豆腐とオクラのスープ 夏の薬膳⑥
前回に引き続き、夏の薬膳です。
昆布茶を使った豆腐とオクラのスープ。
からだの水分を補いながら、疲労回復、食欲不振を解消するレシピです。
立秋を過ぎると暑い日が続いても徐々に自然もからだも秋への準備を始めます。
夏の疲れは夏のうちに解消し、秋への準備を早めにすることが、次の季節を快適に過ごすコツです。
夏の後半は、暑さにより溜まった余分な熱を取り除くことはもちろんですが、水分バランスを整え、粘膜を強くし、免疫力を上げることが大切です。
これは来る秋の季節の特徴、“涼燥”、つまり気温の低下と乾燥に備えるためです。
秋になれば涼しくなり、湿度も下がりとても過ごしやすい時期です。しかし、いつまでも夏の気分でいると、夜風でお腹を壊したり、乾燥でのどが痛くなったりします。
気温の低下には、必要以上に冷たいものをとることや、夜にお腹を出して寝ることを避けることが大切です。
乾燥には、のどや鼻をはじめとした粘膜の水分を保つことが大切です。
夏の暑さで内側にこもった熱を取り除き、失われた水分を補いながら、夏バテを解消しましょう。
◆ 豆腐(とうふ):体内にこもった熱をおさめ、からだを潤す
**食材の解説**
豆腐は2000年以上までに中国で発明され、奈良時代に日本に渡ってきました。今は柔らかいものが多いですが、昔は石の上に落としても割れないほど固かったそうです。
豆腐はからだの中にこもった熱を収め、内蔵を潤す効果があり、肺に熱があるような咳をする時などに用いられます。また、唾液などの分泌を促し口の渇きを抑える、解毒する、胃腸の気の巡りをよくし老廃物を排泄するなどの効果があります。
現代の栄養学でも豆腐は健康食品としてみられることが多い食材です。原料である大豆のままではタンパク質の吸収はされにくいですが、豆腐にすることで強化吸収が高くなります。絹ごし豆腐よりも木綿豆腐の方がタンパク質やカルシウムが多く含まれます。
なお、胃腸を冷やす効果があるので、下痢をしやすい方は控えた方がよく、冷や奴よりも加熱した調理でとったり、生姜やネギ、シソなどの薬味と一緒にとった方がよいでしょう。
また、プリン体を多く含むため、痛風の方は控えた方がよいでしょう。タンパク質が多いため、腎炎の方も控えめに。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 秋葵(オクラ):食欲不振を解消する、疲労回復、(特に夏の)便秘を解消する
◆ 昆布:熱を収める、利尿してむくみを解消する、痰を切る
◆ 椎茸:夏バテを解消し、余分な熱を収める、胃腸を養い元気をつける
豆腐とオクラのスープ
<材料> (2人前)
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豆腐 ・・・・ 50g
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オクラ(小) ・・・・ 2本
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しいたけ(小) ・・・・ 2個
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昆布茶 ・・・・ 小さじ3
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水 ・・・・ 300cc
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塩 ・・・・ 少々
<作り方>
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豆腐をさいの目に切る。オクラは輪切り、しいたけは薄切りにしておく。
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沸騰した湯に昆布茶をいれ、1をいれる。
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塩で味を整える。
※ 冷え性の方や、胃腸の冷えが気になる方は、生姜を加えるとよいでしょう。
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