くるみ、干し椎茸と黒米の炊込みご飯 冬の薬膳
東洋医学では冬の臓器は腎が当てられています。
ホルモンや骨、脳なども関係するので、腎を補う食材はアンチエイジング効果があるものです。
乾物にも腎を補うものがあるので上手に取り入れてみてください。
一年で最も日の短くなる冬至(とうじ)のことを
『一陽来復(いちようらいふく)』
とも言います。
古来中国では、この日を “陰が極まり陽が生じ始める日” と考え一年の始まりとしていた時期もありました。
冬至を境に日照時間も少しずつ長くなっていきますが、寒さはこれからが本番です。
芽吹いたばかりの陽の気を大事に育てるためにも、身体を冷やさないようにすることが大切です。
食事も体を温めるものを摂ることはもちろん、陽の気を育ててくれるものをとるようにします。
漢方の生薬は、どのような製法によって作られたかによって、その生薬の特性も変わると考えます。
例えば、酒蒸しをすれば体を温める効能が強くなったり、塩を用いれば腎を補う作用や腎の経絡に入りやすくなったりします。
冬の時期は本来植物も少なく、昔は保存していたものを食べることがほとんどであったと思います。
干し椎茸などの乾物は、太陽の力を利用して保存食にしたものですので、その陽の気を補ってくれるものと考えられます。
忙しいとなかなか取り入れられないことが多い乾物ですが、簡単に戻せるものもあるので上手に使いたいものです。
年越しそばの出汁やおせちの煮物など折角の機会には取り入れてみてください。
クルミと黒米の炊込みご飯
<食材のポイント>
◆ どんこ(干し椎茸):腎を補う、気を補う
**食材の解説**
干し椎茸は干すことによって保存できるようになるだけでなく、うま味も増し、更に栄養価も優れたものになります。
椎茸の効能としては、
- 胃腸を養い元気にする
- 止血する
といった作用があります。干し椎茸は、天日干しすることでエルゴステロールがビタミンDへと変化することが知られています。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にしてくれるものですので、干し椎茸は東洋医学的には骨と関係する、腎の働きを助けてくれる食材、と考えられます。
また、食物繊維が多く便通を促したり、免疫力と関係するβ−グルカンも含みますが、消化力の弱い人は逆に負担になりますので食べ過ぎには注意しましょう。
ちなみに江戸時代の『本朝食鑑』の椎茸の項には、
『能く葱・蒜(にら)の臭気を除き、葱羹(あつもの)に二・三箇入れると臭気は薫じない。あるいは蒜を食べた後、二・三茸を食べれば、口臭も消え、人の旁でも蒜の臭気は覚えない。』
とありますので、気になる方は是非試してみてください。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 黒米:腎を補う、血液を補う
◆ くるみ:腎を補う、肺を温める、通便を促す
◆ 白米:元気をつける、胃腸を整える
<材料>
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白米 ・・・・ 1・3/4合
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黒米 ・・・・ 1/4合
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くるみ ・・・・ 50g
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干し椎茸 ・・・・8g
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(薄口)醤油 ・・・・ 大さじ2
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酒 ・・・・ 小さじ2
<作り方>
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干し椎茸を戻しておく。白米と黒米を研ぎ、1時間程度浸水する。
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戻した干し椎茸とくるみを粗くみじん切りする。
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炊飯器に白米、黒米、干し椎茸の戻し汁、醤油、酒を入れ、炊飯器の分量まで水を入れ、炊飯する。炊き上がったら全体を混ぜてお椀によそる。
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