【お知らせ】薬膳ランチ、始めました
11月より浅草橋のカフェにて不定期ではありますが、月に1〜2回薬膳ランチを提供することになりました。
“薬膳って難しそう…”
“特別な材料が必要そう…”
“薬草の臭いがしそう…”
そんなイメージを持っている方も多いかもしれませんが、薬膳とは日常的に取り入れられる普通のお食事でもあります。
薬膳を身近なものであることを皆さんに知っていただけるよい機会と思いランチをご提供させていただくことになりました。
『Little Japan 気まぐれランチ』では、源保堂鍼灸院・薬膳部が日常的な食材でもできる季節の薬膳ごはんをランチとしてお出しします。
薬膳ってどんなもの??
そう思っている方も、そうでない方も、ぜひこの機会にお立ち寄りくださいませ。
ココロもカラダもほっとするものをご用意してお待ちしております!!
◎ 1月の出店予定日
2019年1月 21日(月)、28日(月)
10時〜16時30分ごろまで
※ ランチは12時ごろからご提供予定です。
◎ 場所
Little Japan リトルジャパン
東京都台東区浅草橋3-10-8
JR総武線浅草橋駅 西口 徒歩5分、都営浅草線浅草橋駅 A4出口 徒歩7分
Little Japan・きまぐれキッチンでは、日替わりで魅力的なメンバーがランチを提供しています。詳細は、Little JapanのFacebookなどでご確認ください。
冬の薬膳ランチのほか、
オーガニックマサラチャイ、
タンポポコーヒー、
箱根銘菓・温泉餅
などのお飲物やおやつもご用意しておりますので、カフェとしてもお立ち寄りください。
<11月、12月の冬の薬膳ランチ>
黒米とくるみの炊き込みごはん
根菜の粕汁
蒸し鶏と季節のお野菜
赤ちゃん番茶
※1月の薬膳ランチは別のものをお出しする予定です。
- 作者: 真野洋介,片岡八重子,明石健治,豊田雅子,飯室織絵,加納亮介,蛇谷りえ,井筒もめ,森岡咲子,武田昌大,田中惇敏,西村祐子,Yone(米村知倫)
- 出版社/メーカー: 学芸出版社
- 発売日: 2017/03/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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田舎の力が 未来をつくる!: ヒト・カネ・コトが持続するローカルからの変革
- 作者: 金丸弘美
- 出版社/メーカー: 合同出版
- 発売日: 2017/11/07
- メディア: 単行本
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くるみ、干し椎茸と黒米の炊込みご飯 冬の薬膳
東洋医学では冬の臓器は腎が当てられています。
ホルモンや骨、脳なども関係するので、腎を補う食材はアンチエイジング効果があるものです。
乾物にも腎を補うものがあるので上手に取り入れてみてください。
一年で最も日の短くなる冬至(とうじ)のことを
『一陽来復(いちようらいふく)』
とも言います。
古来中国では、この日を “陰が極まり陽が生じ始める日” と考え一年の始まりとしていた時期もありました。
冬至を境に日照時間も少しずつ長くなっていきますが、寒さはこれからが本番です。
芽吹いたばかりの陽の気を大事に育てるためにも、身体を冷やさないようにすることが大切です。
食事も体を温めるものを摂ることはもちろん、陽の気を育ててくれるものをとるようにします。
漢方の生薬は、どのような製法によって作られたかによって、その生薬の特性も変わると考えます。
例えば、酒蒸しをすれば体を温める効能が強くなったり、塩を用いれば腎を補う作用や腎の経絡に入りやすくなったりします。
冬の時期は本来植物も少なく、昔は保存していたものを食べることがほとんどであったと思います。
干し椎茸などの乾物は、太陽の力を利用して保存食にしたものですので、その陽の気を補ってくれるものと考えられます。
忙しいとなかなか取り入れられないことが多い乾物ですが、簡単に戻せるものもあるので上手に使いたいものです。
年越しそばの出汁やおせちの煮物など折角の機会には取り入れてみてください。
クルミと黒米の炊込みご飯
<食材のポイント>
◆ どんこ(干し椎茸):腎を補う、気を補う
**食材の解説**
干し椎茸は干すことによって保存できるようになるだけでなく、うま味も増し、更に栄養価も優れたものになります。
椎茸の効能としては、
- 胃腸を養い元気にする
- 止血する
といった作用があります。干し椎茸は、天日干しすることでエルゴステロールがビタミンDへと変化することが知られています。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にしてくれるものですので、干し椎茸は東洋医学的には骨と関係する、腎の働きを助けてくれる食材、と考えられます。
また、食物繊維が多く便通を促したり、免疫力と関係するβ−グルカンも含みますが、消化力の弱い人は逆に負担になりますので食べ過ぎには注意しましょう。
ちなみに江戸時代の『本朝食鑑』の椎茸の項には、
『能く葱・蒜(にら)の臭気を除き、葱羹(あつもの)に二・三箇入れると臭気は薫じない。あるいは蒜を食べた後、二・三茸を食べれば、口臭も消え、人の旁でも蒜の臭気は覚えない。』
とありますので、気になる方は是非試してみてください。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 黒米:腎を補う、血液を補う
◆ くるみ:腎を補う、肺を温める、通便を促す
◆ 白米:元気をつける、胃腸を整える
<材料>
-
白米 ・・・・ 1・3/4合
-
黒米 ・・・・ 1/4合
-
くるみ ・・・・ 50g
-
干し椎茸 ・・・・8g
-
(薄口)醤油 ・・・・ 大さじ2
-
酒 ・・・・ 小さじ2
<作り方>
-
干し椎茸を戻しておく。白米と黒米を研ぎ、1時間程度浸水する。
-
戻した干し椎茸とくるみを粗くみじん切りする。
-
炊飯器に白米、黒米、干し椎茸の戻し汁、醤油、酒を入れ、炊飯器の分量まで水を入れ、炊飯する。炊き上がったら全体を混ぜてお椀によそる。
*** 冬におすすめの薬膳レシピ ***
新米 H30年産【無農薬・有機栽培の黒米】 古代米 棚田米 九州の佐賀県 特別栽培農産物認定品 500g (500g×1個)
- 出版社/メーカー: 黒米でんでん
- メディア: その他
- この商品を含むブログを見る
薬膳講座 開催します!2018年11月7日(水)『忙しいあなたも気軽に薬膳ヨルごはん』
9月より薬膳の講座を定期的に開催することになりました。
すでに第1回は終了してしまったのですが、第2回の開催をご案内です。
2018年11月7日(水)
カラダのトリセツ講座 実践編
『忙しいあなたも気軽に薬膳ヨルごはん』第2回
〜慌ただしい冬のほっこり薬膳〜
“薬膳”と聞くと、
たくさんの生薬が必要なの?
特別な材料が必要?
すべてきちんと料理しなければいけないの?
といったイメージがありますよね。
でも、大丈夫!
薬膳はスーパーで買えるもので作れたり、日常的に作れたりする身近なお食事なのです。
この講座ではカラダのトリセツ講座の実践編として、季節ごとに薬膳ヨルごはんをご紹介します。
平日の夜の開催ということもあり、季節の食養生のポイントをお話ししながら、ご用意した季節の薬膳ごはんを実際に召し上がっていただきます。
お仕事から帰ってささっとできる工夫や、季節ごとの陰陽五行に合わせた食材の選び方もお伝えいたします。
第2回『忙しいあなたも気軽に薬膳ヨルごはん』
◎ 日時
2018年11月7日(水)
19時15分(受付19時00分)〜21時20分
◎ 会場
渋谷区文化総合センター大和田 2階 学習室5(調理室)
東京都渋谷区桜丘町23-21
http://www.shibu-cul.jp/
◎ 会費
受講料:4500円(お試し価格 食材費、施設利用費、消費税込み)
◎ お申し込み
お申し込みとさらなる詳細はコチラ↓↓から
カラダのトリセツ講座 実践編 『忙しいあなたも気軽に薬膳ヨルごはん』第2回 | Peatix
スタッフ一同、みなさまのご参加をお待ちしております。
開催・運営に関するお問い合わせは
◎オトハル塾運営事務局 http://otoharu.com/contact/
◎源保堂鍼灸院 https://genpoudou.com/
蕪ときのこのバルサミコあえ 秋の薬膳
寒い時期は食べるものも生よりも加熱したものがよいです。
生野菜のサラダなどは春まではお休み。
バルサミコとオリーブオイルで和えるだけなので、サラダのかわりに取り入れてみてください。
薬膳では、体調や体質だけでなく、その時期にあったものを摂ることも非常に大切です。
ここでは季節ごとに薬膳レシピを紹介していますが、スーパーにいけば年中手に入る食材も多く、生活自体も季節感を感じにくくなっています。
昔は季節のものしか手に入らず自然に季節のものを摂っていたわけですが、選択の自由が多い今の社会では、季節にあわせて食材を選ぶ、ということ逆に難しくなっていると感じます。
食養生のお話をしていて、寒くなってきたので旬のお野菜も温かく摂ってください、とお話しすると、
「生野菜がいい、と聞いたので、レタスとトマトのサラダをがんばって食べていたんですけど…。」
「○◯という野菜がいい、と聞いたので、おいしくないけど毎日食べています…。」
と話される方がおります。
健康にいいはずだから、とご本人はせっかく努力されているのですが、体に合わないために体調を崩してしまう、という本末転倒なことになっていることがあるのです。
夏によい食材でも、冬に摂れば体調を崩す原因になることもあります。
旬のものをとる、ということを意識するだけでもよいです。
また、寒くなり始めたら調理法も温かく摂ることを意識してみてください。
蕪ときのこのバルサミコあえ
<食材のポイント>
◆ 蕪菁・蕪(かぶら):消化を促す、解毒する
**食材の解説**
多種多様な品種がある蕪ですが、日本では奈良時代には食されていたほど古くからある食材です。
「蕪菁は、上下ともに平素日用の菜であり、諸葛孔明の種をまつまでもなく、民間では毎(つね)に住むところで四時いつでも採り用いている。」
と江戸時代の『本朝食鑑』には記されており、今よりも身近なものであることが伺えます。
中国では2000年前には食されており、「諸葛菜」とも呼ばれます。
三国志で有名な諸葛孔明が遠征の際に食料確保のために兵士に蕪の種をまくよう指示していたことに由来するようです。
東洋医学的には、
- 消化を促す
- 気を下ろす
- 痰を取る
- 咳をとめる
といった効果があります。
『本朝食鑑』には、
「蕪菁の根茎は、気を下し食を消すけれども、脾胃の気を傷(そこな)わないので、平生の飲食の助けとする。その有益さから、上下ともにこれを用いずということはない。」
とありますので、かぶは味だけでなく、その効能も胃に優しいものです。
かぶには大根と同じく、ジアスターゼという酵素が含まれており消化を進めてくれることが現代の栄養学でもわかっています。
胃の弱い人にもよい食材ですので、秋から冬にかけて取り入れてほしい食材の一つです。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ きのこ:気を補う、通便を促す
◆ くるみ:肺を温める、通便を促す
◆ 白ごま:肺や皮膚を潤す、通便を促す
<材料>
-
蕪(大) ・・・・ 1個
-
しめじ ・・・・ 1/2株
-
エリンギ ・・・・ 1/2パック
-
クルミ ・・・・ 4個
-
白ごま ・・・・ 大さじ1
-
バルサミコ ・・・・ 大さじ1
-
オリーブオイル ・・・・ 大さじ1
-
塩 ・・・・ 小さじ1/2
<作り方>
-
蕪は1〜2センチのこして葉を落とし、くし切りにして皮をむく。1分ほど塩ゆで(分量外)する。
-
しめじ、エリンギは石突を落として食べやすい大きさに切る。少量のオリーブオイル(分量外)をひいたフライパンでしんなりするまで焼く。
*** 秋におすすめの薬膳レシピ ***
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焼き林檎とイチジクのクリームチーズ 秋の薬膳
土用は胃腸が弱る期間なので甘いものは控えめが肝腎。
とはいえおいしいものが多い季節。
林檎とイチジクの自然の甘みをデザートで取り入れてください。
“土用”とは、季節を完成させて次の季節にバトンタッチする準備期間。
この時期は、東洋医学における脾、消化器官が疲れやすい時期です。
甘いものや冷たいもの、生ものが多くなると、消化機能が落ちて風邪をひきやすくなったりしがちな時期です。
特にこの時期体調を崩す方に、
「甘いものはしばらく控えた方がよいですよ」
とお伝えすることがあります。
すると非常に残念なお顔をされることが多いです。
しかしお伝えしているのは、あくまで“控えめに”ということ。
お友達とカフェにいってデザートを楽しんだり、たまに好きなお店でケーキを買ったり、というものまですべてやめなければいけないということではありません。
よくよく患者様のお話を聞いてみると、何となく食べている甘いものが多いようです。朝は時間がないのでコンビニで買った菓子パンで済ませ、
仕事をしながらチョコレートを食べ、
少し疲れたなとカフェで甘いカフェラテを飲み、
お夕飯の後に習慣としてアイスクリームを食べ、…
というパターンではないでしょうか?
せっかくの甘くおいしいものも、何となく、で無駄に食べてしまったら台無しだと思います。
上手に使えば、甘いものは場の空気を和ませてくれたり、気持ちを穏やかにしてくれるものです。
甘いものと上手につきあって、体調を崩さないようにしてください。
焼き林檎とイチジクのクリームチーズ
<食材のポイント>
◆ 林檎(りんご):肺や腸を潤す、胃を養う
**食材の解説**
林檎が赤くなると医者が青くなる、
ということわざがあるように、林檎は果物の中でもさまざまな効用があります。
東洋医学的には
- 体や肺を潤す
- 熱を取りイライラを収める
- 食欲を増し二日酔いを解消する
といった効果があります。
林檎は整腸作用と通便作用の両方の作用があるので、便秘の人でも下痢の人でも向く食材です。
果物のほとんどは体を冷やす性質ですが、果物の中でも温州みかん、ぶどう、林檎は体を冷やす作用が強くないので、冷え性の人でも食べやすいものです。
しかし、最近の果物は甘いものが多く、甘みが強いものは冷やす作用が強くなると考えてよいです。
甘みだけではなく、酸味とのバランスがとれたものを選ぶとよいと思います。
1978年に出された『食物ことわざ事典』で林檎に関することわざのコラムの末尾に、
「最近はバナナなどの甘いくだものに押され、林檎を食べる人が少なくなり、青森辺りではりんご園をつぶす農家などが多くなっています。酸味のあるものより甘味の多いものをうまいと感ずるようになった一例で、日本人の食味感覚が子ども舌になってきた証拠と言えましょう。」
とあり、この頃からすでに甘みを求める日本人の姿が伺えます。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ イチジク:胃腸を丈夫にする、肺を潤す、解毒する
◆ (クリーム)チーズ:肺や腸を潤す
◆ くるみ:肺を温める、腸を潤す
<材料>
-
林檎(大) ・・・・ 1/2個
-
イチジク ・・・・ 1個
<作り方>
-
林檎は芯と皮をむき、1センチ程度に切る。イチジクは皮をむき、8等分にする。クルミは粗く砕いておく。
-
耐熱容器に林檎とイチジクを並べる。温めたトースターかオーブン(200度程度)で、林檎とイチジクがしんなりするまで10分程度焼く。
*** 秋におすすめの薬膳レシピ ***
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鮭ときのこの炊き込みごはん 秋の薬膳
秋は過ごしやすい気候なので心身ともに補っておくことが大切。
実りの秋を迎えておいしい食べ物もたくさん食卓に上ります。
炊き込みごはんはたくさんの食材を一度にとれるので忙しい人でもできる薬膳です。
実りの秋、食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋、…
とさまざまに形容される秋ですが、秋は四季の中でも気候が穏やかで過ごしやすい時期です。
秋分の頃は、秋も半ばとなり昼夜が同じ長さになり、陰陽が平衡する時期です。
心身ともに安定しやすい時期ですので、この時期にしっかり精気を養い、冬に備えておくとよいです。
しっかりと栄養のあるお食事をすることも大切ですが、五感器を養うことも気の栄養になります。
- お食事を彩り豊かにする
- お気に入りの食器を使う
- 香りのよいものを取り入れる
と工夫するだけでいつものお食事が楽しくなります。
また、よい音楽に触れたり、好きな絵画をみたり、空気のよいところで紅葉を楽しんだり、というのもよいでしょう。
少しずつ秋が深まり寒さも増してくると気持ちもブルーになりがちですが、日々に楽しみを見いだすことで心身ともに充実することができます。
鮭ときのこの炊き込みごはん
<食材のポイント>
◆ 粳米(うるちまい):気を増す、胃を養う
**食材の解説**
秋になると待ち遠しいのが新米。
炊きたてのごはんはそれだけでもご馳走になるほどおいしいものです。
稲(いね)の語源は、
「命(いのち)の根」、
「息(いき)の根」
の意と言われています。
江戸時代の本、『本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)』には、
「五臓を補い気血を益し、百病を治し、人間に一日もなくてはならぬものである。」
とあり、いかに重視していたかがわかります。
東洋医学的には、
- 胃腸を丈夫にして力をつける
- 消化吸収能力を回復させる
- ストレスやのどの渇きを解消する
- 下痢を止める
といった効果があります。
消化が良くない人はおかゆにするのもよいです。
薬膳でもおかゆは多種多様なレシピがあり、組み合わせる食材によってさまざまな効能を発揮します。
また、お米にはレジスタンススターチと言い食物繊維の用な働きをする作用もあります。
極端に炭水化物を抜くと便秘になることもあるので気をつけましょう。
栄養面では、ミネラル・ビタミンを多く含む玄米の方が優れていますが、消化が良くないので胃の弱い人は白米や胚芽米などの方がよいでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 鮭:気血を養う、気血を巡らす、お腹を温める
◆ きのこ:気を補う、通便を促す
◆ しそ:気を巡らす、解毒する、お腹を温める
◆ 白ごま:肺や皮膚を潤す、通便を促す
<材料>
-
白米 ・・・・ 2合
-
鮭 ・・・・ 2切れ
-
しめじ ・・・・ 1/2株
-
えのきだけ ・・・・ 1/2株
-
しいたけ(中) ・・・・ 2個
-
酒 ・・・・ 大さじ2
-
醤油 ・・・・ 大さじ3
-
しそ ・・・・ 適量
-
白ごま ・・・・ 適量
<作り方>
-
白米は水で研ぎ、30分〜1時間浸水する。
-
鮭は食べやすい大きさに切り、酒(分量外)をふりしばらくおく。
-
きのこは石突をとり、食べやすい大きさに切る。少量の油をフライパンにひき、しんなりするまで炒める。
-
炊飯器に白米をいれ、酒、醤油をいれ、2合の分量まで水を入れる。余分な水分をキッチンペーパーでふいた2と3を入れ炊く。
-
炊きあがったら鮭の皮を取り、全体を混ぜる。お椀に盛り、千切りしたしそと白ごまをのせる。
*** 秋におすすめの薬膳レシピ ***
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はちみつレモン寒天 夏の薬膳
夏の暑さ対策にはおやつもひと工夫。
寒天は江戸時代から食べられている暑気払いにぴったりの食材です。
レモンとはちみつを加えて、口の渇きも抑えてくれるさっぱりとした寒天です。
夏の土用と言えばうなぎ、と思っていらっしゃる方も多いですが、土用はいろいろと気をつけたいことがあります。
季節の最後の期間なので、どうしてもその季節の疲れが出やすくなります。
夏の土用はもっとも暑い時期ですので、暑さ負けをしていたり、熱帯夜で寝不足になったりしています。
また、土用の「土」は五行では「脾」、つまり消化器官が割り当てられおり、胃腸にも負担がかかる季節です。
胃腸が苦手なのなものは、湿気を呼ぶものです。
代表的なものは、
- 冷たいもの
- 甘いもの
- 生もの
です。
朝から暑くて食欲がないので、冷たい牛乳に果物だけ。
暑い昼間にはアイスクリームを食べて、ジュースを飲んで、食欲がないから夜はお刺身にビール、あとはきゅうりとトマトくらい。
寝る前にもう一本アイスクリーム…
といった生活をしていると、ますます食欲が落ちてしまいます。
暑いので口当たりのいいもの、さっぱりしたものが欲しくなりますが、温度が低くて甘いものばかりだと、胃に湿気を呼び込み食欲不振となり、夏バテとなってしまいます。
夏こそしっかりお食事をとってほしいとは思いますが、せめて食欲が落ちている感覚がある時だけでも、冷たいもの、甘いもの、生ものは控えめを心がけていただければと思います。
はちみつレモンの寒天
<食材のポイント>
◆ 天草(てんぐさ):暑気あたりを予防する
**食材の解説**
寒天や心太(ところてん)の原料の天草は海藻の一種です。
ミネラルや食物繊維が豊富で、ダイエット食品としても用いられることも多い食材です。
心太の歴史はずいぶんと古く、平安時代には中国から伝わって食べられていたようです。
寒天は、江戸時代に発明され、心太を寒い日にそのままにしていたところから発見されたと言われています。禅寺でも使われるようになり、隠元禅師が「寒晒しのところてん」から「寒天」と名付けられたようです。
東洋医学的には、
- 上半身、特に胸や胃の熱をとる
- 口の渇きを癒す
- 暑気あたりを改善する
- 酒を解く
といった効果があります。
江戸時代の『本朝食鑑』には、
「当世(ちかごろ)、夏月には一般にこれを食べて能(よ)く暑(あつけ)を消す」
とあり、暑気払いに食されていたようです。
夏のおやつには心太や寒天を食べて、涼をとるのも夏バテ予防によいでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ はちみつ:からだを潤す、元気をつける
▶︎ 詳しくは
はちみつのアメ ー気軽に薬膳①ー - 薬膳ごはん yakuzen gohan
◆ レモン:暑気あたりを予防する、口の渇きを抑える
<材料>
-
水 ・・・・ 400ml
-
粉寒天 ・・・・ 4g
-
レモン汁 ・・・・ 大さじ1・1/2
-
はちみつ ・・・・ 大さじ3
-
レモン ・・・・ 適量
<作り方>
-
鍋に水と粉寒天を入れ、火にかけよく混ぜる。沸騰して全体が透き通るまで火にかける(3分程度)。
-
1の火を止めてから、はちみつとレモン汁を加え、型に流す。
-
2がかたまりはじめたら、レモンの薄切りを表面にのせる。粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やす。
*** 夏におすすめの薬膳レシピ ***
国産 粉末寒天 150g [01] 粉寒天 寒天粉 NICHIGA(ニチガ) 厳選された海藻100% 食物繊維 国内製造 粉末寒天
- 出版社/メーカー: 日本ガーリック
- メディア: ヘルスケア&ケア用品
- この商品を含むブログを見る
きゅうりとしらすの梅干しごはん 夏の薬膳
夏は湿気や熱さで食欲が落ちぎみになりますがそんな時こそ食養生が大切。
梅干しは日本の夏には欠かせないものの一つ。
ごはんと一緒に炊くことで酸味もまろやかになり食べやすくなります。
夏は身体の水分を入れ替える時期と考えます。
しっかり水分補給をしつつ、汗をかくことで身体の中から水分をきれいなものに入れ替えていきます。
このお話をすると、
『水分はどれくらい飲むとよいですか?』
『たくさん飲んだ方がよいんですか?』
と質問されます。
答えは、人によって量が違うので摂るべき水分の明確な量はありません。
それぞれの人によって、体重、活動量、内蔵の代謝機能などまちまちです。
例えば、体重85kgの建築現場で働く男性と、体重45kgのオフィスワークの女性では摂るべき水分量は全く異なります。
もし水分をたくさん摂った方がよいと思い、無理にたくさん飲めば、胃腸で吸収できない水分によって胃酸が薄まり、胃腸の働きが落ちてしまいます。
東洋医学では、『胃内停水(いないていすい)』と言い、湿気が消化器官にとどまり、うまく働かなくなっている状態を指します。
摂取した水分の量が多すぎないか確認するには、お小水の色をみていただくのがわかりやすいかと思います。
- 透明 → 水分の摂取量が多いと考えられます
- 薄い緑茶の色 → 適量
- 濃いオレンジ色 → 水分の摂取量が少ないと考えられます
夏場は水分の量が少ないと熱中症になることがありますし、多すぎると夏バテの原因になりますので、日頃より気をつけておくことが夏の不調の予防となります。
きゅうりとしらすの梅干しごはん
<食材のポイント>
◆ 梅干し(うめぼし):熱を取り渇きを癒す、胃腸の調子を整える、解毒する
**食材の解説**
梅雨になると梅が一斉に並び始めます。
梅は、梅干しに始まり、梅シロップ、梅酒、梅煮など様々な加工品がありますが、夏を乗り切る知恵がたくさんつまっているものです。
梅干しの効能としては、
- 口の渇きを収める
- 余分な熱をとる
- 胸のつかえをとる
- 下痢を止める
- 喉の痛み・口内炎を抑える
- 殺菌・抗菌作用
- 酒の酔いをとる
など多種多様な効能があり、塩漬けにし、発酵食品とすることで生の梅では得られない効能が得られます。
中国では梅と言えば主に烏梅(うばい)が用いられ、梅を薫製にしたもので生薬としても使われます。
『梅は食うとも核食うな』ということわざがあるように、青梅の種にはアミグダリンが含まれており、酵素分解によって青酸になります。
青梅にはこの青酸が含まれているため、食べ過ぎると腹痛を起こします。
一説には、梅干しは梅酢を摂るための副産物で、梅酢は酸が非常に強いため金メッキをするために使われていたとも言われています。
また、中世から兵糧としても用いられていたようで、その殺菌効果や疲労回復効果は昔から薬としても使われていたことがうかがえます。
ごはんに梅干しを入れて炊いたり、お弁当に入れたりしておくと、殺菌・抗菌作用でごはんも傷みにくくなるので、夏場のお弁当にもおすすめです。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ きゅうり:からだの水分代謝を調整する、余熱をとる
▶︎ 詳しくは
きゅうりの梅肉あえ 夏の薬膳③ - 薬膳ごはん yakuzen gohan
◆ しらす:気血を補う、元気をつける、筋骨を丈夫にする
◆ しそ:気の巡りをよくし胃腸の調子を整える、解毒する
<材料>
-
白米 ・・・・ 2合
-
梅干し(大) ・・・・ 1個
-
きゅうり ・・・・ 1本
-
しらす ・・・・ 40g
-
しそ ・・・・ 8枚程度
-
塩 ・・・・ 小さじ1/4
<作り方>
-
白米を梅干しを入れて分量通りの水加減で炊く。
-
きゅうりは薄い輪切りにし塩揉みをして5分ほどおき、水分をしぼっておく。しそは千切りにして水にさらした後、水分を切っておく。
-
1が炊きあがったら、梅干しをくずすようにしてよく混ぜ、2のきゅうりとしらすを混ぜる。お椀に盛りしそを添える。
**** 夏におすすめの薬膳レシピ ****
アスパラとそら豆のマスタードポテト 夏の薬膳
今年は初夏から湿度も高め。
アスパラや豆類など初夏の食材には水分代謝をスムーズにしてくれるものが多くあります。
さっぱりとしたポテトサラダで、胃腸を元気にし湿気対策をしてくれるレシピです。
日本の夏は湿気が多く、熱さと湿気の両方の対策をすることが非常に大切です。
東洋医学では、悪さをする湿気のことを“湿邪(しつじゃ)”と呼びますが、湿邪には外界から受けるものと、身体の中で発生するものとがあります。
湿邪の多くは身体の中で起こるもので、原因のほとんどは飲食の不摂生によるものです。
身体の中に湿気を溜めるものとしては、
- 食べ過ぎ
- 飲み過ぎ
- 甘いものが多い
- 冷たいものの食べ過ぎ
- 生ものの食べ過ぎ
- 脂っこいものや味の濃いものの食べ過ぎ
などです。
梅雨の時期や夏の時期に身体がだるい、頭が重い、食欲がない、むくみやすいなど不調がある方は、食べ物も見直してみるとよいでしょう。
湿気を出してくれる食べ物としては、
- 瓜科のもの(きゅうり、冬瓜など)
- 豆類(あずき、そら豆、インゲン豆など)
- トウモロコシ
- ハトムギ
- 海草類(わかめ、のりなど)
などがありますので、積極的にとるのもおすすめです。
アスパラとそら豆のマスタードポテト
<食材のポイント>
◆ 空豆・蚕豆(そらまめ):胃腸の働きを高め、余分な水分を排出する
**食材の解説**
さやが天に向かって伸びるのでそらまめ(空豆・天豆)と呼ばれたり、花の姿が蛾(ひいる・蚕の羽化したもの)に似ているためかいこ豆(蚕豆)と呼ばれたり、様々な呼称があります。
世界各地で食べられており、4000年以上も前から食用として栽培されていたようで、日本には奈良時代に伝えられたとされます。
私たちが茹でて食べるのは未成熟の実で、完熟のものは黒っぽくなり煮豆やおたふく豆などに用いられます。
東洋医学的には、豆の部分に、
- 胃腸の回復
- 余分な水分を排出
といった効果があります。
他に、花と葉には止血効果、茎には下痢を止める効果や止血効果、殻は利尿効果があるとされます。
また、そら豆には五臓を利する効果があるとされており、誤って針を飲み込んでしまった場合、そら豆とニラを煮てたくさん食べると排便される、と古い文献には記されています。
栄養素としては、カリウム、ミネラル、ビタミンB群を豊富に含んでいます。
そら豆に限らず豆類は消化しにくいため、胃腸が弱い方は食べ過ぎには注意しましょう。
腎炎の方も負担がかかるので控えめにした方がよいでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ アスパラ:からだの水分代謝を調整する、余熱をとる
◆ じゃがいも:胃腸を丈夫にする、元気をつける
<材料>(2人分)
-
アスパラガス ・・・・ 1/2束
-
そら豆 ・・・・ 1/2袋
-
じゃがいも(中) ・・・・ 2個
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マスタード ・・・・ 大さじ1+1/2
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オリーブオイル ・・・・ 小さじ1
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塩 ・・・・ 小さじ1/2
<作り方>
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そら豆を茹で、皮をむき半分に割る。アスパラガスを茹で、食べやすい大きさに切っておく。
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じゃがいもを蒸し、皮をむく。熱いうちにざっくりとつぶし、マスタード、オリーブオイル、塩を加えて混ぜる。
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2に1を加えて混ぜる。
**** 夏におすすめの薬膳レシピ ****
人参とクコの実のラペ 春の薬膳
春におすすめの薬膳食材の一つクコの実。
買ったもののどう使えば良いかわからず持て余している方も多いようです。
クコの実と人参と組み合わせた、目や身体を潤す春におすすめのレシピです。
春は肝臓の季節ですが、その肝臓の状態を把握するのにわかりやすい部位が東洋医学では“目”とされています。
肝臓は血液を蓄えておく部位ですが、その血液が少なくなると
- 視力の低下
- 夜盲症
- ドライアイ
など目の症状も出てきます。
東洋医学では、血液のもっともきれいな上澄みの部分のことを“精血(せいけつ)”と言い、この精血が目に行くことでものが見えると考えています。
しかし、現代の生活は昔以上に目を良く使うことが多いです。
例えば、テレビやパソコン、スマートフォンを使う頻度が高いと精血を消耗しがちです。
また、ストレスが多かったり、頭を使う作業が多かったりすると血液全体も減りやすく、精血も減りやすくなります。
血液は毎日生産され破壊されていますので、毎日血液の原料を供給することが大事です。
更に、血液のリニューアルには5〜6ヶ月程度かかると言われます。
目の症状に思い当たる方や貧血の人は、継続的に血液を補うものを摂ると良いでしょう。
人参とクコの実のラペ
<食材のポイント>
◆ 枸杞(クコ):肝腎を補う、目に良い
**食材の解説**
クコの実(ゴジベリー)は薬膳食材の代表格で、スーパーフードとしても近年取り上げられましたので知っている方も多いでしょう。
東洋医学的には、五臓の肝と腎を補うとされ、肝腎不足による腰のだるさや男性不妊、めまいを改善するとされています。
また、貧血を改善し視力の低下などの改善や肺を潤し咳を止めるとされています。
漢方薬にも用いられ、眼病などに使われる杞菊地黄丸などにクコの実は使われています。
栄養学的には、ルチン、タンニンなどのポリフェノール、ビタミンC、ゼアキサンチン(色素)など強い抗酸化作用をもつものが豊富で、まさにアンチエイジング食材と言えるでしょう。
クコは実だけでなく、葉っぱは春の新芽を山菜として食べたり、お茶(枸杞葉 くこよう)として飲んだりします。
根や樹皮(地骨皮 じこっぴ)は微熱やほてり、のぼせの症状に用いられる漢方薬として使われています。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 人参: 目の乾燥を防ぐ、食欲不振を解消する
◆ くるみ: 腎を補う、腸や肺を潤す
<材料>(2人分)
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人参 ・・・・ 200g
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くるみ ・・・・ 好みの量
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クコの実 ・・・・ 大さじ2
(ドレッシング)
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マスタード ・・・・ 小さじ1
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はちみつ ・・・・ 小さじ1/4
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塩 ・・・・ 小さじ1/2
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レモン汁または米酢 ・・・・ 大さじ1
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オリーブオイル ・・・・ 大さじ2
<作り方>
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人参は薄くスライスし千切りにしておく。
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マスタード、はちみつ、塩をよく混ぜ、レモン汁を混ぜる。オリーブオイルをよく混ぜる。
- 1とクコの実、粗く砕いたクルミを2とよくまぜ、30分以上置く。
*** 春におすすめの薬膳レシピ ***