小松菜と木耳の鶏そぼろ炒め 冬の薬膳
冬は身体の内側を充実させる時期で滋養のあるものを特に摂りたい季節。
黒い食材は冬の臓器である腎を養ってくれます。
黒きくらげは代表的な食材の一つなので、積極的に取り入れてみてください。
冬は寒い時期ではありますが、寒さにより身体の表面を閉じ、身体の内側にエネルギーをたくわえ充実させる時期でもあります。
秋から食欲が増して、何だか身体が重くなったのでダイエットを…と考えたくもなりますが、この時期のダイエットはあまりおすすめできません。
身体としては栄養を蓄えて冬の寒さから身体を守りたいと思っています。植物が春に芽吹くのと同じように、私たちの身体も春になると外に向かって伸びようとするのですが、冬はその芽吹きのエネルギーを蓄える時期でもあります。
しかし、冬にダイエットなどの食事制限や激しい運動をしてしまうと、内にたくわえようとしていたエネルギーをきちんと蓄えることが出来ず、身体の芯を消耗してしまい、次の季節に体調を崩す原因ともなりかねません。
もし身体が重くなってきたな、と感じたら、無駄な間食や食べ過ぎは避けた方が良いですが、滋養のあるものはしっかりと摂っておいた方がよいでしょう。
冬の時期は蓄える時期と割り切り、ダイエットをするのは春まで待つのがよいです。
小松菜と木耳の鶏そぼろ炒め
<食材のポイント>
◆ 黒木耳、黒木海月(くろきくらげ)
:血行をよくし血液をきれいにする、肺や腸を潤す
**食材の解説**
コリコリとした食感が特徴の黒きくらげは中華料理ではよく用いられるものですが、日本ではまだまだなじみの薄い食材かもしれません。
最近は、生の黒きくらげも手頃な値段で見かけるようになり、しゃぶしゃぶや炒め物などに使う方もいるでしょう。
食感がクラゲに似ており、木に生えることから、木クラゲと呼ばれます。
また、形が耳に似ていることから「木耳」という漢字が当てられています。
クラゲというものの、広葉樹の枯れ木に生えるきのこの一種で、白きくらげもその仲間です。
東洋医学では、
- 血行を良くし、血液中にこもった熱を抑える
- 肺や胃を潤す
- 腸を丈夫にして便秘を解消する
といった働きがあります。
乾燥した便が出るような便秘の方、空咳が出る方によいでしょう。
また、貧血で乾燥しがちの方や血流が悪い方にもおすすめです。
黒い色の食材ですので、冬の臓器である腎も補ってくれます。
現代栄養学でも、抗がん作用、抗真菌作用、動脈硬化の予防作用があるとされています。
また、ビタミンやカルシウムが豊富に含まれていますが、シュウ酸の多いほうれん草や食物繊維の多いごぼうと一緒に摂るとカルシウムの吸収が阻害されてしまいます。
乾燥きくらげの栄養成分は、お湯で戻すと壊れてしまうので、出来れば冷水で戻した方が良いです。
なお、乾物も生のものも生食はできませんので、必ず火を通してから食べるようにしてください。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 小松菜:余分な熱をとりイライラを収める、便通を促す
◆ 鶏肉:気血を補う、胃腸を温める
<材料>(2〜3人分)
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小松菜 ・・・・ 1束
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黒きくらげ(生、または戻したもの) ・・・・ 50g
- 鶏ひき肉 ・・・・ 120g
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しょうが ・・・・ ひとかけ
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醤油 ・・・・ 大さじ1
<作り方>
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乾燥黒きくらげはあらかじめ戻しておく。小松菜は5cm程度に切る。黒きくらげはせん切りにする。生姜はみじん切りにする。
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フライパンに油をひき、生姜を炒め香りがたったら鶏肉を炒め、黒きくらげ、小松菜も加えて炒める。
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醤油を加え、塩こしょうで味を整える。
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