鶏と香味野菜の甘酢あえ 夏の薬膳
暑さによる熱中症対策はもちろんですが、からだも疲れがちなので食欲を落とさないことも大切です。
食材だけでなく調味料も工夫するとより夏の不調を防いでくれます。
酢は疲労回復効果や食欲と消化の促進効果があり、夏の養生にはかかせないものです。
本格的に暑くなってくるとさっぱりしたものが食べたくなります。
そうめんやひやむぎなどのどごしもよく食べやすいものがおいしくなりますが、その場合はできればしっかりおかずを摂ってほしいものです。
というのも暑さによりからだが非常に疲れてしまうので、その栄養補給をしっかりと行うことが真夏の養生では大切になるからです。
東洋医学では夏は気の消耗も激しい季節と考えます。
夏の盛りになると汗がたくさん出ますが、水分だけではなく気も一緒にでてしまうとされます。
水分補給だけでなく、からだを元気にしてくれるものも補っておかないと、気が不足してしまい、
- 疲労感が続く
- 頭がぼーっとする
- 眠りにくい
などの夏バテの症状がでることがあります。
食欲が落ちにくい方はしっかりとしたものをとっていただければ良いのですが、暑さで食欲が出にくいという方はお酢を使うと食欲と消化を促進させてくれます。
食べやすい工夫をして、タンパク質も夏野菜もしっかり摂るようにすると、夏バテも起こりにくくなります。
なお、すっぱい味のものは汗がですぎるのを防ぎ、疲労回復効果もあります。
夏のお食事には酢の物、ぬか漬けや梅干しなど酸味のあるものを取り入れるとよいでしょう。
また梅シロップや甘酢漬けなど、甘みと酸味が合わさった味はからだの水分を増してくれます。
脱水症状の予防にもよく、のどの渇きを効果的に癒してくれます。
鶏と香味野菜の甘酢あえ
<食材のポイント>
◆ 酢(す):血流を良くする、消化を促進する
**食材の解説**
調味料としてはもちろん、身近な健康食品の一つでもあるお酢ですが、世界にはなんと4000種類もお酢の種類もあるようです。
お酢はお酒を発酵させたもので、一般的な米酢や穀物酢のほか、黒酢、リンゴ酢、ワインビネガー、バルサミコ、モルトビネガーなどがあり、お酒の数だけお酢もあると言われます。
日本で作られ始めたのは4〜5世紀頃で、調味料として一般に広がったのは江戸時代になってからです。
お酢の効能は多く、主なものとしては
- 血の巡りを良くする
- 食欲や消化を促す
- 下痢を止める
- 魚や肉の毒を解消する
があります。
現代の研究でもさまざまな効能が認められており、疲労回復だけでなく、高血圧の抑制、血中脂質の低下、内臓脂肪を減らす効果やガンの抑制効果などもあります。
酢は殺菌効果も非常に優れているので、酢漬けにしたものは防腐剤なしでも痛みにくく保存食に適しています。
なお酢は酢酸という酸ですので、多くとりすぎると胃壁に刺激があります。
胃酸過多の方や胃炎、胃・十二指腸潰瘍のある方はとり過ぎや空腹時の摂取には気をつけてください。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 鶏肉:元気をつける、お腹を温める ▶︎詳しい説明はこちら
◆ きゅうり:からだにこもった熱を収め、むくみをとる ▶︎詳しい説明はこちら
◆ みょうが:解毒する
◆ しょうが:胃腸の働きを高める、解毒する
<材料>(2人分)
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鶏ささみ ・・・・ 100g
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きゅうり ・・・・ 1本
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みょうが ・・・・ 2個
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新しょうが ・・・・ 20g
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酢 ・・・・ 大さじ4
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しょうゆ ・・・・ 大さじ2
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ごま油 ・・・・ 大さじ1
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砂糖 ・・・・ 小さじ1
- 白ごま ・・・・ 適量
<作り方>
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鶏ささみは筋を取り、塩小さじ1を入れた鍋で30秒ほどゆで、火を止めて10分ほど蓋をして蒸らす。鶏ささみだけ取り出し、粗熱がとれたら肉をほぐす。
※ゆで汁は鶏の出汁がでてますので、捨てずにスープなどで召し上がってください。 -
みょうがは芯をとり千切りにし水にさらす。新しょうがも千切りにし水にさらす。きゅうりも千切りにする。
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2のみょうが、新しょうがをしっかり水をきり、きゅうりと鶏ささみを一緒に調味料であえる。器に盛ったら白ごまをひねりながらかける。
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