鶏レバーの甘辛煮 春の薬膳②
春の薬膳①でもあるように、春に関連のある臓器は“肝”と言います。すなわち肝臓で肝臓の働きに負担がかかりやすい季節です。
春の食養生では、“肝”の働きを助けるためにデトックス効果のあるものを積極的にとるのも一つですが、“肝“そのものを強くすることも必要になります。
中医学では、“肝”の働きとして、血液を蓄え血液が必要な時に供給する役割と、からだの中の流れを良くして全身に栄養を行き渡らせる役割があります。
肝の働きが弱くなると、血液や栄養の巡りが悪くなります。たとえば、血液が足りなくなると目に栄養が供給されず、かすみ目や暗いところで見えにくくなったり(夜盲症、鳥目)、ドライアイになったりします。ほかにも、からだのスジ(腱、関節をつなぐもの)やつめに栄養が届かず、腱鞘炎など関節が痛みやすくなったり、つめが割れやすくなったりします。
今回は、主に“肝”と血液を補う食材とレシピです。貧血や肝臓の機能の弱い方にも積極的にとっていただきたいものになります。
鶏のレバー(鶏の肝臓)
貧血と言えばやはりレバーでしょう。臭みが苦手という方もいるとは思いますが、高タンパク低脂肪と実はヘルシーで、良質なタンパク質により肝臓を補う効果にすぐれています。
薬膳では、“以臓補臓”(いぞうほぞう)という考え方があり、肝臓が弱っているときには、肝臓(レバー)で補います。鶏のレバーだけでなく、牛や豚のレバーでも同じく肝臓を補う作用があり、視力低下などに効果があります。その他、鶏のレバーは消化不良や子供のかんしゃくやおねしょに、牛のレバーは白内障に、豚のレバーはむくみに効果があるとされています。
タンパク質、鉄分、ビタミンA・B1・B2などが豊富に含まれ、疲労回復も期待できます。
鶏レバーの甘辛煮
<材料> (2人前)
- 鶏レバー ・・・・ 200g
- 生姜 ・・・・ ひとかけ
- しょうゆ ・・・・ 大さじ2
- 砂糖 ・・・・ 大さじ2と1/2
- 酒 ・・・・ 大さじ1/2
- 水 ・・・・ 1カップ
<作り方>
- 鶏レバーを食べやすい大きさに切り、余分な脂身を取り除く。
- 塩をひとつまみいれた水に20分程度つけ、血液の固まりを取り除き水洗いをする。
(臭みが気になる場合は、熱湯に通し冷水にとり、アクを洗い流してしばらく水にさらす。) - 生姜は薄切りにする。
- なべにしょうゆ、酒、砂糖を入れ煮立たせる。生姜とレバーを入れ、水を加えて強火にし、煮立ったら中火にする。
- アクをとり、煮汁が1/4程度になり、照りがでたら完成。
春菊とかぶのサラダ 春の薬膳① - 薬膳ごはん yakuzen gohan