冬瓜と豚肉のスープ 夏の薬膳②
前回は夏の暑さを取り除くレシピでしたが、今回はそれに加えて、からだの水分を補ったり、汗と一緒に流れ出てしまった”気”を補うレシピです。
夏の暑さがこもったままだと、からだがほてったり、のどがよく渇いたりします。
からだにたまった熱をそのままにしておくと、だるさや頭痛が出てきたり、何となくからだの不調があったり。夏を乗り切れてもいわゆる秋バテになることもあります。
これは、からだの中にこもった熱によってからだの中の水分が少なくなってしまい、からだがほてったり、のどが渇いたりし、ひどくなると何となくイライラしたりします。
また、暑いときには体温を下げようと汗が出ます。こちらも同じくからだの中の水分を減らしますが、中医学では汗と一緒に”気”も流れ出るとされるため、元気がなくなって、からだがだるくなったり、疲れやすくなったりするのです。
冬瓜は、”冬”という字がつきますが、夏が旬のウリ科の野菜です。丸のまま涼しい場所におくと、翌春まで貯蔵できることから”冬瓜”という名前がついたと言われます。*1
暑さを取り除くほか、利尿作用があり、むくみなどを解消します。
なお、冬瓜の皮や種は漢方薬として使われており、種は痰きりや膿をだすのに、皮は利尿に用いられています。
豚肉は、ビタミンB1が多く含まれ、疲労回復によいとされますが、中医学でも、体力回復に用いられ、”気”や血液を補う作用があると考えられています。
また、豚肉はほてったからだの熱を納める作用があります。薬膳の処方の中には、からだの水分や血液が少なくなり、熱をもった状態のときに、豚肉を煮た汁を飲む、というものもあります。*2
冬瓜と豚肉のスープ
<材料> (2〜3人分)
- 冬瓜 ・・・・ 400g (1/4個程度)
- 豚肩ロース ・・・・ 200g
- しょうが ・・・・ ひとかけ
- 塩 ・・・・ 小さじ1/2
- しょうゆ ・・・・ 小さじ1/3
- 水 ・・・・ 400ml
<作り方>
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豚肉を食べやすい大きさ(3cm程度)にきり、塩をふっておく。
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冬瓜は、わたと皮をとり、2cm程度のいちょう切りにする。しょうがを薄く切っておく。
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サラダ油を引いた鍋に豚肉をいれ、表面を焼く。水を入れ一煮立ちさせて豚肉をザルにあげる。
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冬瓜、豚肉、しょうが、水を鍋に入れ、20〜30分煮る。
- 塩、しょうゆで味を整える。
3.は豚肉のあぶらや臭みを取り除きます。
味は薄めにしているため、物足りない場合は、鶏ガラスープを加えてもよいでしょう。
また、煮込む時間がない方や豚肉を柔らかく仕上げたい方は、圧力鍋や土鍋を活用するとよいかと思います。
冬瓜、豚肉どちらもからだを冷やす食材なので、からだが冷えている方にはたくさん食べるのは控えてください。また、豚肉のかわりに、同じく”気”を補う鶏肉にしてもよいでしょう。
特に気になる症状にあわせて、以下のような食材を加えてアレンジしてみてください。
- からだがほてる、のどがかわく:豆腐
- 疲れやすい、だるい:山芋
- 食欲がない:刻みしょうがやシソをそえる