鶏肉のマーマレード煮 春の薬膳⑥
少しずつ暖かくなってきたのに、何だか疲れやすい、という方もいるかもしれません。
自然界だけでなく、からだも活発に動き出すのが春ですが、そのエネルギーを補うことも大切です。
元気を補う鶏肉と気の巡りをよくする柑橘類で、疲れをとって元気を取り戻すレシピです。
春の養生の一つに、徐々にはじめて何事もいきなり進めない、ということがあります。
例えば、日中の陽気も暖かくなり、洋服も春物を早く着たくなります。
しかし、ちょっと暖かくなったからといって、上着をすぐに薄手のものにしたりすると、春の突風や夜の冷え込みで風邪をひいたりします。
お花見で風邪をひく人も多いことからも、寒さに油断は禁物です。
また、来る夏のためにもこの時期に汗をかけるようになっておくことが重要です。
そのためにも、すこし暑いくらいしっかり洋服を着ておいた方がよい、と言われています。
春は新しいことをはじめたくなる季節です。
ようやく寒い季節が過ぎ、環境も新しくなったりと、いろいろなことに挑戦したくなります。
からだの方も、暖かくなってきたことで活発になりやすくなります。
しかし、ここでもスロースタートが大切です。
春の初めから全力でいろいろなことをやってしまうと、春の後半に気力を消耗してしまいます。
五月病や春の気分の落ち込みは、もしかしたら春の初めにがんばりすぎてしまったからかもしれません。
気持ちを少し抑えて、余力を残しながら、春を楽しむのがよいでしょう。
春は”肝”に負担がかかる季節ですが、その働きを補うためにタンパク質をしっかり補うことが大切です。
気力・体力ともに補うためにも、特に春はタンパク質をしっかりととることを心がけてください。
また、気の巡りをよくする柑橘類やシソやハーブなど香りのよいものも一緒にとると効果的でしょう。
今回のレシピで使っている食材
◆ 鶏肉:元気を補う
詳しい説明はこちら▶︎ 鶏肉の八角入り甘煮 冬の薬膳⑤ - 薬膳ごはん yakuzen gohan
◆ 柑橘類の皮:気の巡りをよくする
詳しい説明はこちら▶︎ 春菊とかぶのサラダ 春の薬膳① - 薬膳ごはん yakuzen gohan
◆ ローズマリー:気血の流れをよくする
鶏肉のマーマレード煮
<材料> (2〜3人前)
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鶏むね肉 ・・・・ 400g
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マーマレード ・・・・ 大さじ3
(ここではゆずのマーマレードを使っていますがほかのものでもかまいません) -
白ワイン ・・・・ 大さじ2
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塩 ・・・・ 小さじ1/2
-
ローズマリー ・・・・ 適量
<作り方>
-
鶏むね肉は食べやすい大きさに切り、塩とローズマリーをふるっておく。
-
油をひいたフライパンで1を皮がついているほうからしっかりと焼き目がつくまでやや強火で焼き、もう一方の面も焼き目が付きまで焼く。
-
2にマーマレードと白ワインを入れ、鶏肉にからめながら水分が少なくなるまで煮る。
**** 春におすすめの薬膳レシピ ****
あさりとセリのお味噌汁 春の薬膳⑤
春は進学や異動、転居など何かとストレスが多い時期です。さらに花粉症、飲み会、花見など肝臓もフル稼働…
春の臓器である”肝”はストレスやお酒に弱い臓器なので、”肝”をいたわった養生が大切です。
春の食材を使った薬膳を取り入れて、気持ちよい春を迎えられるようしてください。
立春を過ぎると寒いながらも少しずつ陽気も暖かくなりはじめ、春が近づいてくるのを感じます。
春が来るのを楽しみに待つ人よりも、近頃は花粉症で憂鬱な気分になる方も多いのではないでしょうか。
花粉症を始め、春は何かと心身ともに不調を感じる方が多いのも事実ですが、春の養生の仕方を気をつけるだけで改善されることもあります。
中医学では、春の臓器に”肝”が配されています。
簡単にイメージするならば、現代の解剖学における肝臓の働きと同じものが多く、血液の貯蔵、くすりやアルコールの解毒などの働きがあります。
また、"怒”の感情に弱い臓器であり、怒ったり、イライラしたりすると刺激されて熱を持ったり、働きが悪くなったりします。
現代社会において、春は転居や進学・異動など外部環境からのストレスがかかりやすい時期です。
さらに、歓送迎会、お花見などお酒の席も多く、”肝”への負担はさらに大きくなります。
パソコンやスマホなど、目を酷使する場面が多い生活の方も多いでしょうが、実はこれも”肝”に負担のかかることなのです。
”肝”で蓄えられたきれいな血液が、目に補われてものがよく見えます。
慢性的な貧血や、ストレス、過多な飲酒をされている方で、視力の衰えやドライアイなどを感じている場合は、”肝”にかなり負担がかかっているのかもしれません。
なお、花粉症の方の中には、”肝”の機能が悪くなって症状が悪化している方もいます。
できれば冬から気をつけるのがよいですが、今からでも遅くないので”肝”をいたわる養生を行ってみてください。
<春の養生のポイント>
- 良質なタンパク質をとる
- 貧血予防になる食材をとる
- 緑色の食材をとる
- アルコールを控える
- 早寝をする
- イライラしない、怒らない
◆ 芹・水芹(せり):肝の余分な熱をとる
**食材の解説**
春の七草の一つでもあるセリですが、七草だけでなく春に食べるとよい食材の一つです。
独特の香りが苦手な方もいるかもしれませんが、ほかの食材と合わせることでその香りも食欲をそそるものになります。
セリは、”肝”や身体の余分な熱をとり、利尿作用、発汗作用、解熱作用などがあります。
特に、高血圧の方や頭がのぼせやすい方、イライラしがちの方などによいでしょう。
なお、根付きで売られているものを手に入れた場合はぜひ根も食べてください。セリの薬効は根の方が高く、根の茶色は泥ではなく、抗酸化作用がある部分です。
また、セリの薬効はミリスチンなどの揮発油成分によるため、加熱時間は短くした方がよいでしょう。
なお、胃腸が弱く冷えやすい方やのどの渇きが強い方は控えめにした方がよいでしょう。
◆ 浅蜊(あさり):貧血を予防する、余分な熱をとる
**食材の解説**
早春から旬になるあさりもぜひ春に食してほしいものです。
あさりだけでなく、ハマグリ、シジミなどの二枚貝は血液を補い、肝臓の働きを補う食材ですが、最も手に入れやすく、調理しやすいものがあさりでしょう。
あさりは、貧血の予防、余分な熱や水分を取り除く効果、精神を安定させる効果があります。
また、二日酔いを解消する効果、高血圧の予防、コレステロールの抑制と排泄、心臓機能の強化など、飲酒が多い方にもオススメの食材です。
あさりはタンパク質、脂質、カルシウム、リン、鉄分、ヨウ素、ビタミンB族を豊富に含み、殻に硫酸カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、リンなど多くの微量ミネラルを含みます。
調理する場合は、お味噌汁など殻ごと調理する方法だとこれらの栄養素を取ることができます。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 味噌:上がった気を降ろす、解毒する
あさりとセリのお味噌汁
<材料> (2〜3人前)
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あさり(殻付き) ・・・・ 180g
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セリ(根付き) ・・・・ 1/2束(70g)
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だし汁 ・・・・ 400ml
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味噌 ・・・・ 大さじ1と1/2
<作り方>
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あさりは砂抜きををしておく。
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せりの根の部分はよく洗い(洗っても黒い部分はそのまま使う)、みじん切りにする。葉・茎の部分は5cm程度にきる。
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鍋で沸騰しただし汁にセリの根、あさりをいれ、一煮立ちしたらアクを取り除き、あさりの殻が開くまで蓋をする。
-
あさりの殻が開いたら、火を止め、味噌を溶き入れる。セリの葉・茎をいれてしんなりするまで蓋をする。
**** 春におすすめの薬膳レシピ ****
黒米と生姜のごはん 冬の薬膳⑥
1月から2月にかけて最も寒い時期となり、からだも冬の養生をしっかりすることが大切です。
冬は黒い食材をとるとよいと言います。その代表的なものの一つが黒米です。
生姜で冷えもしっかりとることができます。
中医学では、五行という考え方があり、臓器の特徴とその相互関係をわかりやすく説明しています。
もちろん、現代の解剖学と少しずれることもありますが、特徴を大局的にとらえ、からだに出る症状を解決していくには非常に有効な手法です。
例えば、臓器と季節、臓器と色というのを関係付けており、冬で言うと臓器は“腎”、色は”黒”となります。
冬には黒い食材を摂るとよい、というのはこの五行に基づいた考えからですが、現代の栄養学からみても理にかなっているものも多くあります。
黒い食材の例としては、黒米、黒ごま、黒きくらげ、黒豆などがあります。
ほかにも皮など外側が茶色や紫色である、栗、うなぎ、ぶどうなどがあげられます。
これらの食材は、目にいいとされるアントシアニンが豊富であったり、鉄分やミネラルなどが豊富であったりするものが比較的多くあり、冬の養生に欠かせない栄養素が含まれています。
細かい食材の特徴がわからない場合でも、季節に応じた食べ物の色を毎日の食卓にいれるようにするとよいでしょう。
<季節と臓器、色の関係>
- 春 ー 肝 ー 緑
- 梅雨(土用) ー 脾 ー 黄
- 夏 ー 心 ー 赤
- 秋 ー 肺 ー 白
- 冬 ー 腎 ー 黒
◆ 黒米・紫米(くろまい・むらさきまい):滋養強壮、血液を作る
**食材の解説**
黒いお米で古代米としても知られており、雑穀米としてブレンドされているものもよく見かけます。
黒米の黒い色は、視力の改善に効果があるとされるアントシアニンです。
薬膳の古い文献でも、黒米は視力の改善に役に立つと記載があるほか、長く食べると髪が黒くなるなど老化防止の効果、滋養強壮、血液を作る効果、胃腸を健康にする効果があるとされています。
栄養学的にみても、白米と比べビタミンB1、B2、ナイアシンや鉄分、亜鉛などのミネラル、食物繊維が2倍以上多く含まれています。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 生姜:からだをあたためる、解毒する
◆ うるち米:元気をつける、胃腸を整える
◆ 酒:からだを温める、気血の流れを良くする
黒米と生姜のごはん
<材料> (3合)
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白米 ・・・・ 2.5合
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黒米 ・・・・ 0.5合
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生姜 ・・・・ 70g
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油揚げ ・・・・ 1/2枚
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だし汁 ・・・・ 550ml
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しょうゆ ・・・・ 大さじ4
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みりん ・・・・ 大さじ2
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酒 ・・・・ 大さじ2
<作り方>
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白米と黒米はとぎ、30分以上水につけておく。
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生姜は千切りにする。辛みが苦手な場合は水にさらしておく。油揚げは湯通しし、水気を切り、みじん切りにする。
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炊飯器に水を切った1としょう油、みりん、酒をいれ、だし汁を3合の目盛りまでいれる。なべで炊く場合はだし汁を全量いれる。全体を混ぜ、生姜、油揚げを入れて通常通りに炊く。
**** 過去の冬の薬膳レシピ ****
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鶏肉の八角入り甘煮 冬の薬膳⑤
暖冬といっても寒さはからだを消耗します。
熱々のお鍋はちょっと、という場合でもからだをあたためる食材をこの時期しっかり摂っておくことが大切です。
食べたときのボリュームもあり、おかずにもお弁当にもオススメです。
冬は”腎”という臓器の負担が大きい季節です。”腎”は寒さが苦手ですので、足腰を冷やさないことが大切です。
近年暖冬傾向が続き、あまり寒くない冬もありますが、それでも一年の中では寒い季節です。
この時期の養生をおろそかにするとからだの源が弱くなってしまい、次に来る春、ひいては1年を健康に過ごすことが難しくなります。
暖房の部屋の中にいるとからだの表面は熱く、汗をかくこともあります。
しかしこれが逆にからだに寒さを入れてしまうことにもなります。
本来、冬は毛穴を固く閉じからだの熱を外に漏らさないようにする季節です。
しかし、暖かい部屋にいれば体表の温度が上がるので、毛穴が開きからだの熱を放出しようとします。
からだの表面が緩んだ状態でそのまま外に出れば、その毛穴からからだに冷たい空気が流れ込み、からだはとたんに冷えてしまいます。
また、中医学では風邪などからだにとって悪影響を及ぼすものは、からだの”穴”から入ってくると考えます。
毛穴が開いて寒さが入ってくることを指したり、口や鼻から風邪やノロウイルスなどを取り込んでしまうことを表しています。
手洗い、うがいなどの予防ももちろんですが、免疫力が落ちてしまうととたんにかかりやすくなってしまいます。
免疫力アップには体温を上げること、すなわちからだの芯の温度をあげることが非常に有効です。
室温が高かったり、あまり寒くない日が続くと、お鍋など熱々のものは嫌煙しがちになりますが、からだを温める食材を日々取り入れることでからだは冷えから守ることができます。
◆ 鶏肉(とりにく):からだを温める、元気をつける
**食材の解説**
アスリートが高タンパク低脂肪な食材として鶏肉のささみを常食することがありますが、中医学的にみても非常に理にかなったことと言えます。鶏肉はからだの元気を補い体力をつける食材です。
韓国料理のサムゲタンも生薬と鶏肉を煮込んだもので美肌やからだの元気を補う薬膳料理です。薬膳の古い文献でも鶏肉を使った料理は多くあります。
例えば、出産はたくさんの血液を消耗し、体力も非常に使います。出産後には鶏肉と生薬を煮込んだものやそのスープを食べさせたりします。
また、骨付きのもも肉や皮はコラーゲンが含まれています。黄色い脂身は避けた方がよいですが、乾燥しやすい方は適度に脂を抜いて皮も召し上がった方がよいでしょう。
鶏肉の中には抗生物質をたくさん使って飼育されたものや、ホルモン剤を投与されて育ったものもあり、その影響を指摘する人もいます。健康面を重視して飼育されたものはその分値段も高くなるので、納得できる価格と商品を選ぶとよいでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ れんこん(加熱):胃腸を整える、からだを守り固める
◆ どんこ(冬菇):腎を補う、元気を補う
◆ 八角(はっかく、スターアニス):からだを温める、気を巡らす
◆ 黒砂糖:からだを温める、血液の流れを良くする
◆ 酒:からだを温める、気血の流れを良くする
鶏肉の八角入り甘煮
<材料> (2〜3人前)
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鶏もも肉 ・・・・ 180g
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どんこ(干し椎茸) ・・・・ 大3個
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れんこん ・・・・ 100g
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八角 ・・・・ 1個
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酒 ・・・・ 大さじ2
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黒砂糖 ・・・・ 大さじ2
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しょう油 ・・・・ 大さじ2
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戻し汁 ・・・・ 1/2カップ
<作り方>
-
どんこはあらかじめ戻しておく。
-
鶏肉を食べやすい大きさに切り、塩をひとつまみ(分量外)ふっておく。れんこんも食べやすい大きさに切っておく。
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なべに大さじ1の油をひき、鶏肉を皮のついた面から焼く。焼き目がついたら返す。
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鶏肉の両面に焼き目がついたら、れんこん、戻したどんこを入れ、全体を混ぜなじんだら、残りの材料をいれ、中火で煮る。汁気が少なくなり、全体にとろみが出たら完成。
**** 過去の冬の薬膳レシピ ****
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玉ねぎとアンチョビのドレッシング 冬の薬膳④
冬は寒さからも血液の流れが滞りがちです。
玉ねぎや背の青い魚は血液をサラサラにし、流れをスムーズにしてくれる食材です。
ドレッシングにすることで毎日の食事に取り込みやすくなります。
また、疲れたときにもオススメの組み合わせで、蒸し野菜や鶏肉などにも合います。
冬は寒さからも血液の流れが滞りがちになります。
よく冬場に心筋梗塞など循環器系の病気が多くみられますが、これは血液の流れが滞りがちのためです。
また、健康な方でもこの時期は血液の流れが悪くなりがちです。
血液の流れが滞った状態のことを中医学では、 ”瘀血(おけつ)” と呼びます。
瘀血(おけつ)の例としては、身近なもので言うと、目の下のクマ、シミ、打撲したときの青あざなどがあげられます。肩こりや腰痛を持っていらっしゃる方の一部には、瘀血が原因の方もいます。
重大な病気の原因になる血液をつまらせる血栓も瘀血です。
また、女性の場合は、子宮に瘀血があると生理痛がひどくなったり、子宮筋腫になったりします。
現代の生活ではどうしても運動不足になりがちです。特に座り仕事が多い方は、血液の流れが滞りがちになります。
日常的に血液の流れを良くし、血中の老廃物をたまらないよう心がけていくことが大切です。
軽い運動を行うのももちろんですが、血液の流れをスムーズにする食材を摂ることもあわせて行うとよいでしょう。
今回使用した玉ねぎ、イワシなどの青魚、お酢は、血液の流れをスムーズにする食材の代表格です。
上手に日々の食事に取り入れてみてください。
◆ 玉葱・洋葱(たまねぎ):血液・気を巡らす、消化不良を解消する
**食材の解説**
血液の巡りが悪い時、気の巡りも悪くなることがあります。逆に気の巡りが悪いときにも血液の流れは悪くなります。玉ねぎはそのどちらも解消してくれる食材です。
食欲不振や消化不良も、からだの巡りが悪いときにおこりがちです。玉ねぎは気血の流れを良くすることで、胃腸の巡りの悪さを解消してくれます。
現代の栄養学では、解毒・殺菌効果、利尿作用、高血圧、高脂血症などに効果があるとされます。
血液をサラサラにすることで有名であり、特に高血圧や高脂血症の方にはオススメの食材と言えるでしょう。
また、独特の匂いと辛みのもとである硫化アリルはビタミンB1の吸収をよくしてくれます。
生食で食べる場合、辛みが強いと逆に胃に負担になることがあります。
一方、切ってすぐに水にさらしてしまうと栄養成分が流れてしまいますので、辛みを抜く際には切ったあと15分以上空気にさらすとよいようです。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ アンチョビ(かたくちいわし):血液の流れを良くする、からだを強くする
◆ 酢:血液の流れを良くする、解毒する、体力を回復させる
玉ねぎとアンチョビのドレッシング
<材料> (作りやすい分量)
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アンチョビ(小さめの缶1缶分) ・・・・ 50g
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玉ねぎ ・・・・ 1個
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酢 ・・・・ 大さじ6
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生姜 ・・・・ ひとかけ
-
塩 ・・・・ 小さじ1
-
オリーブオイル ・・・・ 大さじ2
※オメガ3系のオイル(エゴマ油、インカインチなど)だとより効果的です
<作り方>
-
玉ねぎ、生姜はみじん切りにしておく。
-
アンチョビをたたき、ペースト状にする
-
熱湯消毒したビンなどにすべての材料を入れ、フタをしてよく混ぜる。半日程度おいたら、温野菜などにかけて食べる。(日持ちは1週間程度)
**** 過去の冬の薬膳レシピ ****
牡蠣とブロッコリーのソテー 冬の薬膳③
冬は”腎”に負担がかかる季節です。滋養強壮作用のある食材の多くは腎を補ってくれます。
魚介類の多くが腎を補うものですが、牡蠣もその一つ。
ミネラルも多く含みすぐれた栄養バランスの食材です。
冬に取りたい食材は免疫力を高めたり、強壮作用のあるものが多く、そのような食べ物は中医学的にいうと”腎”を補う食べ物が多いです。腎を補う食べ物は海産物に多く、冬場においしくなる牡蠣もその一つです。
冬の薬膳②では、冬の食養生として”腎”に帰経する食べ物が良い、と説明しましたが、この”腎”という臓器は単に腎臓だけを指すのではなく、私たちの生命活動の源をつかさどる機能も含んでいます。
たとえば、”腎”には生殖器の機能も含まれており、不妊治療やアンチエイジング効果を期待する場合は、適切に腎の働きをよくすることが必要になります。
また、老年性の足腰の痛み、認知症などもこの”腎”の機能が弱ってきたからと考えますので、症状の緩和や予防にも”腎”を補うことが必要です。
逆に、若くても特に冬に不養生な生活をしていると、”腎”が衰えてきます。特に腎は寒さを嫌いますので、冬場に下半身が冷える生活を送っていると、”腎”が弱ってしまいます。
寒い日に腰を痛めただけと思っていても、一時的ではありますが実際には”腎”が大変ダメージを受けた結果とみることができます。
頻繁に痛めてしまう方は、一度ライフスタイルを見直すとよいでしょう。
◆ 牡蠣(かき):免疫力を高める、肝機能を高める
**食材の解説**
カキは「海のミルク」ともいわれるほど、栄養豊富でバランスの取れた食材で、世界各国で強壮食品とされいます。
カキの身には、冬季に肌を滋養し美顔にする効果、血行を良くし生理痛・生理不順を改善する効果があります。また、カキの貝殻は”牡蛎(ぼれい)”と言われ、精神の安定、のぼせや寝汗の解消などに効果がある漢方薬です。
現代の栄養学では、鉄分や亜鉛などのミネラルが豊富で貧血や強壮作用が期待できます。また、グリコーゲン、タウリンが含まれており、肝機能の働きを助けます。
胃・十二指腸潰瘍、過汗症を回復する作用、免疫力向上、脳血栓の予防、肝機能向上に効果がみられるとの報告があります。
体をお温める効果が強いので、高血圧の方は身は食べないほうがよいでしょう。痔の症状を誘発するともいわれますので、痔の方も控えたほうがよいでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ ブロッコリー:からだを潤し、回復させる
◆ マッシュルーム:滋養強壮、生殖機能を保つ、肌を潤す
◆ にんにく:からだを温める、寒さからくるカゼを追い払う
牡蠣とブロッコリーのソテー
<材料> (2〜3人前)
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牡蠣 ・・・・ 200g
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ブロッコリー ・・・・ 100g
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マッシュルーム ・・・・ 50g
-
にんにく ・・・・ ひとかけ
-
塩 ・・・・ 小さじ1/2
-
オリーブオイル ・・・・ 大さじ1
<作り方>
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牡蠣は塩や大根おろしで汚れを落としておく。ブロッコリーとマッシュルームは食べやすい大きさに切る。にんにくはみじん切りにする。
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フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ、香りが出てきたら牡蠣を焼く。牡蠣に火がとおったら、とりだす。
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牡蠣を取り出したフライパンでブロッコリー、マッシュルームを炒める。火がとおったら牡蠣を戻し、塩を加える。
**** 過去の冬の薬膳レシピ ****
酒粕の豚汁 冬の薬膳②
暦の上では立冬から大寒までの3ヶ月が冬です。
日に日に寒さが厳しくなるなか、からだの芯から温める酒粕は冬にとりたいものの一つです。
毎日のお味噌汁に足すだけでも十分からだがあたたまります。
また、冬は豚肉をはじめとした”腎“を補う食材をとることが大切です。アンチエイジングにもなるのでしっかりと摂りたいものです。
冬は動物たちが冬眠したり、植物が土の中で芽吹きに備え根や種に栄養を蓄えるように、内側にからだのエネルギーを蓄える季節です。
この蓄えたエネルギーが、次の春、そして1年の動力源になりますので、冬の過ごし方が非常に大切になります。
ではどのようなエネルギーを蓄えるとよいかというと、食事で言えば体重を増やすような高カロリー食のことではなく、からだの源を強くするような食事が必要になります。
そのような特徴を備えた食材は“腎”に帰経(きけい)するものです。
たとえば、豚肉、山芋、黒ごま、黒米、栗、牡蠣やえび、スッポンなどで、黒い色をした食材が多いと言われます。また、“腎”は生殖器を司る臓器でもあり、これらの食材にはいわゆるアンチエイジング効果のあるものが多いです。
冬の食養生としては、”腎”を補う食材を中心としながら、からだをあたため、からだの表面を強くする(免疫力を高める)ような食事をとるとよいです。また、寒くてからだの巡りが滞りがちなので、適度に巡りをよくする食材もいれるとよいでしょう。
◆ 酒粕(さけかす):血行を良くする、お腹をあたためる
**食材の解説**
酒粕は日本酒を作るときの搾りかすで、発酵食品の一種です。最近は美容や健康に注目されることも多くなっている食品でしょう。
日本酒(清酒)は、少量飲むと血行を良くしからだを温める作用がありますが、酒粕にも同じく血行を良くしお腹を中心としてからだを温める作用があります。また、消化不良の改善する作用もあります。
現代の栄養学では、糖尿病の予防、がんの抑制、高血圧の抑制、骨粗しょう症の予防など様々な効果が認められており、美白効果もあると言われています。また、アレルギー体質の改善にも効果があり、花粉症やアトピー性皮膚炎などの改善も期待されます。
タンパク質、食物繊維のほか、ビタミンB1、B2、B6や葉酸など多数の栄養素を含んでいます。
酒粕もアルコールを含んでいますので、お酒の弱い方はアルコール分をしっかり飛ばしたり、摂りすぎないよう注意した方がよいでしょう。
◆ 葱・葱白(ねぎ・そうはく):寒気のあるカゼ、冷えの緩和
**食材の解説**
民間療法でのどのカゼにネギを首にまくとよいと言いますが、ネギの白い部分は”葱白(そうはく)”といい、漢方薬でも冷えから来るカゼの薬として用いられています。
ネギの白い部分には、寒さからくるカゼを発汗して追い払い気の巡りをよくする作用、お腹をあたためて冷えによる腹痛を緩和する作用があります。また、白い部分・青い部分ともに炎症の晴れを消して毒を解毒する作用があり、これがのどの痛みを緩和するとされる由縁でしょう。
現代の栄養学でも、ネギの白い部分には抗菌作用のある成分が多数含まれています。例えば、ネギやニンニクの匂いのもとであるアリシンは、幅広く強い殺菌力を持っており、ビタミンB1の吸収を高めエネルギーを効率的に利用できるようにします。また、アリシンを加熱すると血流をよくする成分になります。
なお、アリシンは熱に弱く水に溶けやすいので、抗菌作用を期待したいときは水にさらしたり長く煮たりしない方がよいでしょう。
ネギは、気を昇らせる作用が強いので、カゼでも汗をかきすぎているような高熱などには用いてはいけません。また、のぼせや多汗の症状がある方も控えた方がよいでしょう。どのような体質の方も食べるぎるとめやにが多くなったり脱毛しやすくなると言われているので、食べ過ぎには注意しましょう。
なお、ネギと蜂蜜は一緒に食べると中毒になるという報告もありますので、一緒に食べない方がよいでしょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 豚肉:からだを潤し、回復させる
※ 豚肉を使った過去のレシピはこちら
◆ 山芋:滋養強壮、生殖機能を保つ、肌を潤す
※ 山芋を使った過去のレシピはこちら
◆ しょうが:からだを温める、寒さからくるカゼを追い払う
◆ きゃべつ:毛細血管の循環障害改善、臓器の機能(特に消化機能)の調節と回復
◆ しめじ:血液を補う、便秘を解消する
◆ にんじん:血液を補う
◆ ごぼう:血行を良くする、老廃物をのぞく
◆ 七味唐辛子(唐辛子や陳皮):気血の流れを良くする
酒粕の豚汁
<材料> (2〜3人前)
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豚肉(バラまたは薄切り) ・・・・ 100g
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山芋 ・・・・ 100g
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キャベツ ・・・・ 50g
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しめじ ・・・・ 100g
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にんじん ・・・・ 50g
-
ごぼう ・・・・ 50g
-
酒粕 ・・・・ 大さじ1と1/2
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みそ ・・・・ 大さじ1と1/2
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だし汁 ・・・・ 800cc
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しょうが ・・・・ 5g(ひとかけ)
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ネギ(白い部分) ・・・・ 1本
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七味唐辛子 ・・・・ 適量
<作り方>
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具材の野菜を食べやすい大きさに切る。豚肉も3cm程度に切る。
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だし汁と1の野菜をなべにいれ煮る。
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具材が煮立ったらアクをとり、酒粕、みそを溶き入れ10分ほど煮る。
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器に盛りつけ、すりおろしたしょうが、輪切りにしたネギを添え、好みで七味唐辛子をかける。
**** 過去の冬の薬膳レシピ ****
ゆり根とクリームチーズの卵焼き 秋の薬膳④
乾燥し肺に負担がかかりがちな秋には白いものを取り入れるとよいとされます。
秋に食べたい食材の一つ、ゆり根を使った卵焼きです。
お弁当にも、一品足りないときにも使える簡単レシピです。
精神を落ち着かせる効果もあるので、何となく不安感があったり眠れないときにもオススメです。
広葉樹の葉も色づき、肌寒くなってくると本格的な秋の到来です。
とても過ごしやすく行楽にも絶好の季節ですが、空気が冷たく乾燥しているので、うっかりするとカゼをひいてしまう季節でもあります。
日頃より免疫力を高め、乾燥を防ぐ養生を心がけることが大切です。
中医学では、秋を“肺”に負担がかかる季節としており、白い食材をとるとよいとされています。
白い食材にはからだを潤すものが多くあり、秋の乾燥からからだを守る古人の知恵とも言えるでしょう。
からだを潤す食材の代表例は、白きくらげ、白ごま、れんこん、ゆり根、梨、牛乳などです。
また、この時期には適度な脂質も必要です。
肌も乾燥しやすいことからコラーゲンが含まれるようなものもよいでしょう。
便秘がちにもなりますのでナッツなどの良質の油をとったり、発酵食品で腸内環境を整えたりするのもよいでしょう。
卵やチーズもこの時期にとるとよい食品です。
◆ 鶏卵(たまご):からだを潤し、血を補う
**食材の解説**
たまごは非常に栄養価が高く、消化しやすい優れた食品です。
コレステロールが高く、避けた方がよい食品というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、実際には卵黄には脂質を溶かすレシチンという成分が含まれ、卵白にもコレステロール低下作用がみられるため、食べ過ぎなければ心配はいりません。
たまごは、からだを潤す作用、血を補い胎児を安定させる作用、内蔵を補い機能を強める作用、精神を安定させる作用があります。
空咳が出るとき、声がかれてしまったときに用いるとよいとされています。また、自律神経失調症にも効果があるとされています。
現代の栄養学では、ビタミンCと食物繊維以外の栄養素を含む優れた食材と言えます。
抗うつ・抗アレルギー作用や尿を作る機能を促進するメチオニンや精神安定物質を作るトリプトファンなど必須アミノ酸9種類すべてが含まれています。鉄分や亜鉛なども豊富に含まれており、貧血にも効果があります。
胃腸の弱い方は、卵白は固まった状態、卵黄は半熟でとるともっとも消化しやすいです。
ねぎやしょうがと一緒に食べると息切れしやすい、妊婦が鯉といっしょに食べると新生児が皮膚疹を引き起こしやすいと古文献には書かれているので、組み合わせには一応注意した方がよいでしょう。
◆ 百合根(ゆりね):肺を潤し空咳をとめる
**食材の解説**
ゆり根には、肺を潤し咳をとめる作用、ストレスを解消し動機を収め精神を安定させる作用、胃腸の機能を活発にする作用、通便・利尿作用などがあります。
特に、慢性気管支炎や空咳の改善や、精神を安定させ不眠の解消などに用いることが多くあります。
現代の栄養学でも同様に、煎じた液に咳をとめる効果、アレルギー性ぜんそくの抑制作用、安眠作用が認められています。また、ビタミンB2を多く含み、粘膜を丈夫にしたり、動脈硬化や老化の予防に有効とされています。
からだが冷えてカゼをひいたときや、痰が多い咳には逆効果です。また、お腹が冷えている時や下痢をしているときも避けた方がよいでしょう。
※ ゆり根を使った過去のレシピはこちら
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ チーズ:口の渇きや空咳を抑える、便秘を解消する
ゆり根とクリームチーズの卵焼き
<材料> (2人前)
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たまご(M) ・・・・ 2個
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ゆり根 ・・・・ 20g
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クリームチーズ ・・・・ 20g
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塩 ・・・・ 小1/2
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こしょう ・・・・ 少々
<作り方>
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ゆり根をきれいに洗い、食べやすい大きさに切る
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たまごを溶き、塩・こしょうを入れ混ぜる
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油をひいたフライパンでゆり根を炒め、火が通ったらたまごを流し入れ、クリームチーズも適当な大きさにわけていれる
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チーズがこげないように手早く混ぜ、全体に火が通れば完成
☆☆ 過去の『秋の薬膳』レシピ☆☆
秋野菜のはちみつマリネ 秋の薬膳③
秋の野菜をたくさん使ったはちみつ入りのマリネです。
秋の野菜やはちみつには、秋に弱くなる粘膜を強くするものがたくさん含まれています。
簡単に作れるので、秋の常備菜としてもオススメです。
夏は暑さに対処するかが重要ですが、秋の初めには、からだにこもったままの余分な熱を取り除きながら、夏に弱くなった粘膜を強くし、本格的な秋を迎える準備をすることが大切です。
もともとぜんそくを持っている人は、秋に症状が出やすい方も多いでしょう。また、夜風が涼しくなり、朝起きたらのどが痛くなっていた、ということもあります。
秋は、乾燥しやすい季節であり、“肺”を大切にすることが養生のポイントです。“肺”といっても、のどや鼻の粘膜なども含んだ呼吸器全体ととらえるとわかりやすいと思います。
粘膜は乾燥すると本来の機能を発揮できず、外から入ってくるウィルスなどがからだの中に入りやすくなってしまいます。よって、粘膜の適度な湿度を保つことが大切ですが、夏の暑さにより粘膜も乾いてしまい、そのまま秋を迎えてしまう方も多くみられます。
余熱を取り除きながら、粘膜の潤いを保ち、粘膜を強くする食材を多くとるようにしましょう。
◆ 茄子(なす):体内にこもった熱をおさめる
**食材の解説**
『秋なすは嫁に食わすな』とよくいいます。秋においしくなるのでお嫁さんには食べさせない、とも考えられますが、薬膳から考えると早く子供を授かってほしいお嫁さんに、からだを冷やしすぎないようとの心使いと解釈もできます。それほどにナスは体の熱をとり、気を降ろす作用に優れています。
夏バテで、熱っぽくのぼせるときに食べると非常に効果があるでしょう。
また、からだに熱毒がたまるとできやすい口内炎やできものなどの改善にも効果があるとされています。
現代の栄養学は、コレステロール値の降下作用(皮に含まれるナスニン、サポニン)、利尿作用(カリウム)、老化防止作用(ポリフェノール、紫色の皮に含まれる)があるとされています。また、ルチンが含まれており、毛細血管を丈夫にする作用もあります。
胃腸を冷やす効果があるので、涼しい季節は食べ過ぎに注意しましょう。また生姜や唐辛子などの薬味と一緒にとった方がよいでしょう。
◆ 南瓜(かぼちゃ):からだを潤し、胃腸を元気にする
**食材の解説**
かぼちゃは秋の野菜のイメージがあるかと思いますが、実際には夏に収穫されます。秋頃に熟し甘く食べごろになります。切らずに貯蔵すると冬までもち、冬場に不足しがちな栄養素をとることができ、冬至のころに食べるとカゼの予防にもなると食される習慣があります。
かぼちゃは、胃腸の吸収力を高めて元気をつける、炎症を抑えて痛みを止める効果があります。また、からだを潤す効果があります。中医学では食材の色で大まかな効能を分けることがありますが、黄色の食材は粘膜を強くするものが多いとされており、かぼちゃも粘膜の一つである胃腸を強くし、免疫力を上げるよい食材です。
現代の栄養学では、コバルトを多く含むためインシュリンの分泌を高める作用や、ビタミンE、βーカロチン、葉酸などが豊富に含まれており、夏バテの解消や、免疫力を高める効果などがあります。
なお、糖質やでんぷんも多いので、食べ過ぎないようにしましょう。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 玉ねぎ:気の巡りをよくする、消化を促進する
◆ さつま芋:胃腸を丈夫にし元気をつける、からだを潤す
◆ エリンギ:からだを潤す
◆ れんこん(加熱):胃腸を丈夫にする、血中の余分な熱をとり血行を良くする
◆ はちみつ:からだを潤す、胃腸を丈夫にする →はちみつの詳細な効能についてはこちら
秋野菜のはちみつマリネ
<材料> (2〜3人前)
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なす ・・・・ 2本
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かぼちゃ ・・・・ 100g
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玉ねぎ ・・・・ 小1個
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さつま芋 ・・・・ 小1本
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エリンギ ・・・・ 80g
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れんこん ・・・・ 100g
(マリネ液)
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はちみつ ・・・・ 大さじ1
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白ワイン ・・・・ 大さじ2
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白ワインビネガー ・・・・ 大さじ3
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オリーブオイル ・・・・ 大さじ1
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塩 ・・・・ 小さじ1/2
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こしょう ・・・・ 少々
(お好みでハーブをいれる)
<作り方>
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マリネ液を混ぜておく
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野菜を食べやすい大きさに切り、グリルする
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2を熱いうちに1に混ぜ、10分ほどおく
☆☆ 過去の『秋の薬膳』レシピ☆☆
豆腐とオクラのスープ 夏の薬膳⑥
前回に引き続き、夏の薬膳です。
昆布茶を使った豆腐とオクラのスープ。
からだの水分を補いながら、疲労回復、食欲不振を解消するレシピです。
立秋を過ぎると暑い日が続いても徐々に自然もからだも秋への準備を始めます。
夏の疲れは夏のうちに解消し、秋への準備を早めにすることが、次の季節を快適に過ごすコツです。
夏の後半は、暑さにより溜まった余分な熱を取り除くことはもちろんですが、水分バランスを整え、粘膜を強くし、免疫力を上げることが大切です。
これは来る秋の季節の特徴、“涼燥”、つまり気温の低下と乾燥に備えるためです。
秋になれば涼しくなり、湿度も下がりとても過ごしやすい時期です。しかし、いつまでも夏の気分でいると、夜風でお腹を壊したり、乾燥でのどが痛くなったりします。
気温の低下には、必要以上に冷たいものをとることや、夜にお腹を出して寝ることを避けることが大切です。
乾燥には、のどや鼻をはじめとした粘膜の水分を保つことが大切です。
夏の暑さで内側にこもった熱を取り除き、失われた水分を補いながら、夏バテを解消しましょう。
◆ 豆腐(とうふ):体内にこもった熱をおさめ、からだを潤す
**食材の解説**
豆腐は2000年以上までに中国で発明され、奈良時代に日本に渡ってきました。今は柔らかいものが多いですが、昔は石の上に落としても割れないほど固かったそうです。
豆腐はからだの中にこもった熱を収め、内蔵を潤す効果があり、肺に熱があるような咳をする時などに用いられます。また、唾液などの分泌を促し口の渇きを抑える、解毒する、胃腸の気の巡りをよくし老廃物を排泄するなどの効果があります。
現代の栄養学でも豆腐は健康食品としてみられることが多い食材です。原料である大豆のままではタンパク質の吸収はされにくいですが、豆腐にすることで強化吸収が高くなります。絹ごし豆腐よりも木綿豆腐の方がタンパク質やカルシウムが多く含まれます。
なお、胃腸を冷やす効果があるので、下痢をしやすい方は控えた方がよく、冷や奴よりも加熱した調理でとったり、生姜やネギ、シソなどの薬味と一緒にとった方がよいでしょう。
また、プリン体を多く含むため、痛風の方は控えた方がよいでしょう。タンパク質が多いため、腎炎の方も控えめに。
今回のレシピで使っているその他の食材
◆ 秋葵(オクラ):食欲不振を解消する、疲労回復、(特に夏の)便秘を解消する
◆ 昆布:熱を収める、利尿してむくみを解消する、痰を切る
◆ 椎茸:夏バテを解消し、余分な熱を収める、胃腸を養い元気をつける
豆腐とオクラのスープ
<材料> (2人前)
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豆腐 ・・・・ 50g
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オクラ(小) ・・・・ 2本
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しいたけ(小) ・・・・ 2個
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昆布茶 ・・・・ 小さじ3
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水 ・・・・ 300cc
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塩 ・・・・ 少々
<作り方>
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豆腐をさいの目に切る。オクラは輪切り、しいたけは薄切りにしておく。
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沸騰した湯に昆布茶をいれ、1をいれる。
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塩で味を整える。
※ 冷え性の方や、胃腸の冷えが気になる方は、生姜を加えるとよいでしょう。
☆☆ 過去の『夏の薬膳』レシピ☆☆