長ねぎの豚肉巻き 冬の薬膳
寒さも一段とまして風邪も流行る時期です。
寒さ対策も大切ですが、風邪予防には甘いものを控えることも大切。
甘さ控えめに作る肉巻き、長ねぎを使った風邪に負けないレシピです。
正月が過ぎるともっとも寒い時期に突入すると同時に、冬の土用にも入り冬という季節を完成させて春に移行する時期になります。
この頃、寒さや乾燥から来る風邪やインフルエンザ、ノロウイルスなどが大流行する時期でもあります。
また早い人だと花粉症の症状が出始める時期でもあります。
どれをとっても大敵なのは甘いもの。
ケーキやクッキー、アイスクリーム、チョコレート、菓子パン、甘いコーヒー飲料、ジュース…
などなど日常的に甘いものを食べることが簡単なので、朝食やおやつ、仕事や勉強をしながらつまんだり、食後に食べたりと習慣化している方も多いでしょう。
適量の甘いものは確かに気持ちをやわらげ、ストレスを緩和させてくれますが、あまりに多いと胃腸の働きが落ちてしまいます。
東洋医学では甘いものは、胃腸に湿気をため、消化不良や栄養吸収の妨げになると考えます。
また、胃腸だけでなく内蔵全体を冷やしてしまい、どちらも免疫力の低下につながり、風邪をひきやすくなったり、花粉症などのアレルギー症状を引き起こしやすくなります。
特にジュースやアイスクリームは物理的にも冷たいのでより胃腸の機能が落ち、内蔵を冷やしてしまいます。
食事でもお砂糖を使わずにすることも一つです。
みりんや甘酒など発酵食品の甘さは胃腸に負担をかけないのでおすすめです。
せめて冬の土用の期間(2018年は1月17日〜2月3日)だけでも、いつもより甘いものを控えて風邪やインフルエンザにかからないよう過ごしてみてください。
長ねぎの豚肉巻き
<食材のポイント>
今回のレシピで使っている食材
◆ 長葱:冷えから来る風邪を発散させる、冷えをとる ▶︎ 食材の説明はこちら
◆ 豚肉:身体を潤す、空咳を止める、腎を補う ▶︎ 食材の説明はこちら
◆ 黒胡椒:お腹を温める、気の巡りを良くする
<材料>(2人分)
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豚肉 ・・・・ 180g
-
長ネギ ・・・・ 1本
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エリンギ ・・・・ 50g
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片栗粉 ・・・・ 適量
-
塩 ・・・・ 少々
-
黒胡椒 ・・・・ 少々
(たれ)
-
醤油 ・・・・ 大さじ1
-
みりん ・・・・ 大さじ1
-
酒 ・・・・ 大さじ1
<作り方>
-
長ねぎは5cm程度に切りそろえ、半分に切る。エリンギも5cm程度にきる。
-
長ねぎの間にエリンギをはさみ、豚肉で巻き、片栗粉をまぶす。
-
油をひいたフライパンで2を焼き目がつくまでまんべんなく焼いたら、たれをかけて全体を絡める。塩、胡椒で味を整える。
**** 冬におすすめの薬膳レシピ ****
蓮根の鶏皮炒め 冬の薬膳
秋冬は乾燥し、肌も潤いがなくなりがち。
東洋医学には以蔵補臓という考えがありますが、肌が乾燥しやすい時期は鶏の皮がおすすめ。
適度に脂質を摂ることで乾燥から体を守ってくれます。
冬至に向けいよいよ日も短くなり、本格的な冬の寒さになってきました。
今年はいつも以上に寒く、冷え対策を日頃から行いたいものです。
空気も乾燥しているので、肌が乾燥してかゆくなったり、ささくれたりしている人もいるかと思います。
東洋医学では、皮膚がカサカサして荒れていたり、手指がひび割れていたりすると、免疫力が落ちており、そこから風邪やアレルギー物質が入ると考えます。
日常的に保湿クリームなど外から保護することも有効ですが、根本的には体の中からケアすることが大切です。
肌荒れ、特に乾燥には適度な脂質やぷるぷるした食感のものを取ることが大切です。
<肌の保湿にとりたいもの>
鶏や豚の皮、バター、ナッツ類、ごま、はちみつ、白きくらげ、
発酵食品、きのこ類 など
時々、鶏の皮や肉の脂身をすべて除く方がいらっしゃいますが、適度な脂質を取っておかないと皮膚も身体もカサカサに乾燥してしまいます。
秋冬の時期は適度に脂質もとるように心がけてください。
また、以臓補臓(いぞうほぞう)の考えからも、鶏や豚の皮、魚の皮などは食べた方が良いです。
発酵食品やきのこ類は腸内環境を良くするためにとりたいものです。
東洋医学では、肌と大腸はつながっていると考え、お通じを良くすることは肌のトラブルの改善につながります。
花粉症の方は、花粉も指先から入ってきますので、今の時期からしっかりとケアしたいものです。
蓮根の鶏皮炒め
<食材のポイント>
◆ 鶏皮(とりかわ):肌に潤いをだす
**食材の解説**
肌の美容に良いとされます。
鶏の皮膚組織は水分を除くと70%がコラーゲンです。
コラーゲンは、
- つややかな皮膚や髪の毛をつくる
- 軟骨や細胞、組織をつなぎ、機能の活性を促す
- 目を良くする
- 老化を防止する
などの効能があります。
一方で、皮の下に脂肪が多くついていますので、 皮は食べない、という方もいらっしゃいますが、余分な脂肪はともかく皮は上手に利用してほしいものです。
余分な脂肪を除いて調理したり、スープで使う時は一度煮出してから冷やし、表面に固まった油だけ取り除くという方法もあります。
コラーゲンをサプリなどでとるよりは、食物からとった方がおいしく、吸収も高まりますので、鶏も皮まで無駄にせず使ってみてください。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 蓮根: 胃腸を丈夫にする、余分な熱をとりながら血行を良くする
◆ 黒胡椒:お腹を温める、気の巡りを良くする
<材料>(2人分)
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鶏皮 ・・・・ 50g
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蓮根 ・・・・ 70g
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塩 ・・・・ 小さじ1/3
- 黒胡椒 ・・・・ 少々
<作り方>
-
鶏皮は食べやすい大きさに切る。蓮根は薄めの乱切りにする。
-
フライパンを熱し、鶏皮を油が出て焼き目がつくまでよく炒める。
-
2に蓮根を入れて炒め、火が通ったら塩、黒胡椒で味付けをする。
**** 冬におすすめの薬膳レシピ ****
yakuzen-gohan.hatenablog.com
小松菜と木耳の鶏そぼろ炒め 冬の薬膳
冬は身体の内側を充実させる時期で滋養のあるものを特に摂りたい季節。
黒い食材は冬の臓器である腎を養ってくれます。
黒きくらげは代表的な食材の一つなので、積極的に取り入れてみてください。
冬は寒い時期ではありますが、寒さにより身体の表面を閉じ、身体の内側にエネルギーをたくわえ充実させる時期でもあります。
秋から食欲が増して、何だか身体が重くなったのでダイエットを…と考えたくもなりますが、この時期のダイエットはあまりおすすめできません。
身体としては栄養を蓄えて冬の寒さから身体を守りたいと思っています。植物が春に芽吹くのと同じように、私たちの身体も春になると外に向かって伸びようとするのですが、冬はその芽吹きのエネルギーを蓄える時期でもあります。
しかし、冬にダイエットなどの食事制限や激しい運動をしてしまうと、内にたくわえようとしていたエネルギーをきちんと蓄えることが出来ず、身体の芯を消耗してしまい、次の季節に体調を崩す原因ともなりかねません。
もし身体が重くなってきたな、と感じたら、無駄な間食や食べ過ぎは避けた方が良いですが、滋養のあるものはしっかりと摂っておいた方がよいでしょう。
冬の時期は蓄える時期と割り切り、ダイエットをするのは春まで待つのがよいです。
小松菜と木耳の鶏そぼろ炒め
<食材のポイント>
◆ 黒木耳、黒木海月(くろきくらげ)
:血行をよくし血液をきれいにする、肺や腸を潤す
**食材の解説**
コリコリとした食感が特徴の黒きくらげは中華料理ではよく用いられるものですが、日本ではまだまだなじみの薄い食材かもしれません。
最近は、生の黒きくらげも手頃な値段で見かけるようになり、しゃぶしゃぶや炒め物などに使う方もいるでしょう。
食感がクラゲに似ており、木に生えることから、木クラゲと呼ばれます。
また、形が耳に似ていることから「木耳」という漢字が当てられています。
クラゲというものの、広葉樹の枯れ木に生えるきのこの一種で、白きくらげもその仲間です。
東洋医学では、
- 血行を良くし、血液中にこもった熱を抑える
- 肺や胃を潤す
- 腸を丈夫にして便秘を解消する
といった働きがあります。
乾燥した便が出るような便秘の方、空咳が出る方によいでしょう。
また、貧血で乾燥しがちの方や血流が悪い方にもおすすめです。
黒い色の食材ですので、冬の臓器である腎も補ってくれます。
現代栄養学でも、抗がん作用、抗真菌作用、動脈硬化の予防作用があるとされています。
また、ビタミンやカルシウムが豊富に含まれていますが、シュウ酸の多いほうれん草や食物繊維の多いごぼうと一緒に摂るとカルシウムの吸収が阻害されてしまいます。
乾燥きくらげの栄養成分は、お湯で戻すと壊れてしまうので、出来れば冷水で戻した方が良いです。
なお、乾物も生のものも生食はできませんので、必ず火を通してから食べるようにしてください。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 小松菜:余分な熱をとりイライラを収める、便通を促す
◆ 鶏肉:気血を補う、胃腸を温める
<材料>(2〜3人分)
-
小松菜 ・・・・ 1束
-
黒きくらげ(生、または戻したもの) ・・・・ 50g
- 鶏ひき肉 ・・・・ 120g
-
しょうが ・・・・ ひとかけ
-
醤油 ・・・・ 大さじ1
<作り方>
-
乾燥黒きくらげはあらかじめ戻しておく。小松菜は5cm程度に切る。黒きくらげはせん切りにする。生姜はみじん切りにする。
-
フライパンに油をひき、生姜を炒め香りがたったら鶏肉を炒め、黒きくらげ、小松菜も加えて炒める。
-
醤油を加え、塩こしょうで味を整える。
**** 冬におすすめの薬膳レシピ ****
さつま芋とりんごの白和え 秋の薬膳
秋は肺、大腸、皮膚のトラブルが多い時期。お通じを良くしておくも秋の養生の一つです。
これからおいしくなるさつま芋もりんごも大腸の調子を整えてくれるもの。
身体を潤してくれる豆腐と白ごまも加えた白和えはこの時期におすすめのおかずです。
何かと忙しいとついつい身体のことはおざなりになりがちですが、できれば体調を崩す前に身体が発するサインに気がつけると早めの対処ができて大きな乱れを防ぐことがでいます。
身体のバランスをみる簡単な目安として、この4つが整っていればおおむね健康といえます。
- 食欲がある
- 心地よく眠れる
- 呼吸が楽にできる
- 大小便が快調である
もしどれかが乱れているようであれば、整えるよう心がけるだけでちょっとした不調は改善することもできます。
特に秋の季節は、呼吸器と大腸に不調が出やすくなります。
東洋医学では、秋に負担がかかる臓器が肺としていますが、同時に肺と関連する臓器である大腸や皮膚もトラブルが多くなる時期と考えます。
最近は腸内環境の乱れが肌荒れと関係することもよく知られるようになりましたが、東洋医学では昔からそのことを経験的に知っていたのでしょう。
小児の空咳が便秘と関係することもよくあり、便通が良くなると空咳も収まることがよくみられます。
実際、秋には皮膚の乾燥が出始めたり、便秘になる方も増えますので、お通じを良くすることは秋の養生で気をつけたいことの一つです。
便秘は悩む方も多い身近な不調の一つです。
東洋医学的に考えると便秘にはさまざまなタイプがあり、それぞれアプローチが異なりますので、詳しくは→こちら(便秘の薬膳)も参照してください。
さつま芋とりんごの白和え
<食材のポイント>
◆ 薩摩芋・甘藷(さつまいも・かんしょ)
:胃腸を丈夫にして元気にする、便通を促す
**食材の解説**
薩摩芋は、江戸時代に中国より伝来し、薩摩で栽培されたことと言われており、関東では薩摩芋、九州では唐芋と呼ばれます。
その品種は世界で3000〜5000種もあり、日本でも紅あづま、なると金時、シルクスイート、安納芋、紫芋などさまざまな種類が流通しています。
東洋医学では、
- 胃腸を丈夫にして元気をつける
- 胃腸の働きを回復させ、唾液などの分泌を促進する
- 便通を促す
など胃腸の働きを良くし元気にしてくれる食べ物とされています。
陰陽のバランスのとれたものですので、胃腸のあまり強くない方や高齢の方、お子さんにもよく、特に痩せて便秘の方におすすめです。
逆に、気の巡りが悪く便秘になるタイプの方は、食べ過ぎるとお腹が張ってしまうので控えめにした方がよいでしょう。
寒い季節に食べる石焼き芋は甘くておいしいものですが、これはさつま芋の糖化酵素によりいっそうおいしくなっています。
60度くらいでゆっくり加熱するとデンプンが酵素により分解され糖に変わるため、甘さが増し、さらに消化吸収を促進します。
また、さつま芋には女性ホルモンの排出を促すビタミンEや食物繊維、ビタミンC、ポリフェノールなどが含まれており、美肌効果や整腸作用などがあり女性にはうれしい食べ物です。
食物繊維もポリフェノールも皮に多く含まれ、さらにヤラピンという腸の蠕動運動を促進する物質も多く含まれていますので、皮ごと食べる方がよいでしょう。
一方、食欲を増す作用もあり、消化もよく栄養価も豊富なため、太りやすい食べ物とも言えますので、食べ過ぎには注意したいところです。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ りんご:肺を養う、熱をとる、便通を促す
◆ 豆腐:内蔵を潤す、余分な熱をとる、老廃物を排出する →詳しい食材の説明はこちら
◆ 白ごま:肺や腸、皮膚を潤す →詳しい食材の説明はこちら
◆ (白)味噌:身体の余分な熱をとる、解毒する、胃腸を養う →詳しい食材の説明はこちら
<材料>(2〜3人分)
-
さつま芋 ・・・・ 80g
-
りんご ・・・・ 1/4個
- 白ごま ・・・・ 少々
(あえ衣)
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(木綿)豆腐 ・・・・ 1/3丁
-
白練りごま ・・・・ 大さじ2/3
-
(白)味噌 ・・・・ 小さじ1
-
砂糖 ・・・・ 小さじ1/2
-
(薄口)しょうゆ ・・・・ 小さじ1/2
-
塩 ・・・・ 少々
※ りんご、さつま芋の甘みにより砂糖などは調整してください。
<作り方>
-
豆腐は水切りをしておく。さつま芋は蒸して小さめの乱切りにする。りんごも小さめの乱切りにする。
-
あえ衣をフードプロセッサーまたはすり鉢で混ぜる。
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1と2をあえ器に盛り、白ごまを添える。
**** 秋におすすめの薬膳レシピ ****
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菊花のいなり寿司 秋の薬膳⑩
秋分も過ぎ、いよいよ本格的な秋の到来です。
9月9日の菊の節句でも用いられる菊はこの時期からぜひ取り入れてほしい薬膳食材の一つ。
のどの痛みや目の充血などによい菊花を甘酢漬けにし、いなり寿司にしました。
秋分は昼と夜の長さがほぼ同じになる時期。
自然の陰陽のバランスも穏やかですので、心身ともに穏やかに過ごしやすい時期です。暑さで夏の間はスポーツや外出する気になれなかった方も、この時期に空気や景色のきれいなところを散策したり、美術館巡りをしたりすることがおすすめです。
秋は春・夏で取り入れたものから余分なものを削ぎ落とし、冬に向け蓄えていく時期。
散歩やストレッチなど、軽い運動がオススメです。
また、秋は精神的にも養うと良い時期とされていますので、きれいな景色や文化的なものに触れるとよいでしょう。
一方で、この時期から気をつけたいのはのどの風邪。
日中はまだ暑さを感じるものの、朝夕は肌寒くなってきて、風邪の方も多くなってきました。
菊の花は、のどの痛みからくる風邪の予防などに良い食材で、薬膳でもよく使われます。
下ごしらえも簡単ですので、食卓の彩りも華やかになりますので、ぜひ取り入れてみてください。
菊花のいなり寿司
<食材のポイント>
◆ 菊花(きくか):熱を取る、解毒する
**食材の解説**
お刺身のツマ以外でお目にかかったことがないという方も多いかもしれません。
東北地方では比較的食べられているそうで、色鮮やかな花びらは実はさまざまな薬効があり、薬膳でも重宝される食材の一つです。
菊の花の薬効としては、
- 風邪による発熱、頭痛、咳、喉の炎症を抑える
- 頭がのぼせるような場合の目のかすみ、目の充血を抑える
- 吹き出物や皮膚の赤み・腫れをとる
などがあります。
風邪のひき始めの喉の痛み、のぼせによる頭痛・目の充血、高血圧の予防などに用いるとよく、目のかすみや充血に枸杞の実とあわせてお茶にする薬膳茶や杞菊地黄丸という漢方薬が有名です。
また、毛細血管拡張効果があるので、血圧降下作用があるとされます。
食用菊は、観賞用の菊を食用に選抜・改良したもので、シャキシャキとした食感で苦みが少なく、黄色やピンクのものがあります。
10月が最もよく出回り、秋のものは風味も香りも良いです。
菊花は中国では秋の養生の一つとしてお茶でいただくことが多いです。
他には、おひたし、あえもの、酢の物、お吸い物、天ぷら、サラダなどにして食べます。
生のままですと日持ちしませんが、甘酢漬けにすると日持ちするので秋の常備菜としておいておくのも良いです。
また、生のものだけでなくのし菊、干し菊など乾燥したものもあるので、のぼせやすい方や喉の痛みが出やすい方などは乾物でおいておくのもよいでしょう。
菊の節句と言えば、9月9日は重陽の節句で日本には平安時代に伝えられたと言われます。
霊が宿ると考えられていた菊を酒に浮かべて酌み交わし、邪気を払い、長寿を願ったそうで、菊の節句とも言われます。
重陽の節句の頃ですと出回る量もまだ少ないですが、お月見や行楽など秋の行事に一花そえるのもおすすめです。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 蓮根:胃腸の働きを良くする、身体や肺・皮膚を潤す
<材料>(菊花と蓮根の甘酢漬け)
-
菊の花 ・・・・ 1パック
-
蓮根 ・・・・ 7cm程度
(甘酢)
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酢 ・・・・ 200ml
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砂糖 ・・・・ 大さじ6
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塩 ・・・・ 小さじ1.5
<作り方>
-
甘酢の材料をあらかじめ混ぜておく。
-
菊の花は花びらだけむしり、熱湯で1分ほど茹でる。蓮根は薄いいちょう切りにし、酢を入れた熱湯にさっと通す。
-
2の菊花と蓮根の水気を絞り、1の甘酢につける。
<材料>(いなり寿司)
-
炊いたごはん ・・・・ 2合
-
いなりあげ(味付き) ・・・・ 10〜12枚
(すし酢)
- 酢 ・・・・ 60ml
-
砂糖 ・・・・ 大さじ2
-
塩 ・・・・ 小さじ1
<作り方>
-
すし酢はあらかじめ混ぜておく。いなりあげは酢飯を入れやすいようあらかじめ中を開いておく。
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炊きたてのごはんに酢飯を混ぜる。菊花と蓮根の甘酢漬けを軽く汁気をとり、好みの量を混ぜる。
-
2をいなりあげの中に詰める。
**** 秋におすすめの薬膳レシピ ****
茄子の肉味噌のせ 秋の薬膳⑨
立秋を迎えると夏から秋へと少しずつ季節が移っていきます。
食事も単純に身体を冷やすだけでなく、冷やしすぎない工夫を取り入れるとよいです。
身体の余分な熱を摂るのに優れた茄子は、冷えすぎないよう薬味と一緒にとるのがおすすめです。
立秋を過ぎると少しずつ秋の気配が近付いてきます。
この頃を境に、夜お腹を出して寝ていると寝冷えするなど涼しさも入ってくるようになるのです。
食事も同じく暑さを摂るだけのものだと身体を冷やしすぎてしまいますので、余分な熱は取りながらも冷えすぎない工夫が必要です。
秋なすは嫁に食わすな、と言いますが、これは意地悪ではなく早く子宝に恵まれてほしいお嫁さんに身体を冷やしすぎないよう気遣ったものという説もあります。
暑さの盛りにしっかりと身体の熱をとるものを取っておけば、涼しくなってからは自然と欲しくなくなるものです。
今はスーパーに行けば季節を問わずきゅうり、トマト、なす、レタスなどが年中手に入りますが、本来これらの野菜は夏が旬なものです。
夏が旬の食べ物は身体を冷やす作用が強いので、冬にたくさん食べると冷え性の原因になることもあります。
今は残暑も厳しいですので9月あたりまでは多めに食べても良いと思いますが、立秋以降は冷えすぎないよう薬味や身体を温める食材と組み合わせたり、加熱して温かい状態で取ったりするとよいでしょう。
もちろん、アイスクリームやかき氷、冷たい飲み物もお腹が冷える原因になりますので、特に夜は控えめにした方がよいでしょう。
<身体を冷やす食材の例>
- すいか
- バナナ
- パイナップル
- マンゴー
- パパイヤ
- メロン
- にがうり(ゴーヤ)
- トマト
- 茄子
- きゅうり
<身体を温める食材の例>
- ニンニク
- 唐辛子
- 生姜
- ニラ
- ねぎ
- 紫蘇
- 酒
- 胡椒
茄子の肉味噌のせ
<食材のポイント>
◆ 豚肉:からだを潤す、疲労回復する
◆ 茄子:熱をとる、解毒する、利尿作用 ▶︎ 詳しい説明はこちら
◆ 生姜:解毒する、食欲を増す
◆ はちみつ:解毒する、肌や肺を潤す ▶︎ 詳しい説明はこちら
◆ 味噌:胃腸を温める、解毒する ▶︎ 詳しい説明はこちら
◆ 紫蘇:解毒する
◆ 白ごま:肺を潤す、便通を促す
<材料>(2〜3人分)
-
茄子(大) ・・・・ 2本
-
豚ひき肉 ・・・・ 100g
-
生姜(みじん切り) ・・・・ 大さじ1
-
味噌 ・・・・ 大さじ3
-
みりん ・・・・ 大さじ3
-
はちみつ ・・・・ 大さじ1.5
- 白ごま ・・・・ 大さじ1
-
紫蘇 ・・・・ 2〜3枚
<作り方>
-
茄子は1cm程度の厚みに切り、表面に格子状に切り込みを入れる。生姜はみじん切りにする。味噌、みりん、はちみつは混ぜておく。紫蘇は千切りにしておく。
-
フライパンに油を多めにひき、茄子を両面焼き目が付くまで焼き、お皿に盛る。
-
フライパンに油と生姜を入れ、香りがたったら豚肉を火が通るまで炒める。1の味噌、みりん、はちみつをいれ、白ごまを入れて混ぜたら2の茄子の上にのせ、紫蘇を添える。
**** 秋におすすめの薬膳レシピ ****
春雨の酸辣スープ 夏の薬膳
湿気が多い時やクーラーの部屋に長くいると夏でも汗がかけないこともあり、熱中症の原因ともなります。
酸味と辛味を組み合わせた味は、適度に汗もかきつつ出過ぎないようにしてくれます。
食欲も増し夏バテの予防にもなる酸辣スープは、夏の時期におすすめです。
夏はたくさん汗をかく季節ですが、現代の生活では汗をかくシーンが少なくなっています。
熱中症の予防には、まず汗をかせる状態にしておくことが大切です。
オフィスや電車、飲食店などあらゆるところでクーラーが効いています。
快適ではありますし、本当に暑いときには必要なものですが、空調の効いた環境にいる時間が長くなると、汗をかきにくい身体になってしまいます。
夏は汗で暑さを発散するために、冬に比べ汗腺は開いた状態になり、汗をかくスタンバイをしているのが正常な状態です。
しかし、クーラーなどの冷気が当たると、毛穴は身体の中に冷気が入らないように固く閉じてしまいます。
すると汗腺は閉じるのが常になってしまい、暑さを感じでも汗腺がなかなか開かず、体温調整が難しくなってしまいます。
普段汗をかくのに馴れていない方は、ちょっとした暑さでも熱中症になりやすくなってしまいます。
熱中症は意識を失うレベルまでいかなくても、初期の段階で頭痛や吐気、頭ののぼせなどの症状があります。
また、夏に口内炎や目の充血、風邪ではないのどの痛み、そわそわして眠れないなどの症状は熱中症予備軍です。
普段仕事などで汗をかけない方は、
- 休日の涼しい時間帯に散歩をする
- エアコンを切る時間帯をつくる
など無理のない範囲で汗をかくことを心がけてみてください。
なお、空調で冷えた時や湿気で汗が出にくい時は辛いものを適量摂ることも一時的には効果があります。
酸味を加えると、酸味の収斂作用によって必要以上に発汗を促さず、適度に汗をかくことが出来ます。
食欲がない時も酸味と辛味の組み合わせはよいですので、食べ物でも工夫するとよいでしょう。
春雨の酸辣スープ
<食材のポイント>
◆ 緑豆春雨:熱を取る、解毒する、利尿する
**食材の解説**
緑豆は夏場に摂りたいものの代表で、中国では緑豆のお汁粉が缶でも売っており、暑さを感じると外出先でも飲むそうです。
緑豆は日本ではあまりなじみがありませんが、緑豆をつかったもので身近なものはあります。
緑豆春雨と緑豆もやしです。
緑豆そのものを摂るよりも効果は薄れますが、緑豆春雨には
- 余分な熱を取る作用
- 解毒する作用
- 利尿作用
などがあります。
春雨は、豆や芋のでんぷんを利用して作られた麺で、日本産のものはさつま芋やじゃがいものでんぷんを使って作られています。
一方、緑豆春雨は緑豆のでんぷんを使っており、主に中国で作られているものになります。
緑豆春雨は他の春雨に比べ、コシがあり、熱に溶けにくい性質を持っています。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 豚肉:からだを潤す、疲労回復する
◆ 緑豆もやし:熱をとる、解毒する、利尿作用 ▶︎ 詳しい説明はこちら
◆ 椎茸:元気をつける
◆ ニンニク:解毒する
◆ 生姜:食欲を増す、解毒する
◆ 豆板醤:解毒する、胃腸を良くする
◆ 香菜:消化を促す
<材料>(2人分)
-
緑豆春雨 ・・・・ 40g
-
豚ひき肉 ・・・・ 100g
-
生椎茸(小) ・・・・ 3個
-
もやし ・・・・ 100g
-
生姜 ・・・・ ひとかけ
-
ニンニク ・・・・ ひとかけ
(スープ)
- 水 ・・・・ 500ml
-
中華スープ ・・・・ 大さじ1/2
-
豆板醤 ・・・・ 小さじ1/2
-
酢 ・・・・ 大さじ2
-
醤油 ・・・・ 小さじ1
-
塩 ・・・・ 小さじ1/2
<作り方>
-
鍋に油をひきみじん切りにしたニンニク、生姜を香りがたつまで炒め、豚ひき肉を炒める。
-
薄切りした椎茸ともやしを加えたら、スープの材料を加える。煮立ったら春雨を加えて火が通るまで煮る。
-
2を器に盛り、お好みで香菜を加える。
**** 夏におすすめの薬膳レシピ ****
鶏と香味野菜の甘酢あえ 夏の薬膳
暑さによる熱中症対策はもちろんですが、からだも疲れがちなので食欲を落とさないことも大切です。
食材だけでなく調味料も工夫するとより夏の不調を防いでくれます。
酢は疲労回復効果や食欲と消化の促進効果があり、夏の養生にはかかせないものです。
本格的に暑くなってくるとさっぱりしたものが食べたくなります。
そうめんやひやむぎなどのどごしもよく食べやすいものがおいしくなりますが、その場合はできればしっかりおかずを摂ってほしいものです。
というのも暑さによりからだが非常に疲れてしまうので、その栄養補給をしっかりと行うことが真夏の養生では大切になるからです。
東洋医学では夏は気の消耗も激しい季節と考えます。
夏の盛りになると汗がたくさん出ますが、水分だけではなく気も一緒にでてしまうとされます。
水分補給だけでなく、からだを元気にしてくれるものも補っておかないと、気が不足してしまい、
- 疲労感が続く
- 頭がぼーっとする
- 眠りにくい
などの夏バテの症状がでることがあります。
食欲が落ちにくい方はしっかりとしたものをとっていただければ良いのですが、暑さで食欲が出にくいという方はお酢を使うと食欲と消化を促進させてくれます。
食べやすい工夫をして、タンパク質も夏野菜もしっかり摂るようにすると、夏バテも起こりにくくなります。
なお、すっぱい味のものは汗がですぎるのを防ぎ、疲労回復効果もあります。
夏のお食事には酢の物、ぬか漬けや梅干しなど酸味のあるものを取り入れるとよいでしょう。
また梅シロップや甘酢漬けなど、甘みと酸味が合わさった味はからだの水分を増してくれます。
脱水症状の予防にもよく、のどの渇きを効果的に癒してくれます。
鶏と香味野菜の甘酢あえ
<食材のポイント>
◆ 酢(す):血流を良くする、消化を促進する
**食材の解説**
調味料としてはもちろん、身近な健康食品の一つでもあるお酢ですが、世界にはなんと4000種類もお酢の種類もあるようです。
お酢はお酒を発酵させたもので、一般的な米酢や穀物酢のほか、黒酢、リンゴ酢、ワインビネガー、バルサミコ、モルトビネガーなどがあり、お酒の数だけお酢もあると言われます。
日本で作られ始めたのは4〜5世紀頃で、調味料として一般に広がったのは江戸時代になってからです。
お酢の効能は多く、主なものとしては
- 血の巡りを良くする
- 食欲や消化を促す
- 下痢を止める
- 魚や肉の毒を解消する
があります。
現代の研究でもさまざまな効能が認められており、疲労回復だけでなく、高血圧の抑制、血中脂質の低下、内臓脂肪を減らす効果やガンの抑制効果などもあります。
酢は殺菌効果も非常に優れているので、酢漬けにしたものは防腐剤なしでも痛みにくく保存食に適しています。
なお酢は酢酸という酸ですので、多くとりすぎると胃壁に刺激があります。
胃酸過多の方や胃炎、胃・十二指腸潰瘍のある方はとり過ぎや空腹時の摂取には気をつけてください。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 鶏肉:元気をつける、お腹を温める ▶︎詳しい説明はこちら
◆ きゅうり:からだにこもった熱を収め、むくみをとる ▶︎詳しい説明はこちら
◆ みょうが:解毒する
◆ しょうが:胃腸の働きを高める、解毒する
<材料>(2人分)
-
鶏ささみ ・・・・ 100g
-
きゅうり ・・・・ 1本
-
みょうが ・・・・ 2個
-
新しょうが ・・・・ 20g
-
酢 ・・・・ 大さじ4
-
しょうゆ ・・・・ 大さじ2
-
ごま油 ・・・・ 大さじ1
-
砂糖 ・・・・ 小さじ1
- 白ごま ・・・・ 適量
<作り方>
-
鶏ささみは筋を取り、塩小さじ1を入れた鍋で30秒ほどゆで、火を止めて10分ほど蓋をして蒸らす。鶏ささみだけ取り出し、粗熱がとれたら肉をほぐす。
※ゆで汁は鶏の出汁がでてますので、捨てずにスープなどで召し上がってください。 -
みょうがは芯をとり千切りにし水にさらす。新しょうがも千切りにし水にさらす。きゅうりも千切りにする。
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2のみょうが、新しょうがをしっかり水をきり、きゅうりと鶏ささみを一緒に調味料であえる。器に盛ったら白ごまをひねりながらかける。
**** 夏におすすめの薬膳レシピ ****
レタスのアンチョビ炒め 夏の薬膳
日本の夏は暑さだけでなく湿気も多いので、むくみや胃腸の不調も起こりがちです。
特に梅雨の時期は湿気が多いので、身体にも湿気がたまりにくいよう気をつけるとよいです。
初夏においしくなるレタスは身体の余分な湿気を取り除いてくれます。
日本の夏は、暑さだけでなく湿気への対応も大切です。
梅雨に入ると雨も多くなり、湿度も高くなりますが、その環境で過ごす私たちの身体も湿気をためやすくなってしまいます。
東洋医学では、湿気で身体の不調をよぶものを"湿邪(しつじゃ)”と呼びます。
身体に余分な水分をためてしまう原因のほとんどは、食べ物や飲み物によるものです。
湿邪を呼ぶ代表的なものを挙げると、以下の3つです。
- 甘いもの
- 冷たいもの
- 生もの
例えば、アイスクリーム、冷たいジュース、よく冷えたビール、お刺身、生野菜などです。
暑さに身体が慣れていない初夏の時期はついつい冷たいものに手が伸びがちですが、
- 梅雨時期の不調がみられる方
- むくみやすい方
- 胃腸の調子が悪いとき
は、湿邪を呼ぶ食べ物は控えた方がよいでしょう。
身体に湿気をためるとむくみだけでなく、胃腸の不調や頭痛、身体の重だるさなどの症状が出ます。
また、身体の余分な水分がたまっている状態になると、熱中症や夏バテにもかかりやすくなりますので、初夏から梅雨の時期に水分代謝をスムーズにし、余分な水分がたまらないようコンディションを整えておくと、夏がスムーズに乗り切れます。
特に湿邪がたまると胃腸も弱くなり、梅雨時期には食べ物にもあたりやすくなるので十分注意しましょう。
レタスのアンチョビ炒め
<食材のポイント>
◆ レタス(萵苣・ちしゃ):利尿作用がある、余分な熱をとる
**食材の解説**
レタスは日本ではサラダなど生で食することが多いですが、中華ではスープやチャーハンなどの炒め物などにも用いられます。
レタスは萵苣(ちしゃ)ともいい、
- 利尿作用
- 通乳作用
- 熱を取り解毒する作用
があるとされています。
特に産後の母乳の出が悪いときや、むくみに用いられたりします。
レタスの茎を切ると乳白色の液体が出てきますが、見た目からも通乳作用を連想させたのでしょう。
熱をとる作用があるので冷え性の方は控えめにしたり、加熱してとるなど工夫した方が良いでしょう。
レタスの95%は水分で、カリウムや鉄、カロチン、ビタミンCやEが含まれます。
レタスは加熱すると独特の苦みが減り甘みが増し、かさが減りたくさん食べることも出来ますので、スープや炒め物などにも使うと良いでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ アンチョビ(片口鰯):気血の流れをよくする▶︎詳しい説明はこちら
◆ ニンニク:解毒する
<材料>(2人分)
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レタス ・・・・ 1/2個
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アンチョビ ・・・・ 5枚
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ニンニク ・・・・ ひとかけ
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塩 ・・・・ 小さじ1/2〜1
<作り方>
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ニンニクはみじん切り、アンチョビは粗みじん切りにしておく。レタスは食べやすい大きさにちぎっておく。
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フライパンにオリーブオイルを多めに入れ、ニンニクを入れる。香りが出てきたらアンチョビ、レタスを炒める。
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レタスがしんなりとしてきたら塩を加え、お皿に盛る。
**** 夏におすすめの薬膳レシピ ****
パプリカの豆腐入り肉詰め 夏の薬膳
暑さが続くと身体に熱がこもり、イライラしたりそわそわと落ち着きがなくなったりすることがあります。
夏の食養生では、気温や太陽から受けた熱を身体にこもらないよう、身体を潤したり、熱を冷ましたりすることがポイントです。
身体を潤す豚肉や豆腐と、イライラを取ってくれるパプリカを使った肉詰めはお弁当にもどうぞ。
初夏のうちは身体が熱さに馴れていないため、身体の中に熱がこもりやすくなってしまいます。
特に今年は春が寒く、身体が暑さに対して準備不足のまま30℃近い日が来るようになってしまい、熱中症気味の方が多くいらっしゃいます。
熱中症予防として、水分を摂ることや塩分、ミネラルを取ること、暑い時は適切な温度になるよう無理をしないことなどが挙げられていますが、それ以外にも日頃から心がけることで暑さに対応できる身体作りをしていくことが大切です。
暑さに対応する食事としては、
- 赤い色の食材
(トマト、梅干し、パプリカ、なつめ、クコ、苺、ハイビスカスなど) - 身体を潤し渇きを止める食材
(豆腐、豚肉、アスパラガス、トマト、キュウリ、梅、びわ、バナナ、レモン、緑茶、牛乳など) - 熱をとる食材
(豆類、豆腐、アスパラガス、トマト、 緑豆もやし、レタス、ごぼう、バナナ、レモン、苺、ハイビスカス、緑茶、ミントなど)
などを取り入れていくと良いでしょう。
また、日頃から汗をかけるようにしておくことが、熱中症の予防には特に大切です。
私たちは汗をかいて体温を下げる調整することが出来ます。
しかし、一年中空調が効いている環境で過ごすことが多いとどうしても汗をかく機会が少なくなり、汗腺の働きが鈍ってしまいがちです。
すると、暑さは感じているのに汗をかけず、身体の中の熱を発散できずにこもってしまいます。
一般的にものすごく暑い日に大汗をかき、その後脱水症状になり、汗が出なくなって熱中症になると思われていますが、大汗をかかなくても適切に暑さに対処できてなければ熱中症になってしまいます。
特に初夏の時期は暑さに身体が慣れていないので、汗を適切にかくことが出来ず、熱中症に知らずになっていることが多く、風邪だと思っている方もいらっしゃいます。
まずは、朝や夕方に一駅多く歩いたり軽い運動をしたり、半身浴をするなど汗をかける身体作りをしておくとよいでしょう。
くれぐれも、急に激しい運動をしたり、サウナに入ったりしないようにしてください。
汗をかきなれていない場合、いきなり大量に汗をかくと脱水症状を起こしたりや熱中症になってしまうことがあるので注意してください。
パプリカの豆腐入り肉詰め
<食材のポイント>
◆ パプリカ:余分な熱をとりイライラを収める
**食材の解説**
赤や黄色、オレンジ色の鮮やかなパプリカですが、元々は緑色のビーマンと同じ仲間で、獅子唐芥子や唐辛子と同じく、唐辛子の仲間です。
緑色のピーマンは早く収穫するため苦みや青臭さがありますが、パプリカは熟してから収穫されるので甘く青臭さもほとんどありません。
効能も基本的にはピーマンと同じと考えられ、身体にこもった熱をとりイライラを取り除く、肝臓にこもった熱を収めて食欲を促進する、などがあります。
また、五臓六腑の機能を調節し、特に消化を促し気を補う作用があるとされます。
中医学では赤い色のものは心臓や血管の働きを補うとされており、血流をスムーズにしたり、精神の安定などに役立つと考えますので、赤いパプリカはこれらのはたらきもあると考えられるでしょう。
現代の栄養学では非常にビタミンCが多く、抗酸化作用や粘膜を丈夫にする作用、疲労回復などの効果があるとされています。
また、ビタミンDやビタミンPも含まれており、血管の補強作用、高血圧の予防効果などもあるとされます。
赤いパプリカ(ベル型ピーマン)は、普通のピーマンと比べてよりビタミンCやカロテンが多く含まれています。
一般にビタミンCは熱に弱いとされていますが、ビタミンPが含まれているのでビタミンCが熱で破壊されるのから守ってくれます。
また、カロテンは脂溶性ですので油と一緒に摂った方が吸収が良くなります。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 豚肉:身体を潤し、体力を回復する
◆ 豆腐:身体を潤す、余分な熱をとる ▶︎詳しい説明はこちら
◆ 玉ねぎ:気血の巡りを良くする、食欲不振を解消する
◆ トマトケチャップ:心(しん)を養う
<材料>(2人分)
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パプリカ(大) ・・・・ 1個
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豚ひき肉 ・・・・ 150g
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豆腐 ・・・・ 80g
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玉ねぎ ・・・・ 1/6個
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生姜 ・・・・ ひとかけ
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塩 ・・・・ 小さじ1/2
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こしょう ・・・・ 適量
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しょうゆ ・・・・ 小さじ1
- 片栗粉 ・・・・ 小さじ1
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トマトケチャップ ・・・・ 適量
<作り方>
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玉ねぎはみじん切りにしておく。生姜はすりおろしておく。パプリカは4等分に切り、へたと種を取り除いておく。
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豚肉、豆腐、玉ねぎ、塩、生姜、しょうゆ、こしょうをよくまぜる。パプリカの内側に片栗粉をまぶし、肉だねをしっかりとつめる。
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フライパンに油をひき、肉だねの面から焼き目がつくまで焼き、裏返して蓋をし蒸し焼きにする。中まで火が通ったら、ケチャップを添えてお皿に盛る。
**** 夏におすすめの薬膳レシピ ****