うどと菜の花の酢味噌和え 春の薬膳③
前回に引き続き、今回も春の薬膳です。
(前回まではこちら → 春の薬膳①、春の薬膳②)
春は肝臓に負担のかかりやすい季節ですが、送別会や歓迎会、お花見などお酒の席も多く、ますます肝臓は忙しい季節です。いつもの食卓に、デトックス効果のある食材を取り入れ、肝臓の働きを助けるとよいでしょう。
また、春にしっかりと養生できていると一年健康に過ごせると言われます。続く夏や秋、また冬に不調がでやすい人は、今の時期から養生することで、年間を通して健康に過ごせます。
春に旬を迎える食材には、からだの老廃物を出す効果のある食材がたくさんあります。山菜など苦みのある食材で冬に溜め込んだ余分なものをしっかりと出して、春のエネルギーをからだに取り込みましょう。
独活(うど)
寒さによるカゼの頭痛やからだの痛み、しびれ、足腰の痛みをとる効果があります。また、むくみを取り除く効果や、湿疹の症状を抑える効果があります。関節の痛みなどリウマチの改善にも効果があるとされています。
漢方薬の独活(どっかつ)と同様の効果があるために、うどを“独活”と書くようになったそうです(漢方薬の方が薬効が高いです)。うどは、根に近い部分の方がより効能が高く、また、山うどの方が薬効も香りも高いです。
新鮮なものは、土をかぶっていた白い部分は皮をむいて生でも食べることができます。穂先は天ぷらなど春の味覚の代表格として食されます。皮の部分も捨てずに、きんぴらなどで召し上がるとよいでしょう。
菜の花(なのはな)
炎症やおでき、吹き出物などからだにたまった余分な毒をとる効果があり、春のデトックス食材の一つでしょう。血流が悪いときに改善したり、貧血予防にも効果があります。また、産後の回復にもよいとされています。
カロテン、ビタミンC、B1、B2、葉酸、カルシウム、鉄等のミネラル類を豊富に含み、特にビタミンCは野菜の中でも非常に多い食材です。からだの抵抗力を高めますので、カゼをひきやすい春には積極的にとるとよいでしょう。
さらに、この季節においしくなる柑橘類の皮にはイライラや不眠をやわらげる効果があります。果実として生で食べることももちろんですが、皮の部分にその効果がありますので、ママレードにしたり、吸い口として添えたりすることで、気分もすっきりとするでしょう。
うどと菜の花の酢みそあえ
<材料> (2人前)
- うど ・・・・ 1本
- 菜の花 ・・・・ 1/2束
(酢みそ)
- 酒 ・・・・ 大さじ1/4
- みりん ・・・・ 小さじ1/4
- 白みそ ・・・・ 大さじ1
- 夏みかんの果汁*1 ・・・・ 大さじ1
- 夏みかんの皮 ・・・・ 適量
<作り方>
- 菜の花は下ゆでし、冷水にさらして、食べやすい大きさに切る。
- うどは厚めに皮をむき、短冊切りにして薄い酢水にさらす。切ったうどは、軽くゆがく。
- 練りみそを作る。なべに酒、みりんを入れ、アルコールをとばす。白みそを加え、10分程度弱火で煮つめる。
- 冷ました練りみそに夏みかんの果汁を加え、菜の花、うどとあえる。器にもり、夏みかんの皮をちらす。
*1:夏みかん以外の柑橘類でもかまいません。または米酢