アスパラとトマトのケチャップライス 夏の薬膳⑦
ゴールデンウィーク前後より夏を思わせる天気が多くなります。
暦の上でも立夏を迎え、からだも夏に向けた準備を始める頃です。
水分代謝を調整し、日差しに負けないからだをしっかり作ることで夏バテや熱中症を予防しましょう。
暦の上では、5月5日頃の立夏から、小満、芒種、夏至、小暑、大暑までの3ヶ月間が夏です。
夏の不調と言えば、夏バテや熱中症(暑気あたり)が代表的ですが、暑さの盛りである7、8月だけでなく、その前の時期にしっかりと養生しておくことが大切です。
日本の夏は湿度が高いのが特徴なので、梅雨の時期に余分な水分をためないことがまずは大切になります。かといって、水分不足になれば日差しが強い日に熱中症になってしまいます。
現代の生活では空調もよく効いた部屋にいるため、汗をかくことも少なく、からだの体温調整機能も水分調整機能も落ちていることが多いです。
日差しが心地よい5月頃はからだを動かすにも良い時期です。この時期に汗をかくことに馴れておくと、梅雨の湿気によるからだの不調の予防や、本格的な夏の暑さへの備えになります。
また、冷たいものは胃腸の調子を損ない、からだに湿をため、からだを重だるくする原因にもなります。
例年、梅雨にむくむ、夏に食欲がなくなる、夏バテでからだがだるくなる、といった症状が出やすい人は、特にアイスクリームや氷の入った飲み物は極力控えるようにした方がよいでしょう。
食事の面では、夏の色である赤色の食材を多く取り入れるといいでしょう。
トマト、パプリカ、あずきなど赤い食材の多くは、夏の臓器である”心”に働きかけ、夏に出やすい不調を緩和してくれる作用を含みます。
また、からだの水分を補う食材(生津)、のどの渇きをいやす食材(止渇)、からだの余分な水分を排出する食材(利水)、余分な熱を取り除く食材(清熱)などを徐々にとり入れていくとよいでしょう。
ただし、生ものや冷たいもの、からだを非常に冷やす食材(スイカ、苦瓜、ナスなど)は冷えやすい人や、夕飯でたくさん食べるにはまだ早い時期です。
◆ 芦笋(アスパラガス):からだの水分代謝を調整する、余熱をとる
**食材の解説**
アスパラガスが日本に入ってきたのは江戸時代と言われていますが、当初は観賞用だったそうです。ギリシャでは薬用として紀元前より使われており、実は非常に古い食材です。
アスパラガスには、からだを潤す、のどの渇きを収める、余分な水分を排泄する、余分な熱をとる、通便をよくする、元気をつけるといった効能があり、まさに夏の備えに適した食材と言えるでしょう。
現代の栄養学では、免疫力の向上、抗酸化作用、抗がん作用、降圧作用などがあります。
なお、ホワイトアスパラは土寄せし日光に当てずに育てたものです。
グリーンアスパラもホワイトアスパラも、9種類の必須アミノ酸が含まれていますが、グリーンアスパラはβ−カロチン、ビタミンCが優れています。
からだを冷やす作用がありますので、極端に冷えやすい人や下痢をしているような人は、一度にたくさん食べ過ぎないようにした方がよいでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ トマト:からだを潤す、余分な熱をとる ▶︎ トマトの詳しい説明はこちら
◆ トマトケチャップ:心(しん)を養う
◆ 玉ねぎ:気の巡りをよくする、食欲不振を解消する
アスパラとトマトのケチャップライス
<材料> (2人分)
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炊いたごはん ・・・・ お茶碗2杯分
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アスパラガス ・・・・ 3本
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プチトマト ・・・・ 3個
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ベーコン ・・・・ 40g
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玉ねぎ ・・・・ 1/2個
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トマトケチャップ ・・・・ 大さじ3
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コンソメ(顆状) ・・・・ 小さじ1
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塩 ・・・・ 小さじ1/2
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黒こしょう ・・・・ 少々
<作り方>
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玉ねぎをみじん切りにする。アスパラ、トマト、ベーコンを5mm程度の厚さに切っておく。
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フライパンにオリーブオイルを大さじ1程度いれ、玉ねぎを透き通るまで炒める。
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ベーコンを炒め、アスパラ、トマトも炒める。
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3にコンソメを入れ、混ぜた後にごはんを入れ均一になるまで炒める。
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火を止め、トマトケチャップを入れて混ぜ、塩、黒こしょうで味を整える。
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