青菜のおひたし 春の薬膳⑦
気候もよく行楽に出かけたくなるのが春、という人より、春は花粉症でツラいと悩む人の方が多くなってきたかもしれません。
花粉症の症状はよくならないもの、と思っている方もいるかもしれませんが、しっかりと養生をすればかなり改善されることもあります。
花粉症対策にオススメの緑の野菜を多くつかった春の薬膳レシピです。
春は”肝”という臓器の負担が大きい季節です。
この肝の働きを正常に保つようにするのが春の養生の基本です。
”肝”の働きとしては、”蔵血(ぞうけつ)”という血液を貯蔵する働きと、”疏泄(そせつ)”という機能があります。
”疏泄”とは簡単にいうと、流れをよくする、ということで、気血の流れのほか各臓器の流れもよくします。
冬の間はからだは溜め込む状態になっていますが、春になると肝の”疏泄”の機能により余分なものを出していきます。
そのとき、アルコールや毒のあるものがからだに多くあると、肝は解毒するのに忙しくなってしまい、老廃物をからだから十分に出すことができない状態になります。
花粉症の方の中には、肝の機能が十分に発揮できないため老廃物や熱、花粉が体内に多く溜まってしまいアレルギーのような症状を引き起こしている方もいます。
花粉症に悩まれている方は、春の養生をしっかりとすることで症状が緩和されることがあります。
<花粉症の養生のポイント>
- 肝の熱をとる食材をとる(貝類、セリ科、菊の花、クレソン)
- 解毒作用のある食材をとる(生姜、シソ、緑豆もやし、山菜、菜の花、キャベツ)
- 気の巡りをよくする食材をとる(柑橘類、玉ねぎ、シソ、ミント)
- 食物繊維が多い食材をとる
- 発酵食品をとる
- 良質なタンパク質をとる
- アルコールを控える
- 早寝をする
- イライラしない、怒らない
- からだを冷やさない
なお、一般に体調の改善に3ヶ月、症状の改善に1年、体質の改善に3年、と言われます。
できれば冬から行うことが望ましいですが、今からでも症状の軽減につながることもあるので、根気よく行ってみてください。
◆ 紫蘇・大葉(しそ・おおば):気の巡りよくする、解毒する
**食材の解説**
シソは、からだをあたため、気の巡りをよくする食材で、寒さからくる風邪にも用いられる食材です。
また、胃腸の働きを改善する働き、魚やカニの毒素を消す作用があります。
漢方薬でも、蘇葉(そよう)という生薬として含まれている薬効の高いものですが、日本でもよく使われる食材ですので、日常的に取り入れやすいでしょう。
例えば、お刺身には大根のツマ、シソが添えてありますが、ワサビだけでなく大根もシソも魚の毒を消す食材です。
お刺身を食べる際は、ぜひツマも一緒に召し上がるとよいでしょう。
シソの薬効成分は揮発しやすいので、生か加熱時間を短くして調理するとよいでしょう。
また、からだをあたためる効果があるので、熱っぽい人は控えめにした方がよいでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ きゃべつ:胃腸を丈夫にする
◆ ほうれん草:貧血を改善し血の巡りをよくする
◆ 小松菜:余分な熱をとる、胃腸の働きを改善し通便をよくする
青菜のおひたし
<材料> (2〜3人前)
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ほうれん草 ・・・・ 200g(1束)
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きゃべつ ・・・・ 200g(3〜4枚)
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小松菜 ・・・・ 150g(2/3束)
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油揚げ ・・・・ 2枚
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だし汁 ・・・・ 200ml
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しょう油 ・・・・ 小さじ5
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みりん ・・・・ 小さじ5
<作り方>
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油揚げは熱湯で油を抜き、千切りにする
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ほうれん草は塩ゆでし冷水にとり水を切る。きゃべつ、小松菜はゆで、冷ましておく。それぞれ5cm程度に切る。
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だし汁、しょう油、みりんを混ぜ、しっかり水を切った1と2を入れあえる。
**** 過去の春の薬膳レシピ ****