蕪ときのこのバルサミコあえ 秋の薬膳
寒い時期は食べるものも生よりも加熱したものがよいです。
生野菜のサラダなどは春まではお休み。
バルサミコとオリーブオイルで和えるだけなので、サラダのかわりに取り入れてみてください。
薬膳では、体調や体質だけでなく、その時期にあったものを摂ることも非常に大切です。
ここでは季節ごとに薬膳レシピを紹介していますが、スーパーにいけば年中手に入る食材も多く、生活自体も季節感を感じにくくなっています。
昔は季節のものしか手に入らず自然に季節のものを摂っていたわけですが、選択の自由が多い今の社会では、季節にあわせて食材を選ぶ、ということ逆に難しくなっていると感じます。
食養生のお話をしていて、寒くなってきたので旬のお野菜も温かく摂ってください、とお話しすると、
「生野菜がいい、と聞いたので、レタスとトマトのサラダをがんばって食べていたんですけど…。」
「○◯という野菜がいい、と聞いたので、おいしくないけど毎日食べています…。」
と話される方がおります。
健康にいいはずだから、とご本人はせっかく努力されているのですが、体に合わないために体調を崩してしまう、という本末転倒なことになっていることがあるのです。
夏によい食材でも、冬に摂れば体調を崩す原因になることもあります。
旬のものをとる、ということを意識するだけでもよいです。
また、寒くなり始めたら調理法も温かく摂ることを意識してみてください。
蕪ときのこのバルサミコあえ
<食材のポイント>
◆ 蕪菁・蕪(かぶら):消化を促す、解毒する
**食材の解説**
多種多様な品種がある蕪ですが、日本では奈良時代には食されていたほど古くからある食材です。
「蕪菁は、上下ともに平素日用の菜であり、諸葛孔明の種をまつまでもなく、民間では毎(つね)に住むところで四時いつでも採り用いている。」
と江戸時代の『本朝食鑑』には記されており、今よりも身近なものであることが伺えます。
中国では2000年前には食されており、「諸葛菜」とも呼ばれます。
三国志で有名な諸葛孔明が遠征の際に食料確保のために兵士に蕪の種をまくよう指示していたことに由来するようです。
東洋医学的には、
- 消化を促す
- 気を下ろす
- 痰を取る
- 咳をとめる
といった効果があります。
『本朝食鑑』には、
「蕪菁の根茎は、気を下し食を消すけれども、脾胃の気を傷(そこな)わないので、平生の飲食の助けとする。その有益さから、上下ともにこれを用いずということはない。」
とありますので、かぶは味だけでなく、その効能も胃に優しいものです。
かぶには大根と同じく、ジアスターゼという酵素が含まれており消化を進めてくれることが現代の栄養学でもわかっています。
胃の弱い人にもよい食材ですので、秋から冬にかけて取り入れてほしい食材の一つです。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ きのこ:気を補う、通便を促す
◆ くるみ:肺を温める、通便を促す
◆ 白ごま:肺や皮膚を潤す、通便を促す
<材料>
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蕪(大) ・・・・ 1個
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しめじ ・・・・ 1/2株
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エリンギ ・・・・ 1/2パック
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クルミ ・・・・ 4個
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白ごま ・・・・ 大さじ1
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バルサミコ ・・・・ 大さじ1
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オリーブオイル ・・・・ 大さじ1
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塩 ・・・・ 小さじ1/2
<作り方>
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蕪は1〜2センチのこして葉を落とし、くし切りにして皮をむく。1分ほど塩ゆで(分量外)する。
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しめじ、エリンギは石突を落として食べやすい大きさに切る。少量のオリーブオイル(分量外)をひいたフライパンでしんなりするまで焼く。
*** 秋におすすめの薬膳レシピ ***
yakuzen-gohan.hatenablog.com