きゅうりの梅肉あえ 夏の薬膳③
夏は暑いものですが、あまりに暑いとからだに悪い影響を及ぼすことがあります。いわゆる熱中症や暑気あたりです。中医学では、悪影響を及ぼす暑さのことを“暑邪(しょじゃ)”といいます。
意外に気がついていない人も多いのですが、夏風邪だと思っていたら暑気あたりだったということもあります。暑気あたりは、からだの中に余分な熱がこもり、水分のバランスが崩れてしまった状態です。
暑気あたりの症状
- 無性にのどが渇く
- からだがだるい
- 熱が出る
- のどが痛くなる、はれる
- (乾いた)咳が出る
- 目が痛い・乾く、目が充血する
- 頭痛がする
- のぼせる、頭が熱い
- 後頭部や肩がこる、痛い
- 口内炎ができる
- 眠りが浅い、寝付きが悪い
- イライラしたり不安感があり、そわそわする
- 動悸がする
夏場の体調管理には、からだにこもった熱を取り除き、からだの水分のバランスを保つことが重要です。
たくさん汗をかいて、からだの水分バランスが崩れがちな上、汗と一緒にカリウムなども排出されてしまい、夏バテもしやすくなります。
熱中症や暑気あたりを予防するには、十分な水分補給をすることが重要ですが、あわせて必要なミネラルをとっておく必要があります。
手軽な食べ方で、熱中症や夏バテ予防になる食材を取り入れるとよいでしょう。
◆ 胡瓜(きゅうり):体にこもった熱を収め、むくみをとる
**食材の解説**
夏野菜の代表格のきゅうりは、よく知られているようにむくみの解消など、利尿作用に優れています。ウリ科の食べ物は、単純に水分の排泄を助けるだけでなく、からだの水分バランスを整えてくれるので、むくみとのどの渇きの解消の両方によいです。
また、のどの痛み(はれて熱を持った痛み)の解消などからだにこもった熱を取り除く効果があります。
現代の栄養学では、血圧降下作用などがあるとされており、これはきゅうりに含まれるカリウムがナトリウムの排泄を促すためです。きゅうりの利尿作用はこのカリウムによるものです。汗といっしょにカリウムが出てしまうことで夏バテになることも多いため、夏バテの予防にも有効でしょう。
からだを冷やす効果や気を降ろす効果が強いため、寒い季節や冷え性の人には適さず、お腹が冷えてしまうため妊娠中の方もさけた方がよいでしょう。冷え性の方などは、しょうがやネギ、唐辛子など、温める食材と一緒にとることで冷やし過ぎを防げます。
また、生のきゅうりはビタミンCを破壊する酵素(アスコルビナーゼ)が含まれています。ビタミンCを含む食材と一緒にとるときは、きゅうりを加熱したり、酢を加えるなどしてください。
◆ 梅(うめ):口の乾きを収める
**食材の解説**
梅のもっとも一般的な食べ方は、梅干しでしょう。中医学では、酸味のある食材は収斂効果があるとされ、汗のかき過ぎの予防などに役立ちます。
漢方薬では、未成熟な梅の実を燻蒸したものを“烏梅(うばい)”といい、のどの渇き、空咳、慢性下痢を止める効果、回虫による腹痛の緩和の効果などがあり、梅干しでも同様の効果があるとされます。ほかに、からだの痛みの軽減などにも効果があると、古書には記されています。
現代の栄養学では、クエン酸が豊富に含まれており、血液中の乳酸などの老廃物を分解して排出させ、筋肉痛の改善や疲労回復、老化防止作用があるとされています。また、抗菌作用や回虫への効果などが認められています。
酸味が強い食材のため、胃酸が多い人は控えめにした方がよいでしょう。また、梅干しの場合塩分も多めですので、多くでも一日2〜3個にとどめた方がよいでしょう。
下痢をとめたり、抗菌作用を期待する場合は、梅干しや梅肉エキスなどがよいでしょう。口の乾きを抑えたり、疲労回復の効果を期待する場合には、梅シロップや梅ジャムでもよいでしょう。
きゅうりの梅肉あえ
<材料> (2人前)
-
きゅうり ・・・・ 2本
-
梅干し ・・・・ 1個
<作り方>
-
きゅうりを乱切りにし、かるく塩(分量外)でもむ
-
梅干しをたたき、ペースト状にする
-
1のきゅうりのさっと洗い、水分を切り、2とあえる
もやしとらっきょうのサラダ 梅雨の薬膳①
本格的な夏を前に、じめじめとした梅雨の季節があります。
雨や曇りの日が続き、湿度が高くなるのがこの時期の特徴ですが、体の中も同様に湿気が溜まりやすい季節です。
体の中に湿気が溜まると次のような症状がでます。
体の中に湿気が溜まったときに出やすい症状
体の中に湿気がたまる原因としては、湿度など外的環境がまずあげられます。
日本の夏は高温多湿のため、梅雨から夏にかけてこのような症状が出やすくなります。
また、食べ物や飲み物など食習慣から湿気が溜まる場合もあります。
湿気をためやすい食べものの例として、
・ 甘いもの
・ 冷たい飲み物
などがあげられます。
いわゆる”夏バテ”の状態が、まさに湿気が溜まった状態です。
暑いからといって、毎日冷たい飲み物やアイスばかり食べていると、体の中に湿気がたまり、食欲がなくなったり、体がだるくなったりします。
夏バテの予防のためにも、梅雨の時期に体の中に湿気をためない養生をすることが大切です。
今回は、梅雨から夏にかけて食べたい、体の余分な水分を取り除く食材を中心に紹介します。
◆ 緑豆もやし(りょくとうもやし):体の余分な熱や水分を取り除く
**食材の解説**
もやしは緑豆の発芽したもので、リーズナブルで料理も簡単にできる食材ですが、その効能はまさに夏にうってつけです。
緑豆は、夏の暑さや余分な水分を体から取り除く作用に優れています。暑さで体がほてった時、むくんでしまった時に最適な食材です。また、アルコールの解毒作用もあるため、二日酔いを早く解消する効果があります。
中国では、夏場の暑さを乗り切るために、緑豆のおしるこがよく飲まれ、熱中症にならないよう外出先でも食べれる缶の緑豆しるこも売られています。
その緑豆が発芽した緑豆もやしも同じような効果があり、体の余分な熱や水分を取り除く効果があります。(緑豆の方がより効果が強いです。)
現代の栄養学では、コレステロール値の効果作用、有機リン(農薬)の排出や発ガン性物質の抑制の効果があるとされています。
体を冷やす効果が強いので、冷え性の方や妊娠中の方は体調の悪いときは控えた方がよいでしょう。また、解毒作用が強いため、薬の効能を下げてしまうこともあります。
◆ 辣韭・薤白(らっきょう):気の巡りをよくし、体を温める
**食材の解説**
梅雨の時期に保存食として酢漬けにするが多いらっきょうですが、梅雨の時期に食べたい食材です。
体に湿気が溜まると、体の中の水分の流れも悪くなりますが、同時に気の流れも悪くなります。
らっきょうには気の流れを良くし、体を温める効果があります。特に胸やお腹の冷えを解消したり、つまった感じを取り除く効果があり、狭心症や胸のしびれに効果があるとされています。
現代では、抗菌作用、高脂血症の予防に効果があるとされいます。
体を温める効果が強いので、熱っぽい体質や微熱のある方はさけた方がよいでしょう。また、酢漬けは生のらっきょうを用いているため、少量なら胃腸の働きを活性化しますが、食べ過ぎると胃の粘膜を傷つけるので注意が必要です。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 紫蘇:気の巡りをよくする、魚介類(特にカニ)の中毒の解毒をする
◆ トマト:のどの渇きなどを抑える、食欲不振の改善
もやしとらっきょうのサラダ
<材料> (2〜3人前)
-
もやし ・・・・ 1袋
-
らっきょう(甘酢漬け) ・・・・ 4個
-
ミニトマト ・・・・ 4個
-
しそ ・・・・ 4枚
(ドレッシング)
-
しょうゆ ・・・・ 大さじ1
-
酢 ・・・・ 大さじ2
-
砂糖 ・・・・ 小さじ2
-
ごま油 ・・・・ 大さじ1
<作り方>
-
ドレッシングの材料を混ぜ合わせておく。
-
らっきょうを粗みじん切り、ミニトマトを輪切り、しそを千切りにしておく。
-
もやしをさっとゆで、水分を切ったら熱いうちにドレッシングの半分の量と混ぜる。
-
お皿に3をもり、ミニトマト、らっきょう、しそをのせ、残りのドレッシングをかける。
にらの花椒ソース 便秘の薬膳③
今回は冷えタイプの便秘の薬膳です。
(便秘のタイプの紹介はこちらから▶︎便秘の薬膳①)
冷えタイプの便秘では、冷えることにより、腸のぜんどう運動が弱まり、便秘になるタイプです。もともと冷え性の人の人に多く、お腹やからだを温め、腸のぜんどう運動を促すことが改善につながります。
お腹を中心に体が温まる食材を積極的にとるとよいでしょう。また、冷たいものを控えたり、お腹や下半身が冷えないような服装にしたり、運動したりすることも、全身が温まるため有効な方法です。
韮(にら)
スタミナ食材といって真っ先にあげられるものの一つですが、中国語でも「起陽草」(陽気を起こす草=からだを温めて機能を活発にしたり、精力を増強させたりする)と言われています。
効能としては、胃腸など腹部を温め気の巡りを改善する、臓器をあたためて機能を回復させる、腰や膝の冷えをとり丈夫にする、生殖機能を高めることがあげられます。また、鼻血や吐血などあらゆる出血の改善、胸のしびれの改善、解毒作用があるともされています。
現代の研究でも生殖機能を高める作用、血液循環をよくする作用、抗菌作用があることがわかっています。また、ニラやネギ、ニンニクの特有の香りはアリシンという成分によります。アリシンは、豚肉やレバーなどに含まれるビタミンB1の吸収を高めるほか、発ガン性物質の解毒酵素を助ける作用、抗酸化作用が認められています。
からだが冷える人に適した食材ですが、暑がりの人や高血圧の人、肝炎の人はあまり食べない方がよいでしょう。
花椒(かしょう)・山椒(さんしょう)
ピリリとした独特の辛みがあり、麻婆豆腐にも使われています。
こちらもお腹を温める効果があり、腹痛を治めます。一般的には、冷えによる下痢に用いることが多いので、ほかの便秘のタイプの方には不向きです。
ほかに、体の湿気を取り除く効果、殺虫効果(回虫など)があるほか、虫歯の穴につめると痛みを軽減させるとされています。生理痛にも効果があります。
加熱時間が長くなると、成分が揮発してしまうので注意してください。
その他の食材
- 生姜:胃を温める効果
- 黒砂糖:お腹を冷えをとり、痛みを抑える
にらの花椒ソース
<材料> (2人前)
- にら ・・・・ 1束
(ソース)
- 生姜 ・・・・ 5g
- ごま油 ・・・・ 大さじ1
<作り方>
- ごま油と花椒をフライパンで熱し、香りがでたら火から下ろす。
- みじん切りにした生姜にし、しょうゆ、酢、黒砂糖と1をあわせる。
- ニラを手早くゆで(1分程度)、冷ます。
- ニラをたべやすい大きさに切り、2のソースをかける。
便秘のタイプをチェック ↓
貧血タイプの便秘の方 ↓
便秘の薬膳② きのこと種実のいろいろ炒め
便秘の薬膳①で便秘にはさまざまなタイプがあることを取り上げましたが、今回は女性に多い貧血タイプの便秘の薬膳です。
貧血タイプの便秘では、貧血によりからだの水分量が少なくなっているため、腸内の水分も少なくなり、便秘になっているタイプです。貧血を改善しながら、腸内の水分も補うことが必要です。
ごまやナッツ類は、腸内を潤し排便をスムーズにさせる効果があるものがたくさんあります。また、黒きくらげや黒ごまなどは血液を作る作用を助け、貧血に効果があります。一般にきのこは食物繊維も多く、便秘を改善する効果があるので、うまく組み合わせて取り入れるとよいでしょう。
黒木耳(くろきくらげ)
広葉樹の枯れ木に生えるきのこの一種で、食感がクラゲに似ていたことから木クラゲと名付けられました。中華料理では一般的に使われているものの、日本では今までなじみが薄かったようですが、近頃はスーパーでも生のものを見かけるようになりました。
黒きくらげは、貧血の改善や血流をよくし血液中にこもった熱をとる効果、腸を丈夫にする効果などがあり、貧血だけでなく、便が乾燥して出血するような痔の止血に効果があるとされています。
現代の研究では、抗菌作用、抗がん作用、動脈硬化の予防、傷口を修復する作用があるとされています。ビタミンも豊富に含むほか、鉄分だけでなくカルシウムも豊富に含まれています。
一方、黒きくらげに含まれるカルシウムの吸収を妨げるので、シュウ酸を多く含むほうれん草や食物繊維の粗いごぼうとは一緒にとらない方がよいでしょう。さらに、一緒に接種しない方がよいものとして、ビタミン剤(ビタミンが過剰になるため)、抗生物質(カルシウムが結合し吸収しにくくなるため)があげられます。
その他のきのこ
しめじ:血を補い、通便を促す効果があります。コレステロールの抑制や高血圧の予防にも効果があるとされます。
エリンギ:体の水分を補います。ほかに、空咳や手足のほてりをとります。
えのき茸:通便を促す効果があります。動脈硬化や肌荒れの予防にも効果があるとされます。
白ごま(白胡麻)
通便を促したり、皮膚の乾燥を防いだり、体の水分調整をする作用があります。古医書である『食物本草』では「五穀の中で体に最も良いので“五穀の長”といわれ、長期に服用すれば、脳の活動がよくなり、長寿になる」とされています。
黒ごまと同様、殻が堅いのでひねってから使うとよいでしょう。また、リノール酸は酸化しやすいため、新鮮なものを使うようにした方がよいです。
下痢をしている方には不向きです。
松の実(松子)
肺や大腸を潤すため、通便を促したり、肺の乾燥を防いだりします。また、めまいやかゆみを抑える効果もあります。中国では滋養強壮食品としても有名です。
現代の栄養学では、免疫力を高める作用、がん抑制作用、抗菌作用なども認められています。
栄養価も高く、抗酸化作用のあるリノール酸も多く含まれていますが、こちらもごまと同じく過酸化すると発がん性を持つため、その年のうちに食すようにした方がよいでしょう。
(黒ごまは春の薬膳④で紹介しています。)
きのこと種実のいろいろ炒め
<材料> (2人前)
- 黒きくらげ(戻したもの) ・・・・ 40g
- しめじ ・・・・ 50g
- エリンギ ・・・・ 50g
- えのきだけ ・・・・ 60g
- 黒ごま ・・・・ 小さじ1
- 白ごま ・・・・ 小さじ1
- 松の実 ・・・・ 小さじ1/2
- しょうが ・・・・ ひとかけ
- しょうゆ ・・・・ 小さじ2
- ごま油 ・・・・ 大さじ1
<作り方>
- 黒きくらげはいしづきをとり、1cm幅に切る。エリンギも食べやすい大きさに切り、その他のきのこもいしづきをとり、ほぐしておく。
- しょうがは粗みじん切りにする。
- フライパンにごま油、しょうがをいれ、香りがたったらきのこをいれる。
- きのこがしんなりしたら、しょうゆを加え、最後に黒ごま、白ごま、松の実をひねりいれる。
貧血の方にオススメの記事↓
便秘のタイプ 便秘の薬膳①
病気ではないけれども、すっきりしないと日々快適に過ごせないものの一つに便秘があげられるでしょう。多くの方が悩んでおり、便秘薬や健康食品、改善すると言われる解消法を試すものの、改善がみられない、というケースも少なくありません。また長いあいだ下剤を使用していると、自力で排便できなくなることもあります。
便秘になる場合、何らかの原因で、腸のぜんどう運動が行われていない、腸内の水分が足りない、便の元となるものが少ない(便かす=細菌の死骸)ことによります。腸内環境をよくすることで、お肌の調子だけでなく、免疫力の向上など健康のバロメーターでもあります。
実は、便秘にはいくつもの種類があり、便秘の原因により、改善方法が変わってきます。
たとえば便秘にいいと言われるバナナですが、お通じが良くなる人もいればそうでない人もいます。中医学的にみても、バナナに便秘解消の効果があるのは間違いありませんが、すべてのタイプの便秘に改善効果があるわけではなく、逆に食べるとますます悪化させてしまうタイプの方もいます。
ご自身の便秘のタイプに合わせた改善方法をとることが、便秘解消の重要なポイントです。
便秘には、①食べ過ぎタイプ(熱秘)、②ストレスタイプ(気秘)、③元気がないタイプ(虚秘ー気虚)、④貧血タイプ(虚秘ー血虚)、⑤冷えタイプ(冷秘)の5種類があります。
特に女性は、貧血タイプと冷えタイプが多いようです。
それぞれの特徴と、便秘解消になる代表的な食べ物を紹介します。
便秘のタイプ
① 食べ過ぎタイプ(熱秘)
食べ過ぎたり、脂っこいもの・味の濃いものなどのとり過ぎで、腸の中に熱がこもっており、便が乾燥して排泄されないタイプの便秘です。からだや腸の熱を取り除き、腸内に十分な水分を取り戻すことが改善につながります。
【特徴】
便が乾燥していて固い、便がくさい、おなかがはって痛い、口が乾く、口臭がする、食べ過ぎる、飲酒が多い。からだが熱い、顔が赤い、お小水に熱がある。
ひどくなると、目が赤くなる、イライラして怒りやすくなる。
【便秘解消になる食べ物】
アロエ、バナナ、パイナップル、ルバーブ、センナなど
【注意】
肉類(特に油の多いもの)、味の濃いものはさけた方がよいです。また、一時的に食事の量を減らすことも有効です。
便秘解消にあげている食材は効能が強いものが多いため、その他のタイプの便秘には用いない方がよいです。
② ストレスタイプ(気秘)
ストレスにより気分が詰まってしまい、発散されないことで、お通じも詰まり、便秘になるタイプです。ストレスの緩和が便秘解消に効果的です。
【特徴】
便意あるが排便されない、頻繁にゲップがでる、胸や脇がはりお腹もはって痛い、食欲がない、ストレスがたまっている、イライラする
【便秘解消になる食べ物】
ミカン、きんかんなどの柑橘類(特に皮)、バラ
【注意】
下剤を飲んでも改善されないことが多いタイプです。
③ 元気がないタイプ(虚秘ー気虚)
過労や病後など、からだの元気がなくなり、排便する力が弱まって便秘になるタイプです。特に老年の方や出産後に多くみられます。からだの元気を補うことが重要です。
【特徴】
便意あるが力がなくて排便できない、力を入れると汗がでたり息が切れる、排便後に元気がなくなる(疲れる)、便は乾燥しておらず固くもない、顔色が白い、顔につやがない
【便秘解消になる食べ物】
サツマイモ、はちみつ、松の実、鶏肉など
【注意】
下剤を用いると、慢性的な下痢になってしまったり、体力が奪われてしまう可能性があります。
④ 貧血タイプ(虚秘ー血虚)
貧血によりからだの水分量が少なくなっているため、腸内の水分も少なくなり、便秘になっているタイプです。貧血を改善しながら、腸内の水分も補うことが必要です。生理前後の便秘はこのタイプです。
【特徴】
便意はあるが出にくい、便が乾燥して固い、顔色が悪い(血色がない)、めまいや立ちくらみがする、動悸がする、唇の色がない
【便秘解消になる食べ物】
ほうれん草、落花生、黒ごま、松の実、レバーなど
【注意】
下剤を使用すると、③元気のないタイプの便秘も同時になる可能性があるので、注意が必要です。
⑤ 冷えタイプ(冷秘)
冷えることにより、腸の蠕動運動が弱まり、便秘になるタイプです。もともと冷え性の人の人に多く、①食べ過ぎタイプの便秘とは逆のタイプになります。
お腹やからだを温め、腸のぜんどう運動を促すことが改善につながります。
【特徴】
便がなかなかでない、便意があまりない、便は乾燥しておらず固くない、お腹や背中が冷たい、顔色が白い
【便秘解消になる食べ物】
にら、こしょう、さんしょう(花椒)など
【注意】
バナナなどからだを冷やすものはさけた方がよいでしょう。
※このタイプには、老人性の冷え性(陽虚)も含みますが、ケースとしては多くないため、一般的な冷え性による便秘に対応しています。
なお、定期的に排便されていても、排便されるまでに時間が非常にかかる、便意があってもなかなかでなかったり、すっきりしない、下痢と便秘を繰り返す、といった場合も便秘に含まれます。
また、5つのタイプに分けましたが、同時に複数のタイプになることもあります。
改善に効果があるとされる食べ物などをとって、1週間程度たっても改善されない、または悪化する場合には、体質や原因にあっていないものをとっている可能性が高いです。その場合は、専門医に相談・受診するなどした方がよいでしょう。
ごまとレーズンのグラノーラ 春の薬膳④
春の薬膳②に引き続き、“肝”と血液を補う薬膳です。少し食欲のないときや、疲れた時にオススメです。もちろん貧血予防にもよいので、貧血になりやすい人は朝食として取り入れてみてください。
また、どの食材も栄養価が高く、抗酸化作用の高いものばかりですので、アンチエイジング効果も期待できます。
レーズン・ぶどう(葡萄)
世界中でもっとも多く栽培されている果物で、ポリフェノールやアントシアニンなどを豊富に含み、強い抗酸化作用を持つことで知られています。
疲労回復や貧血に効果があり、気力の面でも栄養の面でもからだを強くする食べ物です。中国の古い書物である神農本草経(しんのうほんぞうきょう)でも、長期間にわたって食べると、からだが軽くなり、老いず、長寿になる、とかかれており、昔から重宝されていたことがわかります。また、春の眠気覚ましにも効果があるそうです。
いちご(苺)
ぶどうと同じくアントシアニンを豊富に含み、ビタミンCも豊富に含み、美肌効果にすぐれた食材として知られています。
肺を潤すので空咳や喉の痛みなどを抑えるほか、口内炎ができたときに炎症をしずめ殺菌する効果、消化不良などに効果があります。
春はカゼをひきやすい季節ですので、朝食にイチゴなどの果物をとると、免疫力が高まり風邪予防にもなります。また、動脈硬化や高血圧にもよいとされています。
なお、洗うときはヘタをとってしまうとせっかくのビタミンCが流れてしまいますので、ヘタはとらないように気をつけてください。
黒ごま(黒胡麻・黒芝麻)
薬膳でアンチエイジングの代表格の食材が黒ごまです。
こちらも神農本草経で、長く食するとからだが軽くなり、老いないとされ、内蔵も気力も筋肉も頭も良くするとされています。
春の臓器である“肝”だけでなく、冬の臓器で生命の源でもある“腎”も補い、老化による耳鳴りや足腰の痛み、白髪、肌の乾燥などに効果があります。
ごまの栄養素として有名なのはセサミンですが、強い抗酸化作用があり、老化防止、肝機能の改善、悪玉コレステロールの低下による動脈硬化防止、血圧低下などが期待できます。ほかに、リノール酸、オレイン酸、ビタミンB・E群、カルシウム、鉄などのミネラルを豊富に含みます。
擦った方が吸収がよくなりますが、時間が経つとリノール酸が酸化してしまうので、食べる直前に擦る方がよいでしょう。
アーモンドにも同様に貧血予防効果があります。また、オートミール(えんばく・燕麦)には、食欲不振に効果があり、免疫力向上や体力回復が期待できます。
ごまとレーズンのグラノーラ
<材料> (2人前)
<作り方>
- オートミールをフライパンで5分ほどからいりし、表面をカリっとさせる。(ローストされていないアーモンドやごまの場合はここで一緒にいる。)
大きめのバットに広げておく。 - はちみつ、オリーブ油をフライパンで火にかけ、フツフツするまで1分ほど温める。
- 火を止め、1.を入れ、よく混ぜる。弱火で15〜18分、焼き色が付き、カリっとするまで混ぜ、火からおろしよく冷ます。
- 3.がよくさめたら、アーモンド、ごま、レーズンを混ぜる。
- 器にもり、イチゴをのぜ、ヨーグルトや牛乳をかける。
※ほかに、オーブンや電子レンジで作る方法もあります。
*1:オリーブ油以外にココナッツオイルやごま油、グレープシードオイルなどでも代用可能です。 ・・・・ 大さじ2
うどと菜の花の酢味噌和え 春の薬膳③
前回に引き続き、今回も春の薬膳です。
(前回まではこちら → 春の薬膳①、春の薬膳②)
春は肝臓に負担のかかりやすい季節ですが、送別会や歓迎会、お花見などお酒の席も多く、ますます肝臓は忙しい季節です。いつもの食卓に、デトックス効果のある食材を取り入れ、肝臓の働きを助けるとよいでしょう。
また、春にしっかりと養生できていると一年健康に過ごせると言われます。続く夏や秋、また冬に不調がでやすい人は、今の時期から養生することで、年間を通して健康に過ごせます。
春に旬を迎える食材には、からだの老廃物を出す効果のある食材がたくさんあります。山菜など苦みのある食材で冬に溜め込んだ余分なものをしっかりと出して、春のエネルギーをからだに取り込みましょう。
独活(うど)
寒さによるカゼの頭痛やからだの痛み、しびれ、足腰の痛みをとる効果があります。また、むくみを取り除く効果や、湿疹の症状を抑える効果があります。関節の痛みなどリウマチの改善にも効果があるとされています。
漢方薬の独活(どっかつ)と同様の効果があるために、うどを“独活”と書くようになったそうです(漢方薬の方が薬効が高いです)。うどは、根に近い部分の方がより効能が高く、また、山うどの方が薬効も香りも高いです。
新鮮なものは、土をかぶっていた白い部分は皮をむいて生でも食べることができます。穂先は天ぷらなど春の味覚の代表格として食されます。皮の部分も捨てずに、きんぴらなどで召し上がるとよいでしょう。
菜の花(なのはな)
炎症やおでき、吹き出物などからだにたまった余分な毒をとる効果があり、春のデトックス食材の一つでしょう。血流が悪いときに改善したり、貧血予防にも効果があります。また、産後の回復にもよいとされています。
カロテン、ビタミンC、B1、B2、葉酸、カルシウム、鉄等のミネラル類を豊富に含み、特にビタミンCは野菜の中でも非常に多い食材です。からだの抵抗力を高めますので、カゼをひきやすい春には積極的にとるとよいでしょう。
さらに、この季節においしくなる柑橘類の皮にはイライラや不眠をやわらげる効果があります。果実として生で食べることももちろんですが、皮の部分にその効果がありますので、ママレードにしたり、吸い口として添えたりすることで、気分もすっきりとするでしょう。
うどと菜の花の酢みそあえ
<材料> (2人前)
- うど ・・・・ 1本
- 菜の花 ・・・・ 1/2束
(酢みそ)
- 酒 ・・・・ 大さじ1/4
- みりん ・・・・ 小さじ1/4
- 白みそ ・・・・ 大さじ1
- 夏みかんの果汁*1 ・・・・ 大さじ1
- 夏みかんの皮 ・・・・ 適量
<作り方>
- 菜の花は下ゆでし、冷水にさらして、食べやすい大きさに切る。
- うどは厚めに皮をむき、短冊切りにして薄い酢水にさらす。切ったうどは、軽くゆがく。
- 練りみそを作る。なべに酒、みりんを入れ、アルコールをとばす。白みそを加え、10分程度弱火で煮つめる。
- 冷ました練りみそに夏みかんの果汁を加え、菜の花、うどとあえる。器にもり、夏みかんの皮をちらす。
*1:夏みかん以外の柑橘類でもかまいません。または米酢
鶏レバーの甘辛煮 春の薬膳②
春の薬膳①でもあるように、春に関連のある臓器は“肝”と言います。すなわち肝臓で肝臓の働きに負担がかかりやすい季節です。
春の食養生では、“肝”の働きを助けるためにデトックス効果のあるものを積極的にとるのも一つですが、“肝“そのものを強くすることも必要になります。
中医学では、“肝”の働きとして、血液を蓄え血液が必要な時に供給する役割と、からだの中の流れを良くして全身に栄養を行き渡らせる役割があります。
肝の働きが弱くなると、血液や栄養の巡りが悪くなります。たとえば、血液が足りなくなると目に栄養が供給されず、かすみ目や暗いところで見えにくくなったり(夜盲症、鳥目)、ドライアイになったりします。ほかにも、からだのスジ(腱、関節をつなぐもの)やつめに栄養が届かず、腱鞘炎など関節が痛みやすくなったり、つめが割れやすくなったりします。
今回は、主に“肝”と血液を補う食材とレシピです。貧血や肝臓の機能の弱い方にも積極的にとっていただきたいものになります。
鶏のレバー(鶏の肝臓)
貧血と言えばやはりレバーでしょう。臭みが苦手という方もいるとは思いますが、高タンパク低脂肪と実はヘルシーで、良質なタンパク質により肝臓を補う効果にすぐれています。
薬膳では、“以臓補臓”(いぞうほぞう)という考え方があり、肝臓が弱っているときには、肝臓(レバー)で補います。鶏のレバーだけでなく、牛や豚のレバーでも同じく肝臓を補う作用があり、視力低下などに効果があります。その他、鶏のレバーは消化不良や子供のかんしゃくやおねしょに、牛のレバーは白内障に、豚のレバーはむくみに効果があるとされています。
タンパク質、鉄分、ビタミンA・B1・B2などが豊富に含まれ、疲労回復も期待できます。
鶏レバーの甘辛煮
<材料> (2人前)
- 鶏レバー ・・・・ 200g
- 生姜 ・・・・ ひとかけ
- しょうゆ ・・・・ 大さじ2
- 砂糖 ・・・・ 大さじ2と1/2
- 酒 ・・・・ 大さじ1/2
- 水 ・・・・ 1カップ
<作り方>
- 鶏レバーを食べやすい大きさに切り、余分な脂身を取り除く。
- 塩をひとつまみいれた水に20分程度つけ、血液の固まりを取り除き水洗いをする。
(臭みが気になる場合は、熱湯に通し冷水にとり、アクを洗い流してしばらく水にさらす。) - 生姜は薄切りにする。
- なべにしょうゆ、酒、砂糖を入れ煮立たせる。生姜とレバーを入れ、水を加えて強火にし、煮立ったら中火にする。
- アクをとり、煮汁が1/4程度になり、照りがでたら完成。
春菊とかぶのサラダ 春の薬膳① - 薬膳ごはん yakuzen gohan
春菊とかぶのサラダ 春の薬膳①
春は、立春から立夏までの3ヶ月を指します。
植物が冬に地中で蓄えたエネルギーを芽吹きや発芽に使うのと同じように、人のからだもまた、冬に蓄えたエネルギーを外に向かって放っていく傾向があります。また、日も長くなり、陽気も暖かくなってくることから、からだの表面もゆるみ始め、活発に動き始める季節です。
冬からからだがしっかり目覚めていないと、気温の変化で汗をかくもののしっかり防護できず風邪をひいてしまったり、花粉のアレルギー症状がでたりします。
また、気持ちの面でも季節の変化によりイライラしやすくなったり、精神的に不安定になったりします。精神的な不調が続くと、胃のむかつきや消化不良など胃腸への影響も出てきます。
春に関連する臓器は“肝”といい、西洋医学の肝臓の機能とほとんど同じになります。春は肝臓に負担がかかりやすい季節です。
春の食養生としては、冬に溜め込んだ余分なエネルギーや老廃物を出しやすくすることで、肝臓の解毒機能の負担を軽くします。よく春の初めにでる山菜は苦みがあり、からだの浄化作用があり、からだが冬から目覚めると言われますが、これらの食材には解毒作用や浄化作用があるためです。また、肝臓の解毒作用の負担を軽くすることで、花粉症のアレルギー症状の緩和にもつながります。
ほかに、肝臓自体の働きを補うものを積極的にとったり、イライラした気持ちをやわらげるものとるとよいでしょう。
今回は冬から春に変化する時期の食材で、春の薬膳レシピを紹介します。
春菊(しゅんぎく)
キク科の野菜で鍋物でよく用いられますが、香りも非常によい野菜です。この香り成分は胃腸の働きを促進する効果があります。
春菊は、からだにたまった余分な熱を取り去ったり、気やからだの流れをスムーズに通したりする作用があります。
たとえば、黄色い痰が出るときの咳や痰の改善、熱があってイライラしたり不安感に襲われる時やイライラしてのぼせ・頭痛・目の痛みがある時の改善などに効果があります。そのほか、高血圧にも効果があるとされています。
なお、下痢をしている時には食べないようにしてください。
蕪・蕪菁(かぶ・かぶら)
淡白で上品名甘さをもった蕪ですが、余分な熱をとり解毒する効果や胃腸の不調に効果がある食材です。熱があるふきでものやほてりの改善、消化不良やげっぷ・吐気など胃腸の不調、糖尿病への効果などが期待できます。大根と同じくジアスターゼが含まれ、消化を促進します。
柑橘類の皮
ここではレモンを用いていますが、一般に柑橘類の皮はストレスがたまったりイライラがたまったりして気持ちがすっとしない時に用いると、気分がすっきりする効果があります。代表的なものは、陳皮(ちんぴ・みかんの皮)で漢方薬の一つとして用いられています。なお、柑橘類の種類により効能の強さやからだを温めるか冷やすかが異なります。
無農薬のみかんが手に入ったときは、食べ終わった皮はそのまま天日干しにするなど乾かして保管しておくとよいでしょう。
春菊とかぶのサラダ
<材料> (2人前)
- 春菊 ・・・・ 一羽
- かぶ ・・・・ 大1個
- レモンの皮 ・・・・ 少々
(ドレッシング)
- レモン果汁 ・・・・ 大さじ1
- 塩 ・・・・ 小さじ1/2
- オリーブオイル ・・・・ 大さじ1
<作り方>
- 春菊を食べやすい大きさに手でちぎる。固い茎の部分は取り除く。
(固い茎はおひたしなど加熱する料理に使用するとよいでしょう。) - かぶは皮付きのままくし切りにする。熱したフライパンにオリーブオイル(分量外)をひき、片面ずつ焼き色をつけ、ふたをして蒸し焼きにする。
- 2.のあら熱がとれたら、春菊とドレッシングであえ、皿に盛りつけ、最後に刻んだレモンの皮をあしらう。
お茶 ー気軽に薬膳②ー
(写真の順番:左から緑茶、ジャスミン茶、杜仲茶。茶葉は、左からジャスミン茶、緑茶、杜仲茶)
薬膳は日々の生活に取り入れて続けていくと、体質の改善や健康の維持につながります。
もっとも取り入れやすいもののひとつにお茶があげられるでしょう。
体質にあわせて選ぶことももちろんですが、季節によって選ぶことも重要です。
近頃はハーブティーや健康茶などいろいろな種類がありますが、できるだけ手に入りやすい種類のものを紹介します。
また、粉茶など茶葉を溶かすタイプのものの場合は、成分が濃縮していますので、できるだけ無農薬のものを選ぶとよいでしょう。
緑茶・茶葉(りょくちゃ)(写真・中央)
【効能】
利尿作用、のどの渇きをいやす、暑くてイライラするのを抑える、のぼせによる頭痛や目が赤くなることの解消、食べ過ぎによる消化不良を改善
【適応する症状】
むくみ、暑さによる不調、食べ過ぎ
※ 冷え性、特に冬季
※ 緑茶に含まれるタンニンが鉄分を吸着していまい効果が薄れるので、鉄剤とは一緒に服用しない
※ シメチジンの入った胃薬と一緒に服用すると、胃腸障害を起こす可能性あり
お茶と言えば、真っ先に思い浮かべるのが緑茶でしょう。緑茶の利尿作用はよく知られていますが、その他に、暑いときののどの渇きをいやしたり、頭に熱がこもってイライラしたり、頭痛がしたり、目が赤くなったときにこれらの症状をやわらげたり、食べ過ぎによる消化不良を改善したりするのに効果があります。
煎茶で飲むのももちろんですが、抹茶やお茶の葉を料理に使うのもよいでしょう。煎茶にする場合は、80℃前後のお湯でいれると、緑茶に含まれるビタミンCの損失を防ぐことができます。
ただし、からだを冷やす効果が強いので、冷え性の人や冬場はさけた方がよいでしょう。
なお、紅茶は緑茶を発酵させたもので、からだを冷やす作用が弱くなっていますが、口の乾きをいやす効果などはあります。
茉莉花茶(ジャスミンちゃ)(写真・左)
【効能】
リラックス効果、ストレス緩和、生理痛の緩和
【適応する症状】
ストレスなどによる胸や脇の張り、ストレスによる胃痛・腹痛・下痢・不眠、生理痛
かぐわしい香りのお茶で、近頃はペットボトルでもみられるほどメジャーなものとなりました。香りの通り、気持ちが落ち込んでるときやため息がでるときに飲むとリラックス効果が得られます。精油などでも同じくリラックス効果があります。
お茶にして飲むのももちろんですが、デザートでもおいしくいただけます。なお、カフェインは入っていません(ウーロン茶入りのものは、カフェインが緑茶と同じくらい入っていますす)。
杜仲茶(とちゅうちゃ)(写真・右)
【効能】
足腰の冷えや痛みをとる、耳鳴りの改善、胎児の安定、精力増強、花粉症の緩和
【適応する症状】
過労や冷えによる足腰の痛み、耳鳴り、男性不妊、習慣性流産
※ 暑がりの人には不向き
あまりなじみのない方もいるかもしれませんが、健康茶として売られていることもあります。杜仲茶は、漢方薬の杜仲より効能は落ちますが、同じような効果があります。漢方薬の杜仲は樹皮を、杜仲茶は葉の部分を使用しています。
杜仲には、冬の薬膳①でも紹介した“腎”を補う効果があり、足腰の冷え、耳鳴りなどの改善に効果があります。また、男性不妊や習慣性流産に効果があります。血管を強くする作用があり、花粉症の緩和も期待できます。
こちらのカフェインは含まれていないので、妊娠を期待する方にもお勧めできます。