もやしとらっきょうのサラダ 梅雨の薬膳①
本格的な夏を前に、じめじめとした梅雨の季節があります。
雨や曇りの日が続き、湿度が高くなるのがこの時期の特徴ですが、体の中も同様に湿気が溜まりやすい季節です。
体の中に湿気が溜まると次のような症状がでます。
体の中に湿気が溜まったときに出やすい症状
体の中に湿気がたまる原因としては、湿度など外的環境がまずあげられます。
日本の夏は高温多湿のため、梅雨から夏にかけてこのような症状が出やすくなります。
また、食べ物や飲み物など食習慣から湿気が溜まる場合もあります。
湿気をためやすい食べものの例として、
・ 甘いもの
・ 冷たい飲み物
などがあげられます。
いわゆる”夏バテ”の状態が、まさに湿気が溜まった状態です。
暑いからといって、毎日冷たい飲み物やアイスばかり食べていると、体の中に湿気がたまり、食欲がなくなったり、体がだるくなったりします。
夏バテの予防のためにも、梅雨の時期に体の中に湿気をためない養生をすることが大切です。
今回は、梅雨から夏にかけて食べたい、体の余分な水分を取り除く食材を中心に紹介します。
◆ 緑豆もやし(りょくとうもやし):体の余分な熱や水分を取り除く
**食材の解説**
もやしは緑豆の発芽したもので、リーズナブルで料理も簡単にできる食材ですが、その効能はまさに夏にうってつけです。
緑豆は、夏の暑さや余分な水分を体から取り除く作用に優れています。暑さで体がほてった時、むくんでしまった時に最適な食材です。また、アルコールの解毒作用もあるため、二日酔いを早く解消する効果があります。
中国では、夏場の暑さを乗り切るために、緑豆のおしるこがよく飲まれ、熱中症にならないよう外出先でも食べれる缶の緑豆しるこも売られています。
その緑豆が発芽した緑豆もやしも同じような効果があり、体の余分な熱や水分を取り除く効果があります。(緑豆の方がより効果が強いです。)
現代の栄養学では、コレステロール値の効果作用、有機リン(農薬)の排出や発ガン性物質の抑制の効果があるとされています。
体を冷やす効果が強いので、冷え性の方や妊娠中の方は体調の悪いときは控えた方がよいでしょう。また、解毒作用が強いため、薬の効能を下げてしまうこともあります。
◆ 辣韭・薤白(らっきょう):気の巡りをよくし、体を温める
**食材の解説**
梅雨の時期に保存食として酢漬けにするが多いらっきょうですが、梅雨の時期に食べたい食材です。
体に湿気が溜まると、体の中の水分の流れも悪くなりますが、同時に気の流れも悪くなります。
らっきょうには気の流れを良くし、体を温める効果があります。特に胸やお腹の冷えを解消したり、つまった感じを取り除く効果があり、狭心症や胸のしびれに効果があるとされています。
現代では、抗菌作用、高脂血症の予防に効果があるとされいます。
体を温める効果が強いので、熱っぽい体質や微熱のある方はさけた方がよいでしょう。また、酢漬けは生のらっきょうを用いているため、少量なら胃腸の働きを活性化しますが、食べ過ぎると胃の粘膜を傷つけるので注意が必要です。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 紫蘇:気の巡りをよくする、魚介類(特にカニ)の中毒の解毒をする
◆ トマト:のどの渇きなどを抑える、食欲不振の改善
もやしとらっきょうのサラダ
<材料> (2〜3人前)
-
もやし ・・・・ 1袋
-
らっきょう(甘酢漬け) ・・・・ 4個
-
ミニトマト ・・・・ 4個
-
しそ ・・・・ 4枚
(ドレッシング)
-
しょうゆ ・・・・ 大さじ1
-
酢 ・・・・ 大さじ2
-
砂糖 ・・・・ 小さじ2
-
ごま油 ・・・・ 大さじ1
<作り方>
-
ドレッシングの材料を混ぜ合わせておく。
-
らっきょうを粗みじん切り、ミニトマトを輪切り、しそを千切りにしておく。
-
もやしをさっとゆで、水分を切ったら熱いうちにドレッシングの半分の量と混ぜる。
-
お皿に3をもり、ミニトマト、らっきょう、しそをのせ、残りのドレッシングをかける。