守ることができます。
◆ 鶏肉(とりにく):からだを温める、元気をつける
**食材の解説**
アスリートが高タンパク低脂肪な食材として鶏肉のささみを常食することがありますが、中医学的にみても非常に理にかなったことと言えます。鶏肉はからだの元気を補い体力をつける食材です。
韓国料理のサムゲタンも生薬と鶏肉を煮込んだもので美肌やからだの元気を補う薬膳料理です。薬膳の古い文献でも鶏肉を使った料理は多くあります。
例えば、出産はたくさんの血液を消耗し、体力も非常に使います。出産後には鶏肉と生薬を煮込んだものやそのスープを食べさせたりします。
また、骨付きのもも肉や皮はコラーゲンが含まれています。黄色い脂身は避けた方がよいですが、乾燥しやすい方は適度に脂を抜いて皮も召し上がった方がよいでしょう。
鶏肉の中には抗生物質をたくさん使って飼育されたものや、ホルモン剤を投与されて育ったものもあり、その影響を指摘する人もいます。健康面を重視して飼育されたものはその分値段も高くなるので、納得できる価格と商品を選ぶとよいでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ れんこん(加熱):胃腸を整える、からだを守り固める
◆ どんこ(冬菇):腎を補う、元気を補う
◆ 八角(はっかく、スターアニス):からだを温める、気を巡らす
◆ 黒砂糖:からだを温める、血液の流れを良くする
◆ 酒:からだを温める、気血の流れを良くする
鶏肉の八角入り甘煮
<材料> (2〜3人前)
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鶏もも肉 ・・・・ 180g
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どんこ(干し椎茸) ・・・・ 大3個
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れんこん ・・・・ 100g
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八角 ・・・・ 1個
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酒 ・・・・ 大さじ2
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黒砂糖 ・・・・ 大さじ2
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しょう油 ・・・・ 大さじ2
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戻し汁 ・・・・ 1/2カップ
<作り方>
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どんこはあらかじめ戻しておく。
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鶏肉を食べやすい大きさに切り、塩をひとつまみ(分量外)ふっておく。れんこんも食べやすい大きさに切っておく。
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なべに大さじ1の油をひき、鶏肉を皮のついた面から焼く。焼き目がついたら返す。
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鶏肉の両面に焼き目がついたら、れんこん、戻したどんこを入れ、全体を混ぜなじんだら、残りの材料をいれ、中火で煮る。汁気が少なくなり、全体にとろみが出たら完成。
**** 過去の冬の薬膳レシピ ****
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