焼き林檎とイチジクのクリームチーズ 秋の薬膳
土用は胃腸が弱る期間なので甘いものは控えめが肝腎。
とはいえおいしいものが多い季節。
林檎とイチジクの自然の甘みをデザートで取り入れてください。
“土用”とは、季節を完成させて次の季節にバトンタッチする準備期間。
この時期は、東洋医学における脾、消化器官が疲れやすい時期です。
甘いものや冷たいもの、生ものが多くなると、消化機能が落ちて風邪をひきやすくなったりしがちな時期です。
特にこの時期体調を崩す方に、
「甘いものはしばらく控えた方がよいですよ」
とお伝えすることがあります。
すると非常に残念なお顔をされることが多いです。
しかしお伝えしているのは、あくまで“控えめに”ということ。
お友達とカフェにいってデザートを楽しんだり、たまに好きなお店でケーキを買ったり、というものまですべてやめなければいけないということではありません。
よくよく患者様のお話を聞いてみると、何となく食べている甘いものが多いようです。朝は時間がないのでコンビニで買った菓子パンで済ませ、
仕事をしながらチョコレートを食べ、
少し疲れたなとカフェで甘いカフェラテを飲み、
お夕飯の後に習慣としてアイスクリームを食べ、…
というパターンではないでしょうか?
せっかくの甘くおいしいものも、何となく、で無駄に食べてしまったら台無しだと思います。
上手に使えば、甘いものは場の空気を和ませてくれたり、気持ちを穏やかにしてくれるものです。
甘いものと上手につきあって、体調を崩さないようにしてください。
焼き林檎とイチジクのクリームチーズ
<食材のポイント>
◆ 林檎(りんご):肺や腸を潤す、胃を養う
**食材の解説**
林檎が赤くなると医者が青くなる、
ということわざがあるように、林檎は果物の中でもさまざまな効用があります。
東洋医学的には
- 体や肺を潤す
- 熱を取りイライラを収める
- 食欲を増し二日酔いを解消する
といった効果があります。
林檎は整腸作用と通便作用の両方の作用があるので、便秘の人でも下痢の人でも向く食材です。
果物のほとんどは体を冷やす性質ですが、果物の中でも温州みかん、ぶどう、林檎は体を冷やす作用が強くないので、冷え性の人でも食べやすいものです。
しかし、最近の果物は甘いものが多く、甘みが強いものは冷やす作用が強くなると考えてよいです。
甘みだけではなく、酸味とのバランスがとれたものを選ぶとよいと思います。
1978年に出された『食物ことわざ事典』で林檎に関することわざのコラムの末尾に、
「最近はバナナなどの甘いくだものに押され、林檎を食べる人が少なくなり、青森辺りではりんご園をつぶす農家などが多くなっています。酸味のあるものより甘味の多いものをうまいと感ずるようになった一例で、日本人の食味感覚が子ども舌になってきた証拠と言えましょう。」
とあり、この頃からすでに甘みを求める日本人の姿が伺えます。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ イチジク:胃腸を丈夫にする、肺を潤す、解毒する
◆ (クリーム)チーズ:肺や腸を潤す
◆ くるみ:肺を温める、腸を潤す
<材料>
-
林檎(大) ・・・・ 1/2個
-
イチジク ・・・・ 1個
<作り方>
-
林檎は芯と皮をむき、1センチ程度に切る。イチジクは皮をむき、8等分にする。クルミは粗く砕いておく。
-
耐熱容器に林檎とイチジクを並べる。温めたトースターかオーブン(200度程度)で、林檎とイチジクがしんなりするまで10分程度焼く。
*** 秋におすすめの薬膳レシピ ***
yakuzen-gohan.hatenablog.com