きゅうりの梅肉あえ 夏の薬膳③
夏は暑いものですが、あまりに暑いとからだに悪い影響を及ぼすことがあります。いわゆる熱中症や暑気あたりです。中医学では、悪影響を及ぼす暑さのことを“暑邪(しょじゃ)”といいます。
意外に気がついていない人も多いのですが、夏風邪だと思っていたら暑気あたりだったということもあります。暑気あたりは、からだの中に余分な熱がこもり、水分のバランスが崩れてしまった状態です。
暑気あたりの症状
- 無性にのどが渇く
- からだがだるい
- 熱が出る
- のどが痛くなる、はれる
- (乾いた)咳が出る
- 目が痛い・乾く、目が充血する
- 頭痛がする
- のぼせる、頭が熱い
- 後頭部や肩がこる、痛い
- 口内炎ができる
- 眠りが浅い、寝付きが悪い
- イライラしたり不安感があり、そわそわする
- 動悸がする
夏場の体調管理には、からだにこもった熱を取り除き、からだの水分のバランスを保つことが重要です。
たくさん汗をかいて、からだの水分バランスが崩れがちな上、汗と一緒にカリウムなども排出されてしまい、夏バテもしやすくなります。
熱中症や暑気あたりを予防するには、十分な水分補給をすることが重要ですが、あわせて必要なミネラルをとっておく必要があります。
手軽な食べ方で、熱中症や夏バテ予防になる食材を取り入れるとよいでしょう。
◆ 胡瓜(きゅうり):体にこもった熱を収め、むくみをとる
**食材の解説**
夏野菜の代表格のきゅうりは、よく知られているようにむくみの解消など、利尿作用に優れています。ウリ科の食べ物は、単純に水分の排泄を助けるだけでなく、からだの水分バランスを整えてくれるので、むくみとのどの渇きの解消の両方によいです。
また、のどの痛み(はれて熱を持った痛み)の解消などからだにこもった熱を取り除く効果があります。
現代の栄養学では、血圧降下作用などがあるとされており、これはきゅうりに含まれるカリウムがナトリウムの排泄を促すためです。きゅうりの利尿作用はこのカリウムによるものです。汗といっしょにカリウムが出てしまうことで夏バテになることも多いため、夏バテの予防にも有効でしょう。
からだを冷やす効果や気を降ろす効果が強いため、寒い季節や冷え性の人には適さず、お腹が冷えてしまうため妊娠中の方もさけた方がよいでしょう。冷え性の方などは、しょうがやネギ、唐辛子など、温める食材と一緒にとることで冷やし過ぎを防げます。
また、生のきゅうりはビタミンCを破壊する酵素(アスコルビナーゼ)が含まれています。ビタミンCを含む食材と一緒にとるときは、きゅうりを加熱したり、酢を加えるなどしてください。
◆ 梅(うめ):口の乾きを収める
**食材の解説**
梅のもっとも一般的な食べ方は、梅干しでしょう。中医学では、酸味のある食材は収斂効果があるとされ、汗のかき過ぎの予防などに役立ちます。
漢方薬では、未成熟な梅の実を燻蒸したものを“烏梅(うばい)”といい、のどの渇き、空咳、慢性下痢を止める効果、回虫による腹痛の緩和の効果などがあり、梅干しでも同様の効果があるとされます。ほかに、からだの痛みの軽減などにも効果があると、古書には記されています。
現代の栄養学では、クエン酸が豊富に含まれており、血液中の乳酸などの老廃物を分解して排出させ、筋肉痛の改善や疲労回復、老化防止作用があるとされています。また、抗菌作用や回虫への効果などが認められています。
酸味が強い食材のため、胃酸が多い人は控えめにした方がよいでしょう。また、梅干しの場合塩分も多めですので、多くでも一日2〜3個にとどめた方がよいでしょう。
下痢をとめたり、抗菌作用を期待する場合は、梅干しや梅肉エキスなどがよいでしょう。口の乾きを抑えたり、疲労回復の効果を期待する場合には、梅シロップや梅ジャムでもよいでしょう。
きゅうりの梅肉あえ
<材料> (2人前)
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きゅうり ・・・・ 2本
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梅干し ・・・・ 1個
<作り方>
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きゅうりを乱切りにし、かるく塩(分量外)でもむ
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梅干しをたたき、ペースト状にする
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1のきゅうりのさっと洗い、水分を切り、2とあえる