パプリカの豆腐入り肉詰め 夏の薬膳
暑さが続くと身体に熱がこもり、イライラしたりそわそわと落ち着きがなくなったりすることがあります。
夏の食養生では、気温や太陽から受けた熱を身体にこもらないよう、身体を潤したり、熱を冷ましたりすることがポイントです。
身体を潤す豚肉や豆腐と、イライラを取ってくれるパプリカを使った肉詰めはお弁当にもどうぞ。
初夏のうちは身体が熱さに馴れていないため、身体の中に熱がこもりやすくなってしまいます。
特に今年は春が寒く、身体が暑さに対して準備不足のまま30℃近い日が来るようになってしまい、熱中症気味の方が多くいらっしゃいます。
熱中症予防として、水分を摂ることや塩分、ミネラルを取ること、暑い時は適切な温度になるよう無理をしないことなどが挙げられていますが、それ以外にも日頃から心がけることで暑さに対応できる身体作りをしていくことが大切です。
暑さに対応する食事としては、
- 赤い色の食材
(トマト、梅干し、パプリカ、なつめ、クコ、苺、ハイビスカスなど) - 身体を潤し渇きを止める食材
(豆腐、豚肉、アスパラガス、トマト、キュウリ、梅、びわ、バナナ、レモン、緑茶、牛乳など) - 熱をとる食材
(豆類、豆腐、アスパラガス、トマト、 緑豆もやし、レタス、ごぼう、バナナ、レモン、苺、ハイビスカス、緑茶、ミントなど)
などを取り入れていくと良いでしょう。
また、日頃から汗をかけるようにしておくことが、熱中症の予防には特に大切です。
私たちは汗をかいて体温を下げる調整することが出来ます。
しかし、一年中空調が効いている環境で過ごすことが多いとどうしても汗をかく機会が少なくなり、汗腺の働きが鈍ってしまいがちです。
すると、暑さは感じているのに汗をかけず、身体の中の熱を発散できずにこもってしまいます。
一般的にものすごく暑い日に大汗をかき、その後脱水症状になり、汗が出なくなって熱中症になると思われていますが、大汗をかかなくても適切に暑さに対処できてなければ熱中症になってしまいます。
特に初夏の時期は暑さに身体が慣れていないので、汗を適切にかくことが出来ず、熱中症に知らずになっていることが多く、風邪だと思っている方もいらっしゃいます。
まずは、朝や夕方に一駅多く歩いたり軽い運動をしたり、半身浴をするなど汗をかける身体作りをしておくとよいでしょう。
くれぐれも、急に激しい運動をしたり、サウナに入ったりしないようにしてください。
汗をかきなれていない場合、いきなり大量に汗をかくと脱水症状を起こしたりや熱中症になってしまうことがあるので注意してください。
パプリカの豆腐入り肉詰め
<食材のポイント>
◆ パプリカ:余分な熱をとりイライラを収める
**食材の解説**
赤や黄色、オレンジ色の鮮やかなパプリカですが、元々は緑色のビーマンと同じ仲間で、獅子唐芥子や唐辛子と同じく、唐辛子の仲間です。
緑色のピーマンは早く収穫するため苦みや青臭さがありますが、パプリカは熟してから収穫されるので甘く青臭さもほとんどありません。
効能も基本的にはピーマンと同じと考えられ、身体にこもった熱をとりイライラを取り除く、肝臓にこもった熱を収めて食欲を促進する、などがあります。
また、五臓六腑の機能を調節し、特に消化を促し気を補う作用があるとされます。
中医学では赤い色のものは心臓や血管の働きを補うとされており、血流をスムーズにしたり、精神の安定などに役立つと考えますので、赤いパプリカはこれらのはたらきもあると考えられるでしょう。
現代の栄養学では非常にビタミンCが多く、抗酸化作用や粘膜を丈夫にする作用、疲労回復などの効果があるとされています。
また、ビタミンDやビタミンPも含まれており、血管の補強作用、高血圧の予防効果などもあるとされます。
赤いパプリカ(ベル型ピーマン)は、普通のピーマンと比べてよりビタミンCやカロテンが多く含まれています。
一般にビタミンCは熱に弱いとされていますが、ビタミンPが含まれているのでビタミンCが熱で破壊されるのから守ってくれます。
また、カロテンは脂溶性ですので油と一緒に摂った方が吸収が良くなります。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 豚肉:身体を潤し、体力を回復する
◆ 豆腐:身体を潤す、余分な熱をとる ▶︎詳しい説明はこちら
◆ 玉ねぎ:気血の巡りを良くする、食欲不振を解消する
◆ トマトケチャップ:心(しん)を養う
<材料>(2人分)
-
パプリカ(大) ・・・・ 1個
-
豚ひき肉 ・・・・ 150g
-
豆腐 ・・・・ 80g
-
玉ねぎ ・・・・ 1/6個
-
生姜 ・・・・ ひとかけ
-
塩 ・・・・ 小さじ1/2
-
こしょう ・・・・ 適量
-
しょうゆ ・・・・ 小さじ1
- 片栗粉 ・・・・ 小さじ1
-
トマトケチャップ ・・・・ 適量
<作り方>
-
玉ねぎはみじん切りにしておく。生姜はすりおろしておく。パプリカは4等分に切り、へたと種を取り除いておく。
-
豚肉、豆腐、玉ねぎ、塩、生姜、しょうゆ、こしょうをよくまぜる。パプリカの内側に片栗粉をまぶし、肉だねをしっかりとつめる。
-
フライパンに油をひき、肉だねの面から焼き目がつくまで焼き、裏返して蓋をし蒸し焼きにする。中まで火が通ったら、ケチャップを添えてお皿に盛る。
**** 夏におすすめの薬膳レシピ ****
ひじきとトマトのツナサラダ 夏の薬膳
立夏を過ぎ暦の上では夏。心臓や血管に負担がかかりやすい季節になります。
熱中症の予防や梅雨のむくみ対策にも、今から心臓の働きを補い、血液と水分の循環を良くすることが大切です。
ひじきなど常備している食材ですぐ作れる夏の養生サラダです。
暦の上では、5月初旬の立夏から8月初旬の立秋までが暦の上では夏になります。
しかし、5月は爽やかな陽気であるものの、6月〜7月の梅雨、7〜8月に続く猛暑日、そして9月の厳しい残暑まで含め、夏は身体に厳しい季節といえます。
梅雨のむくみや熱中症、夏バテなど夏の体調不良を予防する上でも、大切になるのが心臓の働きや血液・水分の循環です。
東洋医学における“心”の働きは、心臓だけではなく血液の循環や脈拍が正常であること、精神の管理も含めたものになります。
例えば、熱中症になると、熱が身体にこもりのぼせたり口が渇くだけでなく、脈拍が速くなったり、拍動が強くなったり、ひどい場合には意識がもうろうとしてきます。
また、熱がこもった状態になると、イライラしたり、動悸がして眠れなかったりすることもあります。
これらの症状を観察し、昔の人は夏に負担がかかる臓器は”心”であり、余分な熱を冷まし、“心”の働きを助ける養生が必要と考えたのでしょう。
また、梅雨の時期から湿気も多くなり、むくみだけでなく、からだのだるさや食欲不振、頭痛などいわゆる夏バテの状態になります。
必要な水分は補いつつも、水分代謝をスムーズにしていくことが大切です。
夏の養生として、
- 余分な熱をとる
- 身体を潤す
- 余分な水分をとる
- 血液循環をスムーズにする
- 暑さによる消耗を補う
ことが大切です。
初夏におすすめの食材としては、トマト、アスパラガス、玉ねぎ、じゃがいも、もやし、海草、パプリカ、豚肉、青魚、豆腐、あずき、緑茶などがあります。
夏は赤い食材をとると良いといわれていますので、毎日何か一つはとると良いでしょう。
また、気温が急に上がり食中毒にもかかりやすい時期ですので、しょうが、しそ、わさび、ニンニク、大根、梅干しなど殺菌効果のある食材も取り入れると良いです。
ひじきとトマトのツナサラダ
<食材のポイント>
◆ 鹿尾菜(ひじき):むくみをとる、余分な熱をとる
**食材の解説**
日本におけるひじきの歴史は古く、遺跡の発掘物によると縄文時代や弥生時代からすでに食されていたようで、古来からお供え物や献上品として用いられていたようです。
諸説あるようですが、「鹿尾菜」という漢字が当てられているのは、ひじきの形が鹿の尾のようにピンとした形をしていることに由来するとのことです。
ひじきは、身体を冷やす作用が強く、
・むくみを解消する
・痰を除去する
・身体にこもった余分な熱をとる
といった働きがあり、血栓の予防や動脈硬化の予防に効果があるとされています。
また、心を養い、血を補う働きもあるとされています。
現代の研究では、高脂血症への効果や善玉コレステロールの増加作用、甲状腺障害機能低下症への効果があるとされています。
ひじきには食物繊維、ヨードの他、ミネラルが豊富で、ナトリウム、カリウム、鉄分、リン、カルシウム、銅、ケイ素、硫黄、マンガン、ホウ素、チタン、マグネシウム、アルミニウムなどが含まれています。
貧血予防にはひじきがよい、とされてきましたが、最近の調査では既存の鉄含有量は鉄釜で加工した場合の値であり、ステンレス釜で加工した場合の鉄含有量は少なかった、ということが報告されました。
確かに鉄分の多さでは他の鉄分豊富な食材に比べ劣るかもしれませんが、貧血には鉄分だけでなく、他のミネラルがないと血液が作られません。
鉄分の多い食材と一緒にひじきをとることは有効ですので、上手にひじきも食するのが良いでしょう。
なお、乾燥したひじきは水で戻したまま食することは出来ませんので、サラダなどに使う場合は茹でてから使うようにすると良いようです。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ トマト:熱を収め渇きを抑える、熱をとる、消化を促進する
◆ ツナ(まぐろ):気と血を補う
◆ オリーブ:身体や口の渇きを潤す、炎症をとる
◆ 玉ねぎ:胃腸の調子を整える、気血の巡りをよくする
◆ レモン:暑気あたりを解消する、身体や口を潤す
◆ 生姜:解毒する、食欲不振を解消する
<材料>(2〜3人分)
-
ひじき(乾燥) ・・・・ 10g
-
ツナ ・・・・ 1缶
-
ミニトマト ・・・・ 5個
-
オリーブ ・・・・ 15g
-
玉ねぎ (小) ・・・・ 1/2個
(ドレッシング)
-
レモン汁 ・・・・ 大さじ1
-
塩 ・・・・ 小さじ1/2〜1
-
生姜 ・・・・ ひとかけ
<作り方>
-
ひじきは水で戻し、軽く茹でる。玉ねぎは薄くスライスし、水にさらしておく。
-
オリーブはさいの目に切る。ミニトマトは4等分に切る。生姜はすりおろしておく。
-
水気をきった1と2、ツナをドレッシングでよく和える。
**** 夏におすすめの薬膳レシピ ****
レバー入りミートボールのトマト煮 春の薬膳
貧血にもっとも効果のある食材といえば、レバー。
東洋医学では、“以臓補臓”という考えからも貧血にはレバーを取り入れます。
苦手な人でも食べやすいようにミートボールにしてトマトで煮込みました。
春に限らず貧血の方が多くいらっしゃいますが、そのような方に普段何を召し上がっていますか?と聞くと、ほうれん草やひじきをたくさん食べています、と答えられることがあります。
確かに植物性の食品の中では鉄分の多い食品ではありますが、貧血の方にまずお勧めしたいのはレバーや赤身の肉です。
東洋医学では、“以臓補臓(いぞうほぞう)”と言い、弱っている臓器を補うために、その臓腑を以て補うということを行います。
血液を貯めているのは肝臓ですので、貧血の場合にまず摂るべき食事としてレバーがあげられます。
更に、“血肉有情之品(けつにくゆうじょうのしな)”という言葉もあり、漢方薬として使われる海馬(かいば、タツノオトシゴ)や冬虫夏草(とうちゅうかそう)などの動物薬を主に指します。
動物薬は即効性が高く効果が強いもので、身体のもとを補ってくれると考えます。
生理がある女性の場合、一日2mgの鉄が必要とされるといいます。
ほうれん草など植物性食品に含まれる鉄分は非ヘム鉄といい、私たちの身体に吸収するためにはビタミンCなど吸収を促進する栄養素が必要です。
レバーなど動物性食品に含まれる鉄分はヘム鉄といい、タンパク質と結合しており、非ヘム鉄と比べ、吸収効率は5〜10倍といわれています。
特に貧血の症状のある方はレバーや赤身肉など積極的に鉄分の多いタンパク質を摂った方が良いでしょう。
もちろんほうれん草なども貧血の改善の助けにはなりますので、非ヘム鉄が多い食品はじゃこやかつお節などタンパク質やビタミンCが多い食品と一緒に摂るとその吸収も良くなります。
レバー入りミートボールのトマト煮
<食材のポイント>
◆ 鶏レバー:肝を補う、血液を養う ▶︎詳しい説明はこちら
◆ 玉ねぎ:気血の巡りをよくする
◆ トマト:熱を収め、消化を促進し、肝の解毒を助ける
<材料>(2〜3人分)
-
豚挽肉または合挽肉 ・・・・ 200g
-
鶏レバー ・・・・ 80g
-
玉ねぎ ・・・・ 1/4個
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卵 ・・・・ 1個
-
パン粉 ・・・・ 大さじ3
-
ナツメグ ・・・・ 小さじ1/2
-
塩 ・・・・ 小さじ1/2
(ソース)
-
ホールトマト缶 ・・・・ 1缶
-
玉ねぎ ・・・・ 1/2個
-
ニンニク ・・・・ ひとかけ
-
トマトケチャップ ・・・・ 大さじ2
-
砂糖 ・・・・ 小さじ1
-
塩 ・・・・ 小さじ1
<作り方>
-
ミートボール用の玉ねぎはみじん切りにし、フライパンで透き通るまで炒める。レバーは粗みじんぎりにしておく。ソース用のニンニクはみじん切り、玉ねぎはくし切りにしておく。
-
挽肉に、塩、ナツメグ、卵、パン粉を加えよく練り、玉ねぎとレバーを加えて混ぜる。ボール状に形を整え、油をひいたフライパンで表面に焼き目をつけたら、ミートボールを取り出す。
-
2のフライパンにニンニクを加え、玉ねぎを炒める。ホールトマトをつぶしながら加えて煮立たせる。2のミートボール、トマトケチャップ、砂糖、塩を加えて煮つめる。
**** 春におすすめの薬膳レシピ ****
イカとグリーンピースのカレーピラフ 春の薬膳
春に負担がかかる臓器である“肝”は、血液をストックする役割があります。
日頃から貧血になりやすい方はいつも以上に貧血に注意したいのが春です。
血液を補ってくれるイカと胃腸の機能を高めてくれるグリーンピースのカレーピラフです。
春の臓器である肝の働きに、“蔵血(ぞうけつ)”という作用があります。
これは血液をストックする働きのことですが、血液は血管を流れる血液の他に、何かあったときのため(たくさん血液を消耗する時や出血してしまった時のため)に血液を蓄えています。
それが肝臓にストックされているのです。
貧血の方の中には、このストックする血液が少ない方もおり、一般に健康診断では検査項目になっていないため気付かずに過ごされている方もいらっしゃいます。
東洋医学では、血が少ないことを血虚(けっきょ)と言い、一般的な貧血に近い状態を指します。
<血虚(けっきょ)の症状>
- めまい
- 頭痛
- 頭がぼーっとする
- 生理不順
- 目のかすみ、ドライアイ
- 視力の低下
- 皮膚の乾燥
- 髪のぱさつき
- 爪がもろくなる
- 口の渇き
- 便秘
- 不安感、焦燥感が強くなる
- 不眠
- 物忘れ など
特に、妊娠中の方、授乳中の方、生理の後半は貧血になりやすいので、いつも以上に気をつけると良いでしょう。
また、今まで女性に多かった貧血ですが、目を酷使する生活環境やストレス、就寝時間が遅くなったことなどより、男性の貧血も多くなっています。
鉄分の多いものやタンパク質をしっかり摂ること、深夜1時〜3時は寝ることなど気をつけるとよいでしょう。
貧血になりやすい方は胃腸が弱い方も多いので、胃腸を大事にすることも心がけるとよいでしょう。
イカとグリーンピースのカレーピラフ
<食材のポイント>
◆ 烏賊(いか):血液と潤いを補う
**食材の解説**
近年漁獲量が減り、高騰していると言われるイカですが、お刺身、フライ、炒め物、煮物などさまざまな家庭料理でおいしくいただけるものです。
イカは、血液を増やし身体を潤す、肝と腎を補い機能を回復する、などの作用があります。
貧血により月経が止ってしまった場合や貧血によるめまいに良いとされています。
春に摂りたい食材でもあり、貧血になりやすい女性にはぜひ摂っていただきたい食材です。
イカはコレステロールが多く含まれていますが、同時にタウリンも豊富に含まれているため、血液中のコレステロールの増加を抑制する作用があります。
また、イカの墨には血行を良くする作用や視力の回復作用があるとされています。
墨にはアミノ酸のチロシンが含まれており、身体を丈夫にする働きがあるとされています。
タウリンは熱に弱いので、加熱しすぎない方がよいです。
生のイカや煮て固くなったイカは消化しにくいので、胃腸の弱い方はさっと火を通すか軟らかく煮たものを召し上がるとよいでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ グリーンピース:余分な湿気を取り除き、胃腸の機能を高める
◆ 玉ねぎ:気血の巡りをよくする
◆ カレー粉:食欲を増進する、気血の巡りをよくする
<材料>(2人分)
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ごはん ・・・・ お茶碗2杯
-
イカ ・・・・ 100g
-
グリーンピース ・・・・ 50g
-
玉ねぎ ・・・・ 50g
-
カレー粉 ・・・・ 大さじ1
-
コンソメ ・・・・ 小さじ1〜1.5
-
塩 ・・・・ 小さじ1/2
<作り方>
-
グリーンピースはさやから外し、茹でておく。イカは食べやすい大きさに切っておく。玉ねぎはみじん切りにしておく。
-
フライパンに油をひき、玉ねぎを炒め、透き通ったらイカを炒め、グリーンピースを加え、カレー粉を入れ炒める。
-
ごはん、コンソメを加え炒め、塩で味を整える。
**** 春におすすめの薬膳レシピ ****
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柑橘とクレソンのサラダ 春の薬膳
春は仕事もプライベートも忙しくなりがちな時期。身体も溜め込む冬から、外に向かってのびる春を迎え大忙しに。
いつも以上にストレスや疲れがたまりやすい季節ですので、こまめに発散していくことが必要です。
クレソンや柑橘類は春に高ぶりがちな肝の気を収めてくれます。
東洋医学では春は肝(肝臓)の季節。
がんばり屋さんの臓器だけに、ついついフル稼働しがちで、気がつけばストレスや疲れが溜まってしまっている、ということがあります。
3月から4月は、年度末で忙しく残業が続いたり、生活環境の変化や人間関係を再構築したり、精神的なストレスが多くなりがちです。
肉体的にも忙しいとさらに疲労もたまってくるでしょう。
ストレスの処理や疲労の処理は肝臓が担っており、もともと春に負担がかかる肝臓に追い打ちをかけて負担をかけてしまうことになります。
よく疲労回復に酸っぱいものが良いとされますが、東洋医学でも酸味は肝の働きを助けると考えます。
疲労だけでなく、ストレスが多いときにも酸味のあるものを適度に摂ることがオススメです。
ただし、胃腸の弱い方はお酢のドリンクなどを空腹時に頻繁に飲むと胃粘膜が傷ついてしまいますので、できれば酢の物や炒め物などお食事で摂るようにした方がよいでしょう。
また、心身ともに休息を取ることはとても大切なことなので、身体のサインを見逃さず休める時は休むように心がけられるとよいですね。
柑橘とクレソンのサラダ
<食材のポイント>
◆ 水田芥(クレソン):湿気や熱を取り除く
泻湿热,散热毒。主治黄疸,便秘,目疾,乳痈,小儿头疮,无名肿毒,骨疽不愈。
**食材の解説**
西洋原産でオランダガラシとも呼ばれます。
ステーキのお供に添えられることイベージがあるクレソンですが、脂質の消化促進作用があるシニグリンが含まれており、肉料理との相性が良く肉の消化を促し、生葉には口臭予防効果があります。
東洋医学的には、湿気と熱の絡んだものを取り除いてくれる働きがあり、黄疸や食べ過ぎによる便秘、血行の促進(瘀血の改善)、解毒作用などがあります。
春は肝臓に熱がこもりやすく、余分な熱を取り除き、解毒してくれる食材をよく摂るとよいです。
クレソンをはじめとしたアブラナ科の野菜は、解毒作用のあるものが多く、春に熱をこもらせやすくなる肝臓の働きを助けてくれます。
花粉症の緩和にも解毒作用のある食材がオススメですので、クレソンをはじめ、キャベツ、菜の花、大根の葉などよく摂るとよいでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 柑橘類:気の巡りをよくする、身体を潤す▶︎(柑橘類の皮)詳細な説明はこちら
<材料>(2人分)
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クレソン ・・・・ 1束
-
柑橘類 ・・・・ 1個
(ドレッシング)
-
レモン果汁 ・・・・ 大さじ2〜3
-
マスタード ・・・・ 小さじ1
-
塩 ・・・・ 小さじ1/2
-
砂糖 ・・・・ 小さじ1/2
-
オリーブオイル ・・・・ 大さじ2
<作り方>
-
クレソンは洗って食べやすい大きさにちぎる。柑橘類は皮をむき身を取り出す。
-
ドレッシングの材料を混ぜ、1にかける。
**** 春におすすめの薬膳レシピ ****
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あさりとごぼうの豆乳クラムチャウダー 春の薬膳⑨
寒い日が続くものの立春を迎え暦の上では春に入りました。
身体にたまっていた余分なものを出し、肝臓の解毒機能をアップしておくと春本番の準備となります。
肝機能を高めるあさりやデトックス効果の高いごぼうなどこの時期に摂っておきたい食材です。
また、乳脂肪分の多いものは春に疲れやすい肝臓と胃腸に負担がかかるので、さっぱりとした豆乳のクラムチャウダーにしました。
春は肝臓に負担がかかる季節で、春も本番を迎えると肝臓がフル稼働になります。
肝臓に負担がかかってくるとイライラしてきたり、貧血になったり、風邪をひきやすくなったり、とさまざまな症状が出てきます。
今のうちにしっかりと冬に余分に貯めてしまった老廃物を出し、肝臓の負担を少なくしておくことが早春の養生のポイントです。
また、肝臓の機能がアップできるものもとっておき、肝臓自体を強くしておくこともよいでしょう。
2月〜3月はインフルエンザ、ノロウイルスなどウイルス性の疾患が流行ったり、花粉症で辛いという方が多い時期でもあります。
肝臓の機能を上げ、しっかり解毒をしておくことは、ウイルスにかかりにくくなったり、花粉症の症状をやわらげることにもつながります。
気持ちも身体も軽くして、あたたかな春を心待ちにして日々を送れるとよいですね。
あさりとごぼうの豆乳クラムチャウダー
<食材のポイント>
◆ 牛蒡(ごぼう):老廃物を取り除く、炎症を取り除く
**食材の解説**
ごぼうは、喉の痛みや腫れを取り除く、体内の毒素や老廃物を取り除く、といった効果があります。
古くから、ごぼうは身体を温めるとされていますが、これは発汗作用や利尿作用から余分な水分を取り除くためだと言われます。
ごぼうを切ってそのまま煮ておくと茶色くなりますが、これはリグニンというポリフェノールで腸の働きを活発にし、通便効果があります。
ごぼうの有用な成分の多くは皮やアクの部分に含まれているので、皮をむきすぎたり、水にさらしすぎたりすると効果が薄れるしまいます。
最も食物繊維を含む野菜のごぼうですが、一般に他の国では食べられていません。
中国でも明の時代までは食用されていたそうですが、現在は種(牛蒡子)を生薬として用いるのみだそうです。
食物繊維による整腸作用のほか、女性ホルモンの分泌を促すアルギニンが含まれていたり、抗菌・抗真菌作用があります。
繊維質が多いので、胃腸の弱い方は控えめに。またミネラルの多いものと一緒に摂るのも吸収されにくくなるので控えめにした方がよいでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ あさり:余分な熱をとる、貧血を予防する▶︎詳細な説明はこちら
◆ じゃがいも:胃腸を丈夫にする
◆ 人参:胃腸の働きをよくする、貧血を予防する
◆ 玉ねぎ:気血の流れを良くする
◆ 豆乳:からだを潤す
<材料>(3〜4人分)
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あさり(殻付き) ・・・・ 300g
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ごぼう ・・・・ 1/2本
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じゃがいも(小) ・・・・ 1個
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人参 ・・・・ 1/4本
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玉ねぎ ・・・・ 1/4個
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ベーコン ・・・・ 3枚
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調製豆乳 ・・・・ 200ml
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塩 ・・・・ 小さじ1/2
-
水 ・・・・ 300ml
<作り方>
-
あさりは砂抜きをしておく。玉ねぎはみじん切り、ごぼう、じゃがいも、人参は1cm角、ベーコンは1.5cm幅に切る。
-
鍋にあさりと水を入れ火にかけ、貝が開いたらあさりとスープを分ける。あさりは殻から身を外しておく。
-
鍋に油を引き、玉ねぎを透き通るまで炒め、ベーコンを加えて炒める。ごぼう、じゃがいも、人参を加えたら、2のスープを加え野菜が軟らかくなるまで煮る。
- 豆乳、あさりを加え温め、塩を加え味を整える。
(注意:沸騰させると分離するので温める程度に加温してください)
**** 冬におすすめの薬膳レシピ ****
ニラと白菜のエビ炒め 冬の薬膳⑨
小寒、大寒は1年で最も寒い時期になり、冬の養生の総仕上げの時期です。
身体を温めてくれる食材をできるだけ取り入れ、寒さに負けないようにしたいもの。
起陽草ともいわれるニラと身体を温め腎を補うエビの炒め物です。
身体を冷やすとよくない、と最近では広く認知されるようになり、温活など冷やさないよう心がけている方も多いと思います。
冷たいものを飲まない・食べない、冷えない服装にする、お風呂に入る、…などいろいろな方法があるかと思いますが、身体を温める作用のある食べ物をとることも一つです。
東洋医学における冬の養生でも、まずは身体を冷やさないことが挙げられます。
冬の食養生では、身体を温めてくれる食材をベースに献立を立ててみるのもオススメです。
<身体を温めてくれる食材>
えび、まぐろ、羊肉、鹿肉、
にら、ねぎ、らっきょう、しそ、しょうが、
こしょう、山椒、唐辛子、八角、フェンネル(小茴香)、シナモン、黒砂糖など
身体を温めてくれるものはスパイスにも多いので、スパイスを加えてみるものよいでしょう。
なお、冬だからといって身体を温めるものばかりをとりすぎると、身体の中が乾燥してしまいます。
食養生の基本として、陰陽のバランスを保つことも重要ですので、身体を温めるものと身体を潤すもの・余分な熱をとるものをバランスよくとる必要があります。
例えば、白菜、大根、れんこん、かぶ、ほうれん草、牡蠣、など冬においしくなるものばかりです。
旬のものを取り入れつつ、身体を冷やさないよう心がけてください。
ニラと白菜のエビ炒め
<食材のポイント>
◆ 海老(エビ): 身体を温める、腎を補う▶︎詳細な説明はこちら
◆ ニラ:身体を温める▶︎詳細な説明はこちら
◆ 白菜:胃腸を整える
<材料>
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ニラ ・・・・ 一束
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白菜 ・・・・ 1/8株
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干し桜えび ・・・・ 10g
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生姜 ・・・・ ひとかけ
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しょう油 ・・・・ 小さじ1〜2
-
酒 ・・・・ 大さじ1
-
だし汁 ・・・・ 50ml
-
水溶き片栗粉 ・・・・ 片栗粉 大さじ1、水 大さじ2
<作り方>
-
ニラは5cm程度、白菜は1cm幅に切る。
-
千切りにした生姜と油をフライパンにいれ火にかけ、香りがたったら白菜を炒める。白菜がしんなりしたらニラ、桜えびを加え炒め、しょう油、酒、だし汁をいれる。
-
水溶き片栗粉をいれ、全体にとろみがでるまで炒める。
**** 冬におすすめの薬膳レシピ ****
長芋と大根のポン酢漬 冬の薬膳⑧
年末年始は御馳走や甘いものが多く胃腸に負担がかかりがち。
お食事の量を調整することも必要ですが、消化を促進し調子を整えてくれるものを摂るのも一つです。
ポン酢で漬けておくだけで箸休めにも使えるので、ちょっと余ったときに常備しておくのもよいです。
クリスマスに忘年会、お正月に新年会と、年末年始は食べ過ぎたり飲み過ぎたりしがちな時期です。
もちろん暴飲暴食を避けた方がよいですが、難しいことも多いでしょう。
少し食べ過ぎたな、胃腸が疲れ気味だなと思ったときは食事の量や内容で調節することも必要です。
大根も長芋(山芋)もどちらも消化酵素を含み、胃腸の働きを助けてくれます。
食べ過ぎた時など消化があまりできてない時などによいです。
甘いものや生もの、冷たいもの(もちろんビールやアイスクリームも含みます)が多い場合は、胃腸に湿気がたまり、量を食べ過ぎてなくても消化不良になります。
その場合は、お腹の湿気をとる必要があり、これらも食べ物や飲み物を控えることはもちろんですが、山椒など湿気ととってくれる食材を取り入れることもよいでしょう。
胃腸が弱ると免疫力も下がり、風邪やインフルエンザなどもかかりやすくなります。
おいしいものも食べ過ぎ・飲み過ぎには十分注意してください。
山芋と大根のポン酢漬
<食材のポイント>
◆ 大根:消化を助ける、痰を出やすくする
**食材の解説**
冬の食卓には欠かせない野菜の一つであり、在来種もたくさんある大根。
大根役者や大根足など現在ではあまりよいイメージでない言葉が多いですが、元々は真っ白な色から連想されたものであった説もあり、白い色から神聖なお供え物でもあったようです。
食材としても大根は非常に有用な食べ物で、その効果は朝鮮人参にも劣らない、と言われるほどです。
大根には、消化を促す効果、痰を出しやすくする効果、気の巡りをよくする効果、寒気からの風邪を回復する効果、解毒する効果などがあります。
民間療法でも痰きりや咳止めに大根はちみつを飲むとよいとされています。
実際に、ジアスターゼなどの消化酵素やビタミンCが豊富に含まれており、大根の抽出成分には抗菌作用もあります。
なお、朝鮮人参とは薬効が正反対で相殺されてしまうため、一緒に食べない方がよいとされています。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 長芋(山芋): 消化を助ける、腎を補う▶︎詳細な説明はこちら
◆ ゆずの皮:気の巡りをよくする
◆ 山椒:お腹を温める、湿気をとる
<材料>
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大根、長芋 ・・・・ 適量
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ポン酢 ・・・・ 適量
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ゆずの皮 ・・・・ 適量
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山椒 ・・・・ 適量
<作り方>
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大根・長芋は皮をむき、拍子切りにする。(大根の皮も一緒に漬けてもよい。その場合は細切りまたは短冊切りにする。)
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容器に1をいれ、ひたひたより少なめにポン酢を注ぐ。
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1日漬け、大根はゆずの皮、山芋は山椒をふりかけいただく。
**** 冬におすすめの薬膳レシピ ****
ほうれん草のごまくるみあえ 冬の薬膳⑦
冬は身体のベースを作る季節で、腎を補ってくれる食材を積極的に摂るとよいです。
オススメなのが黒ごまやくるみなど手軽に取り入れられる食材。
和え物だけでなく、彩りにふりかけたり、間食で取り入れたりしてみてください。
東洋医学で冬に大切にしたい臓器は“腎”とされています。
解剖学でいう腎臓の範囲だけでなく、私たちの成長・発育にかかせないもので、ホルモンの働きや骨、脳、耳などと関連していると考えます。
冬の時期は植物でいうと、種の時期であり、実を固く閉ざして寒さや外敵から守り、来る春に備えてしっかりと栄養を蓄えている状態です。
私たち人間も同じく、寒さや風邪から身を守り、春に向けて身体作りをする時期です。
冬の時期に腎を補ってくれるものをしっかり摂り、身体のベースを整えていくのがよいでしょう。
また、この時期に風邪をひくと十分に身体のベースが補えなくなってしまいます。
できる限り風邪をひかないよう、ひいても回復を早くできるよう、免疫力を高め、冷やさないよう心がけましょう。
冬はできるだけ身体のもとを蓄えたい時期なので、激しい運動やサウナなど大量に汗をかくのは控えた方がよいでしょう。
ダイエットももちろんこの時期は厳禁です。
春になれば身体も余分なものを出してくれるので、まずは身体のベース作りをしっかりするとよいでしょう。
<腎を補う食材>
魚介類(特にカキ、エビ)、羊肉(ラム)、豚肉、うなぎ
山芋、くるみ、黒ごま、栗、黒米 など
ほうれん草のごまくるみあえ
<食材のポイント>
◆ 胡桃(くるみ):身体を補強し、脳の働きを高める
**食材の解説**
縄文時代の遺跡からもクルミの殻が見つかっているというほど古くから食されている木の実です。
クルミの効能は多く、腎を補う、強精健脳、肺の機能を高める、気の不足によるぜんそくを解消する、腸を潤し便秘を解消する、などがあります。
お子様の脳の発育や、妊婦さんの便秘解消にも効果があるとされています。
殻の形が脳に似ていることから、大脳の働きを高めると言われています。
現代の栄養学の視点でみると、クルミにはオメガ3脂肪酸であるα−リノレン酸が多く含まれており、血流をよくする作用があります。
また、抗酸化作用が高い食材で、肝臓の脂肪代謝や肝細胞の再生を促すとされています。
他に高脂血症の予防、尿道結石の予防、ガン抑制効果などがあるとされています。
クルミは身体を温める作用が強いので、もともと熱っぽい方には向きません。
また、脂質が多く消化しにくいため、下痢になりやすい方などは控えめにした方がよいでしょう。
なお、クルミの効能のもとであるリノール酸は酸化すると発ガン性を持つようになるので、できるだけ新しいものを選ぶとよいでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ ほうれん草:血液を補う、身体を潤す
◆ 黒ごま:肝腎を補う、身体を潤す ▶︎詳細な説明はこちら
◆ 黒砂糖:身体を温める
<材料>(2〜3人分)
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ほうれん草 ・・・・ 1束
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黒ごま(すり) ・・・・ 大さじ1
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クルミ ・・・・ 1〜2片
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黒砂糖 ・・・・ 大さじ1/2
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しょう油 ・・・・ 大さじ1/2
<作り方>
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ほうれん草の根元の泥を洗い、塩ゆでし冷水にとり、軽くしぼったら5cm程度に切りしっかりしぼる。
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すった黒ごま、粗く砕いたクルミ、黒砂糖、しょう油であえ衣をつくる。
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1と2をあえる。
**** 冬におすすめの薬膳レシピ ****
山芋ときのこの味噌チーズ焼き 秋の薬膳⑧
季節の変わり目を土用といいますが、土用は胃腸や粘膜などが弱りやすい時期です。
この時期にとりたいものの一つが発酵食品です。
チーズと味噌をいれて焼くだけなので、あと一品という時も役立つレシピです。
夏の土用にうなぎを食べる、という習慣は広くひろまっているものの、土用についてはあまり知られていないのではないでしょうか。
土用は、季節と季節の間に必ずあり、春の土用、夏の土用、秋の土用、冬の土用とそれぞれの季節にあります。
例えば今年の秋の土用は10月20日から11月6日までの18日間で、秋の季節を完成させ、冬へのバトンタッチを行う準備期間です。
土用の時期は、その季節を完成させるためますますその季節の養生を心がける必要があります。
更に、土用は胃腸や粘膜に負担がかかりやすい時期なので、特に胃腸を大事に過ごすことが大切です。
時々季節の変わり目に決まって体調を崩す方がいらっしゃいますが、その方は特に土用の間は胃腸をいたわってあげるとよいでしょう。
<土用の養生>
- 冷たいものや甘いものを極力避ける
- 暴飲・暴食をしない
- からだ(特に胃腸)を冷やさない
- 発酵食品をよくとる
- 黄色の食材を取り入れる
- 消化に良い食事を心がける
- ネバネバしたものや消化酵素のある食材を取り入れる
発酵食品は、胃腸(東洋医学の“脾")を養う食材です。
味噌、チーズ、納豆、漬け物などを日常的に取り入れるとよいでしょう。
また、料理には普通のお砂糖よりも発酵食品であるみりんを用いた方がよいでしょう。
山芋ときのこの味噌チーズ焼き
<食材のポイント>
◆ 味噌(みそ):胃腸を温める、解毒する
**食材の解説**
日本の食卓にはなじみ深い味噌ですが、洋食化に伴い食卓にのぼることがやや減り気味である一方、優れた発酵食品として注目されている食材でもあります。
もともと味噌は醤(ひしお)という調味料から発展したもので、豆と麹から作る味噌をはじめとした穀醤の他に、魚醤、肉醤などもあります。
味噌は、からだにこもった余分な熱を収め解毒する効果やストレスを解消する効果があるとされます。
また、肝臓や消化器の機能を高める効果があるとされています。
魚や肉、野菜などを味噌漬けにすることで毒を消すともあります。
現代の栄養学でも動脈硬化・高血圧・心臓病や骨粗しょう症の予防効果があり、老化防止に役立つとされており、他にも胃がんや乳がんなどがんの予防効果、胃潰瘍の予防、整腸作用などがあるとされています。
アミノ酸も豊富であり、脳を活性化させる作用と鎮静化させる作用があるため、朝食にみそ汁を飲むと、朝やる気の起きにくいうつ傾向を改善させます。
なお、味噌の菌を活かすには加熱しすぎない方がよいでしょう。
また、発酵食品同士は相性もよく、うま味もますので他の発酵食品と組み合わせるものよいです。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ チーズ:からだの余分な熱をとる
◆ 山芋:消化を良くする、元気をつける ▶︎詳細な説明はこちら
◆ しめじ:血液を補う、お通じをよくする
◆ エリンギ:からだを潤す
<材料> (2人分)
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山芋 ・・・・ 100g
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きのこ(お好みのもの)・・・・ 100g
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味噌 ・・・・ 大さじ1と1/2
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チーズ(溶けるタイプ)・・・・ 30g
<作り方>
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山芋は皮をむき、1cm程度の輪切りにする。きのこは石突きをとり、食べやすい大きさに切る。オーブントースター(またはオーブン)を温めておく。
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アルミホイルに油を薄くひき、山芋の並べ、その上に味噌を塗る。その上にきのこをのせ、チーズをかけ、アルミホイルを閉じる。
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オーブントースターで10分〜15分焼き、仕上げにアルミホイルを少しあけて焼き目をつける。
**** 秋におすすめの薬膳レシピ ****