ほうれん草のごまくるみあえ 冬の薬膳⑦
冬は身体のベースを作る季節で、腎を補ってくれる食材を積極的に摂るとよいです。
オススメなのが黒ごまやくるみなど手軽に取り入れられる食材。
和え物だけでなく、彩りにふりかけたり、間食で取り入れたりしてみてください。
東洋医学で冬に大切にしたい臓器は“腎”とされています。
解剖学でいう腎臓の範囲だけでなく、私たちの成長・発育にかかせないもので、ホルモンの働きや骨、脳、耳などと関連していると考えます。
冬の時期は植物でいうと、種の時期であり、実を固く閉ざして寒さや外敵から守り、来る春に備えてしっかりと栄養を蓄えている状態です。
私たち人間も同じく、寒さや風邪から身を守り、春に向けて身体作りをする時期です。
冬の時期に腎を補ってくれるものをしっかり摂り、身体のベースを整えていくのがよいでしょう。
また、この時期に風邪をひくと十分に身体のベースが補えなくなってしまいます。
できる限り風邪をひかないよう、ひいても回復を早くできるよう、免疫力を高め、冷やさないよう心がけましょう。
冬はできるだけ身体のもとを蓄えたい時期なので、激しい運動やサウナなど大量に汗をかくのは控えた方がよいでしょう。
ダイエットももちろんこの時期は厳禁です。
春になれば身体も余分なものを出してくれるので、まずは身体のベース作りをしっかりするとよいでしょう。
<腎を補う食材>
魚介類(特にカキ、エビ)、羊肉(ラム)、豚肉、うなぎ
山芋、くるみ、黒ごま、栗、黒米 など
ほうれん草のごまくるみあえ
<食材のポイント>
◆ 胡桃(くるみ):身体を補強し、脳の働きを高める
**食材の解説**
縄文時代の遺跡からもクルミの殻が見つかっているというほど古くから食されている木の実です。
クルミの効能は多く、腎を補う、強精健脳、肺の機能を高める、気の不足によるぜんそくを解消する、腸を潤し便秘を解消する、などがあります。
お子様の脳の発育や、妊婦さんの便秘解消にも効果があるとされています。
殻の形が脳に似ていることから、大脳の働きを高めると言われています。
現代の栄養学の視点でみると、クルミにはオメガ3脂肪酸であるα−リノレン酸が多く含まれており、血流をよくする作用があります。
また、抗酸化作用が高い食材で、肝臓の脂肪代謝や肝細胞の再生を促すとされています。
他に高脂血症の予防、尿道結石の予防、ガン抑制効果などがあるとされています。
クルミは身体を温める作用が強いので、もともと熱っぽい方には向きません。
また、脂質が多く消化しにくいため、下痢になりやすい方などは控えめにした方がよいでしょう。
なお、クルミの効能のもとであるリノール酸は酸化すると発ガン性を持つようになるので、できるだけ新しいものを選ぶとよいでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ ほうれん草:血液を補う、身体を潤す
◆ 黒ごま:肝腎を補う、身体を潤す ▶︎詳細な説明はこちら
◆ 黒砂糖:身体を温める
<材料>(2〜3人分)
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ほうれん草 ・・・・ 1束
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黒ごま(すり) ・・・・ 大さじ1
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クルミ ・・・・ 1〜2片
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黒砂糖 ・・・・ 大さじ1/2
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しょう油 ・・・・ 大さじ1/2
<作り方>
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ほうれん草の根元の泥を洗い、塩ゆでし冷水にとり、軽くしぼったら5cm程度に切りしっかりしぼる。
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すった黒ごま、粗く砕いたクルミ、黒砂糖、しょう油であえ衣をつくる。
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1と2をあえる。
**** 冬におすすめの薬膳レシピ ****