山芋ときのこの味噌チーズ焼き 秋の薬膳⑧
季節の変わり目を土用といいますが、土用は胃腸や粘膜などが弱りやすい時期です。
この時期にとりたいものの一つが発酵食品です。
チーズと味噌をいれて焼くだけなので、あと一品という時も役立つレシピです。
夏の土用にうなぎを食べる、という習慣は広くひろまっているものの、土用についてはあまり知られていないのではないでしょうか。
土用は、季節と季節の間に必ずあり、春の土用、夏の土用、秋の土用、冬の土用とそれぞれの季節にあります。
例えば今年の秋の土用は10月20日から11月6日までの18日間で、秋の季節を完成させ、冬へのバトンタッチを行う準備期間です。
土用の時期は、その季節を完成させるためますますその季節の養生を心がける必要があります。
更に、土用は胃腸や粘膜に負担がかかりやすい時期なので、特に胃腸を大事に過ごすことが大切です。
時々季節の変わり目に決まって体調を崩す方がいらっしゃいますが、その方は特に土用の間は胃腸をいたわってあげるとよいでしょう。
<土用の養生>
- 冷たいものや甘いものを極力避ける
- 暴飲・暴食をしない
- からだ(特に胃腸)を冷やさない
- 発酵食品をよくとる
- 黄色の食材を取り入れる
- 消化に良い食事を心がける
- ネバネバしたものや消化酵素のある食材を取り入れる
発酵食品は、胃腸(東洋医学の“脾")を養う食材です。
味噌、チーズ、納豆、漬け物などを日常的に取り入れるとよいでしょう。
また、料理には普通のお砂糖よりも発酵食品であるみりんを用いた方がよいでしょう。
山芋ときのこの味噌チーズ焼き
<食材のポイント>
◆ 味噌(みそ):胃腸を温める、解毒する
**食材の解説**
日本の食卓にはなじみ深い味噌ですが、洋食化に伴い食卓にのぼることがやや減り気味である一方、優れた発酵食品として注目されている食材でもあります。
もともと味噌は醤(ひしお)という調味料から発展したもので、豆と麹から作る味噌をはじめとした穀醤の他に、魚醤、肉醤などもあります。
味噌は、からだにこもった余分な熱を収め解毒する効果やストレスを解消する効果があるとされます。
また、肝臓や消化器の機能を高める効果があるとされています。
魚や肉、野菜などを味噌漬けにすることで毒を消すともあります。
現代の栄養学でも動脈硬化・高血圧・心臓病や骨粗しょう症の予防効果があり、老化防止に役立つとされており、他にも胃がんや乳がんなどがんの予防効果、胃潰瘍の予防、整腸作用などがあるとされています。
アミノ酸も豊富であり、脳を活性化させる作用と鎮静化させる作用があるため、朝食にみそ汁を飲むと、朝やる気の起きにくいうつ傾向を改善させます。
なお、味噌の菌を活かすには加熱しすぎない方がよいでしょう。
また、発酵食品同士は相性もよく、うま味もますので他の発酵食品と組み合わせるものよいです。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ チーズ:からだの余分な熱をとる
◆ 山芋:消化を良くする、元気をつける ▶︎詳細な説明はこちら
◆ しめじ:血液を補う、お通じをよくする
◆ エリンギ:からだを潤す
<材料> (2人分)
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山芋 ・・・・ 100g
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きのこ(お好みのもの)・・・・ 100g
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味噌 ・・・・ 大さじ1と1/2
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チーズ(溶けるタイプ)・・・・ 30g
<作り方>
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山芋は皮をむき、1cm程度の輪切りにする。きのこは石突きをとり、食べやすい大きさに切る。オーブントースター(またはオーブン)を温めておく。
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アルミホイルに油を薄くひき、山芋の並べ、その上に味噌を塗る。その上にきのこをのせ、チーズをかけ、アルミホイルを閉じる。
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オーブントースターで10分〜15分焼き、仕上げにアルミホイルを少しあけて焼き目をつける。
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