海老と韮の中華風葛スープ 冬の薬膳
寒に入ると寒さも一段と増してきて寒さから風邪をひいてしまう人も多いです。
葛は身体を温めるものと一緒にとると風邪予防にもなります。
身体を温める海老と韮を使った葛のスープで芯から暖まり、風邪を予防しましょう。
冬場は風邪をひく人も多いと思いますが、風邪のときに葛根湯を飲むという人もいらっしゃると思います。
また、他の漢方薬は知らなくても、葛根湯だけは知っている、飲んだことがある、という方も多いでしょう。
落語の小咄にでてくる葛根湯医者のように、何でも葛根湯、とするのはもちろん藪医者だと思いますが、風邪ならすべて葛根湯、とするのも漢方薬があまり効かない、と言われてしまう由縁かと思います。
葛根湯が風邪に効果があるのは、風邪をひき始めたな、というタイミングで飲んだ場合です。
風邪は3日もすれば治ってしまいますので、背筋に寒気を感じはじめたときや何となく熱っぽくなったり、身体がだるくなったりし始めたタイミングが風邪をひき始めた時、すなわち葛根湯を飲む時期です。
何日も寝込んだ後や、熱が下がり咳や鼻が残ったりしているときに葛根湯を飲んでも効果がありませんし、長く飲んでも効果はありません。
風邪には大別すると
- 熱:免疫反応で身体に熱が出ているもの
- 寒:寒さに負けて身体の免疫機能が落ちているもの
があります。
風邪の寒熱によりどの食材がよいのか、どの漢方薬がよいのかを選ぶ必要があるのですが、葛根湯は寒熱どちらのタイプでも使えるものなので、どの風邪のタイプでもおおよそ効果があるという利点があり、漢方に詳しくない人でも比較的使いやすい漢方薬であるため広く風邪薬として使われているのだと思います。
また、葛根湯は肩こりや筋肉痛などにも効果があります。
風邪に用いる漢方薬は葛根湯以外にも、
- 麻黄湯
- 小青竜湯
- 柴胡桂枝湯
- 銀翹散
- 麦門冬湯
などたくさんの種類がありますが、どの漢方薬を用いる方がよいか、より詳しく診断をして漢方薬を選ぶ場合には漢方医などに任せた方がよいでしょう。
海老と韮の中華風葛スープ
<食材のポイント>
◆ 葛、葛根(くず、かっこん):風邪を発散する
**食材の解説**
葛根湯に含まれている生薬の一つが、葛根(かっこん)、くずです。
葛の根からデンプンを取り出したものが本葛で、葛湯や葛餅、葛きり、料理のとろみ付けにも用いられます。
葛根は、
- 初期の風邪を発汗させ発散させる
- 上半身のこわばりをとる
- お酒などの解毒をする
などの効能があります。
ただし、風邪を発散させる作用は葛だけでは弱いので、もし風邪をひいたときに使う場合はねぎや生姜、シソ、豆鼓、シナモンなど発散させるものを一緒にとると良いです。
葛をスープや葛湯にするととろみが出るので、冷めにくく身体も温まりやすいです。
少し高いものではありますが、ねぎや生姜、シソ、シナモンなど身体を温めてくれるものと一緒にとれば風邪予防にもなりますので、ぜひ取り入れてみてください。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ ニラ: 身体を温める、血流を良くする ▶︎ 詳しい食材の説明はこちら
◆ えび: 腎を補い、冷えをとる ▶︎ 詳しい食材の説明はこちら
◆ 生姜:身体を温める、解毒する
◆ 黒胡椒:お腹を温める、気の巡りを良くする
<材料>(2人分)
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むきえび ・・・・ 100g
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ニラ ・・・・ 50g
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本葛 ・・・・ 大さじ1
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生姜 ・・・・ 少々
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中華スープのもと ・・・・ 小さじ2
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酒(あれば紹興酒)・・・・ 大さじ1
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塩 ・・・・ 少々
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黒胡椒 ・・・・ 少々
- 水 ・・・・ 400ml
<作り方>
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葛粉はあらかじめ少量の水(分量外)で溶かしておく。えびは背わたがあれば取り除いておく。生姜は千切りにする。ニラは1cmくらいに切る。
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鍋に水と生姜、中華スープのもと、酒を入れ、煮立ったらえびをいれる。えびに火が通ったら、ニラを入れる。
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2に水で溶いた本葛を入れ、とろみをつける。塩、胡椒で味を整える。
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