薬膳ごはん yakuzen gohan

日々の生活に取り入れられる薬膳のレシピを紹介していきます。

ゴーヤと豚肉のひやむぎ 夏の薬膳④

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夏は心臓に負担がかかりやすい季節のため、中医学では“心”を大切にする養生が必要な季節とされています。
“心”には、単純に心臓だけではなく、血管や精神状態のことも含まれています。
たとえば暑くて汗をかくと、血液中の水分量も減り、血液の濃度が濃くなり、いわゆる“ドロドロ血”の状態になります。すると、もともと健康な人でも脳梗塞や脳溢血になりやすくなると言われています。ですので、血管を柔らかくしたり、血液の濃度を正常に保つことが必要になります。
また、熱中症になると頭がもうろうとしたりします。熱中症にならなくても暑気あたりや熱がからだの中にこもると寝付きが悪くなったり、イライラしたりし、あるいは、夏になるとハイになったりと、いつもと少し違う精神状態になりがちです。
昔の人は、これらの心身への影響を見て、夏は“心”を大切にするようにしていたのだと思います。

今回は、からだの余分な熱を取り除きながら、夏バテ防止にもよい薬膳を紹介します。
夏は食欲がなくなり、手軽なそうめんやひやむぎなど麺類が多くなりがちですが、素早いエネルギーチャージには有効ですが、麺だけだと栄養が偏り、夏バテになりやすくなります。できれば一緒にタンパク質やからだの熱を取り除き、疲労回復を促す食材と一緒にとるとよいでしょう。

 

◆ 苦瓜(にがうり、ゴーヤ):熱をとり、暑気あたりを解消する

**食材の解説**
沖縄料理の郷土料理、ゴーヤチャンプルーが有名な苦瓜ですが、からだの熱を取り除く作用が非常に優れています
中医学では、苦味のある食材には熱をとったり、解毒したり、炎症を抑えたり、高ぶった気などを収める性質があるとしています。
苦瓜は、まさに苦味の強い食材で、暑気あたり、目の充血、口の乾きを改善し、高ぶった気を抑える効果があります。
薬膳の古い文献である『本草綱目(ほんぞうこうもく)』には、“苦瓜の果実には悪い熱を取り除き疲れをいやす”、“視力を回復する”とあります。

現代の栄養学では、 免疫力を高め炎症をしずめる効果、血圧を下げる効果、血糖値を下げる効果があるとされています。また、トマトの5倍のビタミンCを含み、さらに抗酸化作用に優れ、血管の老化や動脈硬化を防ぐとされています。

苦瓜の様々な効果は苦み成分に含まれているものが多いため、苦みを取り除きすぎないように食すのがすすめです。
からだを冷やす効果が強いため、冷え性の方や寒い時期には食さない方がよいでしょう。また、気を降ろす効果も強く、現代の栄養学でも流産の誘発作用が認められているため、妊娠初期や中期の方はさけた方がよいでしょう。低血糖の方もさけた方がよいでしょう。

 

今回のレシピで使っているその他の食材

 ◆ 豚肉:からだを潤し、体力を回復する
※ ビタミンB1が豊富で、加熱時間を短くし、アリシンを含む食材(たまねぎやニンニクなど)、ビタミンCが豊富な食材との相性が良い。

 ◆ 小麦(ひやむぎ):精神不安をやわらげる
※ 食べ過ぎるとお腹がはりやすくなる。殻には消化不良を解消する働きがあるので、全体を食べるとよい。 

 

ゴーヤと豚肉のひやむぎ

<材料> (2人前)

  • ひやむぎ        ・・・・ 200g

  • 豚ひき肉        ・・・・ 200g

  • ゴーヤ         ・・・・ 1/2本

  • 生姜          ・・・・ ひとかけ

  • にんにく        ・・・・ ひとかけ

  • 酒           ・・・・ 大さじ2

  • しょう油        ・・・・ 大さじ2 

  • 塩、こしょう      ・・・・ 適量

<作り方>

  1. ゴーヤを半月切りにし、塩でもみ、しんなりしたら軽く洗い、水をしぼる

  2. にんにく、生姜を粗みじんにする

  3. ひやむぎをゆでる
  4. フライパンに2と油を入れ、香りがたったら豚ひき肉を炒め、火が通ったらゴーヤも炒める

  5. しょう油、酒を入れ、塩、こしょうで味を整え、ひやむぎの上にかける

 

 

☆☆ 過去の『夏の薬膳』レシピ☆☆

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