春の野菜餃子 春の薬膳⑧
あたたかい日が多くなってくる4月は春の最後の時期です。
肝臓の疲れも溜まってくるころで、皮膚のかゆみや胃腸の不調がでる人もいます。
春の養生をしっかりおこなって、体調を万全にして新年度をスタートさせてください。
春分を過ぎれば本格的な春が到来し、一ヶ月たらずで暦のうえでは夏になります。
4月になると、春の臓器である”肝”の疲れがたまってくるころです。
”肝”が疲れてくると、解毒機能が落ちてしまい、細菌やウィルスに感染しやすくなったり、貧血になったり、消化吸収能力が落ちたりします。
あたたかくなってくると人間だけでなく自然界のあらゆるものが活発に動きだします。細菌やウィルスも例外でなく、春に胃腸炎になったりのどが痛くなったりと、いわゆる伝染病に感染しやすくなります。
また、胃腸の調子が悪くなるケースですが、これは”肝”が弱って疏泄(そせつ)の機能がよわくなり、胃腸の消化吸収能力が落ちる場合と、”肝”が強くなりすぎて”脾”を痛めている”木克土”という状態にある場合とがあると東洋医学では考えます。
東洋医学では臓器を5つの特性にわけており、その臓器のあいだに力関係があるのですが、”肝”が盛んになりすぎると”脾”=消化器を痛めつける特徴があります。
よくストレスで胃が痛くなる、と言いますがその状態を表しています。
なお、前者の胃腸の消化吸収能力が落ちる場合ですが、肝臓の働きが落ちると、胆汁が十分に出なくなり、特に脂質の消化吸収が悪くなると言うこともできます。
また、気持ちの面でも不調を感じることがあり、イライラしたり、落ち込んだりすることもあります。
気分の不調は自分自身が悪いのではなく、季節のせい、とわりきって、気持ちのよい場所に出かけたり、楽しいことをしたり、のびのびと過ごすことがよいでしょう。
今一度春の養生を徹底することで、春を快適に過ごしてください。
<春の養生のポイント>
- 良質なタンパク質をとる
- 貧血予防になる食材をとる
- 緑色の食材をとる
- アルコールを控える
- 早寝をする
- イライラしない、怒らない
- 適度な酸味をとる(柑橘類など)
- ストレス発散になるような運動などをする
◆ 小松菜(こまつな):余熱をとりイライラを解消する
**食材の解説**
江戸時代に小松川(現在の東京都・江戸川区周辺)で栽培されていたことより、小松菜、と呼ばれるようになったと言います。
冬が旬の野菜ではありますが、からだにこもった熱をとりイライラを解消したり、胃腸の働きを改善し通便を促したりとデトックス効果も高く、春の時期にもよい食材です。
ただし、気を降ろす性質が強いので胃腸が弱い方や下痢気味の方は控えめに。
ビタミンCやβーカロテンなどビタミン類が豊富に含まれていますが、熱に弱いのでできるだけ調理は手早く行った方がよいでしょう。
また、カルシウムが豊富なので、ほうれん草などシュウ酸が多いものと一緒にとるとカルシウムが吸収されないので気をつけてください。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ きゃべつ:胃腸を丈夫にする
◆ にんじん:胃腸の働きをよくする、貧血によるかすみ目を解消する
◆ 紫蘇:気の巡りをよくする、解毒する
◆ 豚肉:からだを潤す
春の野菜餃子
<材料> (20〜25個分)
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きゃべつ ・・・・ 100g(2〜3枚)
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小松菜 ・・・・ 1/4束
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にんじん ・・・・ 120g
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紫蘇 ・・・・ 10枚
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豚ひき肉 ・・・・ 150g
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生姜 ・・・・ 1かけ
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にんにく ・・・・ 1かけ
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塩 ・・・・ 小さじ1/2
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ごま油(黄色) ・・・・ 小さじ1
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オイスターソース ・・・・ 小さじ1
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しょう油 ・・・・ 小さじ1
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酒 ・・・・ 大さじ1
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餃子の皮 ・・・・ 20〜25枚
<作り方>
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きゃべつ、小松菜は粗みじん切りにし、塩をふりもんでおく。
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紫蘇を千切りにする。にんじん、生姜、にんにくをすりおろす。
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かるく水分をしぼった1、2、豚肉、ごま油、オイスターソース、しょう油、酒を粘りが出るまでまぜ、あんをつくる。あんを餃子の皮で包む。
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3を油をひいたフライパンにならべ、100mlの水を入れてフタをし、5分中火で焼く。水がなくなったら、フタをあけ、少量のごま油(黄色)をまわし入れ、焼き目をつける。
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