秋野菜のはちみつマリネ 秋の薬膳③
秋の野菜をたくさん使ったはちみつ入りのマリネです。
秋の野菜やはちみつには、秋に弱くなる粘膜を強くするものがたくさん含まれています。
簡単に作れるので、秋の常備菜としてもオススメです。
夏は暑さに対処するかが重要ですが、秋の初めには、からだにこもったままの余分な熱を取り除きながら、夏に弱くなった粘膜を強くし、本格的な秋を迎える準備をすることが大切です。
もともとぜんそくを持っている人は、秋に症状が出やすい方も多いでしょう。また、夜風が涼しくなり、朝起きたらのどが痛くなっていた、ということもあります。
秋は、乾燥しやすい季節であり、“肺”を大切にすることが養生のポイントです。“肺”といっても、のどや鼻の粘膜なども含んだ呼吸器全体ととらえるとわかりやすいと思います。
粘膜は乾燥すると本来の機能を発揮できず、外から入ってくるウィルスなどがからだの中に入りやすくなってしまいます。よって、粘膜の適度な湿度を保つことが大切ですが、夏の暑さにより粘膜も乾いてしまい、そのまま秋を迎えてしまう方も多くみられます。
余熱を取り除きながら、粘膜の潤いを保ち、粘膜を強くする食材を多くとるようにしましょう。
◆ 茄子(なす):体内にこもった熱をおさめる
**食材の解説**
『秋なすは嫁に食わすな』とよくいいます。秋においしくなるのでお嫁さんには食べさせない、とも考えられますが、薬膳から考えると早く子供を授かってほしいお嫁さんに、からだを冷やしすぎないようとの心使いと解釈もできます。それほどにナスは体の熱をとり、気を降ろす作用に優れています。
夏バテで、熱っぽくのぼせるときに食べると非常に効果があるでしょう。
また、からだに熱毒がたまるとできやすい口内炎やできものなどの改善にも効果があるとされています。
現代の栄養学は、コレステロール値の降下作用(皮に含まれるナスニン、サポニン)、利尿作用(カリウム)、老化防止作用(ポリフェノール、紫色の皮に含まれる)があるとされています。また、ルチンが含まれており、毛細血管を丈夫にする作用もあります。
胃腸を冷やす効果があるので、涼しい季節は食べ過ぎに注意しましょう。また生姜や唐辛子などの薬味と一緒にとった方がよいでしょう。
◆ 南瓜(かぼちゃ):からだを潤し、胃腸を元気にする
**食材の解説**
かぼちゃは秋の野菜のイメージがあるかと思いますが、実際には夏に収穫されます。秋頃に熟し甘く食べごろになります。切らずに貯蔵すると冬までもち、冬場に不足しがちな栄養素をとることができ、冬至のころに食べるとカゼの予防にもなると食される習慣があります。
かぼちゃは、胃腸の吸収力を高めて元気をつける、炎症を抑えて痛みを止める効果があります。また、からだを潤す効果があります。中医学では食材の色で大まかな効能を分けることがありますが、黄色の食材は粘膜を強くするものが多いとされており、かぼちゃも粘膜の一つである胃腸を強くし、免疫力を上げるよい食材です。
現代の栄養学では、コバルトを多く含むためインシュリンの分泌を高める作用や、ビタミンE、βーカロチン、葉酸などが豊富に含まれており、夏バテの解消や、免疫力を高める効果などがあります。
なお、糖質やでんぷんも多いので、食べ過ぎないようにしましょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 玉ねぎ:気の巡りをよくする、消化を促進する
◆ さつま芋:胃腸を丈夫にし元気をつける、からだを潤す
◆ エリンギ:からだを潤す
◆ れんこん(加熱):胃腸を丈夫にする、血中の余分な熱をとり血行を良くする
◆ はちみつ:からだを潤す、胃腸を丈夫にする →はちみつの詳細な効能についてはこちら
秋野菜のはちみつマリネ
<材料> (2〜3人前)
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なす ・・・・ 2本
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かぼちゃ ・・・・ 100g
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玉ねぎ ・・・・ 小1個
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さつま芋 ・・・・ 小1本
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エリンギ ・・・・ 80g
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れんこん ・・・・ 100g
(マリネ液)
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はちみつ ・・・・ 大さじ1
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白ワイン ・・・・ 大さじ2
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白ワインビネガー ・・・・ 大さじ3
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オリーブオイル ・・・・ 大さじ1
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塩 ・・・・ 小さじ1/2
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こしょう ・・・・ 少々
(お好みでハーブをいれる)
<作り方>
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マリネ液を混ぜておく
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野菜を食べやすい大きさに切り、グリルする
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2を熱いうちに1に混ぜ、10分ほどおく
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